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自由と喜び、開放感にあふれた春夏コレクション。ニューヨーク、ミラノ、ロンドン、パリの4都市でフィジカルなショーが多く開催された今シーズンは、日常を取り戻しつつある喜びを表すかのような、開放的かつエネルギッシュでポジティブなムードがランウェイを彩った。全コレクションを制覇したあなたも、そうでない方も、ランウェイから見つけた最新トピックスをテーマにした、“おしゃれ検定”にトライすれば、自然と最新のファッションTIPSが学べるはず!
Q12022SSシーズン、ショー出演数No.1に輝いたのは……?
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photography: Imaxtree -
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photography: Imaxtree
お見事、正解!
残念、不正解!
正解は、30ブランドのランウェイを歩いた美佳。
解説
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パリ、ミラノ、ニューヨークの主要3都市で計30ブランドのランウェイを歩き、今シーズンのショー出演数で世界1位に輝いたのは、日本人の母とフランス人の父を持つモデルの美佳。ランウェイデビューを果たして5シーズン目で、押しも押されもせぬトップモデルの仲間入りを果たした。
お見事、正解!
実はすべて正解。
解説
とにかく肌見せ!
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すべての女性たちよ、身体を解き放て。
カットアウト、ブラトップ、ローライズ……さまざまな手法で素肌を見せたルックがランウェイを席巻。既成概念や先入観から女性性を解放し、自己表現としてのセクシーさ、女性であることを自由に謳歌しようというメッセージが込められている。ありのままの姿を受け入れるボディポジティブのムーブメントと相まって、オープンな肌見せが新時代のパワーウーマンに広がりそう。
肌見せの手法はさまざま。グラフィカルなカットアウトが目を引くサンローラン。シャネルやミュウミュウは、スポーツスタイルや正統派のトラッドをローライズボトムでアップデート。エルメスやトムフォードのようにブラトップを一枚で着用したり、フェンディやマックスマーラのようにジャケットとのコーディネートも多かった。
陽気なボヘミアン♩
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陽気なパラダイスボヘミアンがやってきた。
ヴァカンスや旅の情景を彷彿とさせる高揚感に満ちたボヘミアンなスタイル。クロシェ、マクラメ編み、スパンコール、ビーズ刺繍など、手仕事でしか生み出せないクラフトマンシップの温もりも感じられる。過去のコレクションの残反を手作業で再生させたクロエを筆頭に、クチュールライクなだけでなく、サステイナブルな視点もある愛に満ちたワードローブだ。
ガブリエラ・ハーストが手がけるクロエは、リサイクル素材を用いたハンドクラフトでボヘミアンを表現した。切りっぱなしでフリンジを表現したバーバリーを筆頭に、ステラマッカートニーやプロエンザスクーラーも長いフリンジのディテールを採用。ロゴをデジタルプリントした、バレンシアガらしいボヘミアンも新鮮。
キラキラ☆彡
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誰よりも、輝いたもの勝ち。
リラクシングなワンマイルウエアからの揺り戻しかのように、ラメ、メタリック、スパンコール、グリッターなど、さまざまなテクスチャーの輝きを纏った享楽的なスタイルがカムバック!1970年代を象徴する伝説的ディスコ、スタジオ54の雰囲気や、SNS全盛期のフォトジェニックな“映え”がインスピレーション源。エネルギッシュな女性たちがギラギラに煌めく光を纏って、再びナイトアウトへと繰り出す。
フォトグラファーたちのフラッシュの瞬きを浴びることで、ツイードを煌めかせたシャネル。レッドカーペットを彩るシルバーのドレスが印象的だったグッチやバレンシアガ。トムフォードやヴェルサーチェはディスコから着想。ロエベは、メタルプレートのコルセットを組み合わせることで、トレンチコートという日常着を進化させた。
Q3最近よく聞くY2Kとは何?
お見事、正解!
残念、不正解!
