詩
真珠の詩
最果タヒ
遠い未来、だれかのためだけに私は涙を流す。
その涙は真珠に生まれ変わって、
それがきっと、時を遡り、今、私の手元に。
私のさみしさを約束するように、光を反射している。
愛していると言える。
永遠は見えないのに。
いつまでも変わらない愛など、嘘以外にどこにもない。
でも、ずっと愛していると、言える。
私は、きみがいなくなっても、きみの名前を呼ぶだろう。
私の海の波音はもうずっと、きみを呼んでいる。
それだけは、永遠なんだ。
真珠の涙だけが、
海の底まで、溶けずに落ちる。
photography | Ayumu Yoshida(objects) |
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styling | Mayu Yauchi(objects) |