サマーソニック09直前
Music Sketch 2009.08.05
副編Uさんのブログ上に伝言をいただいていたように、サマーソニック09が近づいてきました。今年は10周年で3日間開催され、どうやら天気も大丈夫そうな感じ。問題は、自分の体調と体力でしょうか。前後にはびっしり取材が控えているし、自己管理を一番気をつけなくては、という感じです。
マリンスタジアムには、夏の陽射しと共に潮の香りが漂います。
初日7日(金)は昼頃に行って、SCHOOL OF SEVEN BELLSの浮遊感漂うエレクトロニカ系サウンドで涼み、引き続きTHE BIG PINKのエレクトロニカ系シューゲイザーを堪能し、その後はDragon AshもKATY PERRYのライヴも素晴らしいのは何度も見てわかっているので、それをまた堪能するか、他を見るかは、その場の雰囲気で考える予定です。
SCHOOL OF SEVEN BELLS:ブルックリン出身の3人組(女性は双子)。脳細胞が心地よく刺激されそう。
65DAYSOFSTATICを覗いたら、先日の試聴会でニュー・アルバム『ブラン・ニュー・アイズ』の期待感が高まった紅1点ヴォーカル、ヘイリー率いるロックバンド、PARAMOREを見に、マリンスタジアムへ。彼らはちょうど今、グウェン・ステファニーのバンド、ノー・ダウトの再結成全米ツアーのオープニング・アクトを務めていて絶好調なので、ヘヴィなライヴが期待できそう。ちょっと涼みたい人は、ビーチサイドのJENNY LEWESを是非見に行ってください。
PARAMORE:映画『トワイライト~初恋』のサントラでも人気。アメリカで話題のバンド。
JENNY LEWES:オルタナティヴ・フォークバンドのRILO KILEYのヴォーカルとしても活躍。新作にはエルヴィス・コステロも参加。
その後は、とても迷います。新作『エブリシング・イズ・ニュー』の良かったJACK PENATEをビーチサイドで聴くのは気持ちよさそうだし、MOGWAIも久しぶりに見たいし、MERCURY REV、MEW、SOULWAXなども体感したい。気分次第でハードにNINE INCH NAILSもKASABIANもAPHEX TWINを体感するかもしれないし......。夜は久々にTRICKYを堪能したいし、先日レコード会社の新入女子社員に勧められたTHA BLUE HERBは、気分が乗れば見たいです・・・・。ただ、翌日が一番ヤマなので、そこそこで帰るかも。
KASABIAN:オアシスから絶大な評価を受けていて、スケール感も存在感も大きい。
2日目の8日(土)はガールズロック好きの私は弱冠15歳のシンガー、Kyleeを朝10時半からチェックしつつ、評判の高い日本のインストゥルメンタル・ロック・バンドLITEもチェック。余裕があれば、最近話す機会の多い、大好きな日本のイケメン・ロック・バンドlego big morlを見ます。FIGARO読者には、本誌でこれから取材するLENKA、既に取材したLITTLE BOOTS、そしてやはりFIAGROで取り上げたイケメン(だと私は思っている)YUKSEKあたりをオススメ。私はどれも絶対に行きます。
LENKA:ビョーク的センスにバート・バカラック的なエヴァーグリーンな温かさを加えたガーリーな音楽が魅力。
YUKSEK:フランスのクラブシーンから飛び出した期待の若手。歌もので踊れるのが嬉しい。
その後は非常に迷います。本当はWHITE LIESから勧められたヘヴィロックのMASTODONも生で体感したいのですが、夕方までは毎年食べている鮪丼か、本場仕込みのピザを食べて休息しながら、幕張メッセ内のライヴを見ていると思います。とはいえ、もともとロックは凄く好きなので、副編Uさんじゃないけど、HOOBASTANKをはじめ、THE HORRORS、LINLIN PARKを見るかもしれないし、あちこち可能な限り移動するかも・・・・・・。もしくは、NATTY、MISHIKA、MARIÉ DIGBYといった流れで、ビーチステージで過ごす柔らかな歌声&緩やかな時間のレイドバックな空間もそそられます。
TOM TOM CLUB:伝説のバンド、TALLING HEADSのリズム隊から生まれ、80年代から活躍。楽しく、軽快に踊りたい人は是非!
KLAXSONS:ずっと新作が待たれている気鋭のニュー・レイヴ系ダンス・ロック・バンド。新曲が聴けるかも。
そしてこの日の夜は、何と言っても中田ヤスタカ、LADY GAGAで、凄い盛り上がりになること必須でしょう。絶対に混むと思いますが、LADY GAGAは相当気合を入れてパフォームするので、是非会場に足を運んでほしいです。
LADY GAGA:絶対見てください! 絶対に楽しめるはずです。
最終日の9日(日)はオーストラリア出身ながらアメリカで成功を収めている美人双子姉妹THE VERONICASのポップ・ロック的なステージを見て、やはりオーストラリアから世界へと羽ばたいているロック・バンド、THE TEMPER TRAPをチェック。コールドプレイを引き合いに出される彼らが、どんな演奏を展開するか楽しみです。
THE VERONICAS:曲の評価は既に高く、パフォーマンスが楽しみ。
その後は、迷いますね。ユニコーンをはじめ、自分のヒット曲はもちろん他人への提供曲にもヒット曲が多く、それらをメドレーで華麗に聞かせるNe-Yoのステージも絶対に楽しいと思うし、ハイエナージーなENTER SHIKARIとベル・アンド・セバスチャンに多大な影響を与えたといわれるTHE VASELINESのように対極するかのようなバンドを交互に見てもいいし。IGLU&HARTLYから、マドンナ監督映画『ワンダーラスト』に登場して話題になったGOGOL BORDELLOまで、のんびりビーチサイドに佇んでもいいし。
GOGOL BORDELLO:中央のユージン・ハッツは、マドンナの映画作品の主役に加え、ファッション業界からも注目されている超個性派アーティスト。
インディーズに回帰し、新作『ジ・エターナル』が素晴らしく良かったカリスマ的バンドSONIC YOUTHも絶対に見たい。そして出演映画『キャデラック・レコード』が公開中とあって、絶対に素晴らしいショウを見せてくれると期待できるBEYONCE、その裏で逆に音楽のマジックとハプニングを楽しめるTHE FLAMING LIPSがバッチリ重なっているところが悩みのタネであります。
SONIC YOUTH:ニルヴァーナやベックからブロック・パーティまで、実に多くのミュージシャンに多大な影響を与え、常にロックに挑戦してきた偉大なバンド。
BEYONCÉ:とても華やかなライヴを期待できそうです。Ne-Yoが飛び入りするかも!?
サマソニHPにもオススメのアーティストを書いていますが、セレクトはオーストラリアに行っている間に早い者勝ち状態になってしまい......、なので、そこに書いていないからオススメというわけではないです。ここではFIGARO読者を意識しつつ、個人的な趣味も多少混ぜてご紹介してみましたが、会場は7箇所と多いし、出演者も多いし、移動時間を考慮しても一度に見切れないですよね。もちろん、邦楽のアーティストも素晴らしいライヴを見せてくれるはずです。ロックの見本市といわれているだけあって本当に新人も多いので、私は仕事的には既に見ているものよりも、見ていない新人を中心にチェックしようとは思っています。でも、何より好きな音楽を楽しむのが一番ですよね! 熱中症や水分補給、そしてケガに気をつけて過ごしましょう。

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
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