正解は Year 2000の略。
解説
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拡張する2000年代の波。
Y2Kのムーブメントがついにランウェイにも上陸。2000年代前後を象徴するポップアイコンであるブリトニー・スピアーズやパリス・ヒルトンら、当時のヤングセレブをお手本にしたスタイル。クロップト丈トップとローライズボトムスを合わせたへそ出し、ミニスカート、キッチュなアクセサリー使い、コスチューム風ルックなどが特徴だ。装う楽しさ、ガールズパワーはZ世代を中心にますます広がりそう。
Y2Kブームを牽引する1990年代生まれのディレクター、ニコラ・ブロニャーノが手がけるブルマリンは映画『キューティ・ブロンド』を彷彿とさせるサテンのピンク。98年にリリースされた『Baby One More Time』のPVが頭をよぎるミュウミュウ。ドルチェ&ガッバーナのジェニファー・ロペスがプリントされたTシャツも際立つ。
お見事、正解!
実はすべて正解。
解説
ジャケット
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オフィス回帰のセットアップ。
長いリモート期間を経て、オフィスへの回帰が始まりつつある。そんな世の中のムードを反映した、スーチングスタイルやセットアップが多く見られた。ジャケットはボクシーなシルエットが主流。グッドガールなスタイルがいままた新鮮。テーラードジャケットとボトムスのセットアップは、オフィス復帰に向けてのワードローブの主力となりそうだ。
今シーズンはジャケットスタイルもフェミニニティを忘れずに。シャツの第1ボタンまできっちりと留めた生真面目なスタイルと、大胆なミニスカートのコントラストが光るディオール。一方、胸元を大胆に開けたヴァレンティノやサンローラン。クロエ、マックスマーラのようにブラトップやバンドゥを合わせたスタイルにも注目。
ミニ丈!
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マイクロミニ旋風、吹き荒れる。
今シーズン圧倒的に多かったのがマイクロミニ。徐々に盛り上がっていたミニボトムスのムーブメントが最高潮に! 1960年代を彷彿とさせる台形ミニや変形ミニなど、大胆でコンパクトなシルエットのミニボトムスは潔いほどに短いのが特徴。開放的かつ大人の心を掴むモードに昇華されたミニのルックが、ランウェイを埋め尽くした。
マイケルコース、マックスマーラ、クレージュ、MSGMなど多くのブランドが打ち出したのはローライズのボックスミニ。プラダが提案したのは、伝統的なイブニングドレスの要素であるトレーンをあしらった変形ミニスカート。ヴァレンティノ、ディオール、エルメスのように、大人の女性のためのAラインのミニドレスも今シーズンの主流だ。
デニム素材
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ブルーデニムの風に吹かれて。
今季、メイントレンドに躍り出たブルーデニム。ブリーチアウト、ロウデニム、クラッシュ、ローライズ、ブラトップ、ジャケット、ドレス……。ディテールもシルエットもアイテムもさまざまに出揃った。主要なハイメゾンが次々とデニムのスタイルを提唱することで、カジュアル&イージーなだけではない、デニムの可能性が無限に広がった。
サンローラン、ルイ・ヴィトン、ヴァレンティノ、ディオールなどラグジュアリーメゾンがデニムルックを発表。ロエベのデニムドレスや、チュニジアの民族衣装から着想を得たアライアのボディスーツデニムなど、ブランドのアティチュードが表現されたユニークなピースも。インディゴデニムにブリーチをかけたのはMM6 メゾン マルジェラ。多様性のあるデニムにフレッシュなパワーを感じた。
お見事、正解!
残念、不正解!
正解は、45ブランド。
解説
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アルベール・エルバスに愛をこめて。
2021年4月に逝去したアルベール・エルバスを偲び、AZファクトリーが追悼ショーを開催。45ブランドの名だたるデザイナーたちによるエルバスへのオマージュ作品と、AZファクトリースタジオによる25着の新作が披露された。さまざまなデザイナーが制作したドレスには、エルバスが愛した眼鏡や蝶ネクタイ、彼自身の手描きのモチーフがデザインされた。エルバスのポートフォリオが映し出されたフィナーレではハートの紙吹雪で会場が埋め尽くされ、偉大なデザイナーへ愛の賛歌が捧げられた。