俳優・小林涼子が起業した、世の中にまだないソーシャルグッドなビジネスを支えるものは？

一から造り上げた都市型農園は手探りの連続。

俳優業をしながら、2014年から家族と一緒に新潟県で農業に携わるようになったという小林さん。なぜ自身で会社を立ち上げようと思ったのでしょうか？

新潟で農業のお手伝いをするなかで、ひとりで植えられる苗の数は限られていて、自分がいかに非力かということを実感しました。そこで、会社という組織として農業を盛り上げたいと思い、21年にアグリコを起業しました。都市型の循環農業のほかに、農園を通じた企業と障がい者のマッチング・雇用支援の２本柱で活動してきましたが、今年から新たに法人向けのアートレンタル事業も開始しました。

アートをレンタルする事業は農業とどんな繋がりがあるのでしょう？

アート事業は、農園で働く障がい者の方が何気なく描いた絵の素晴らしさに気付いたのがきっかけで始まり 、現在は新人から著名作家までプライマリー・セカンダリーのアートも取り扱っています。食は身体の健康を作り出しますが、アートは健康な心を作ります。心が元気でないと、食べ物もおいしいと感じることができない。私たちの会社は「明日を耕していく」という目標を立て、ウェルビーイングなライフスタイルを提案しています。

仕入れの管理をスピーディに一元化。

起業した頃、苦労した点は？

起業当初は社会的な信用もありませんから、銀行口座の開設やクレジットカード作成に苦労しました。ビルの屋上にアクアポニックス（水耕栽培と魚の養殖を一体化したシステム）のファームを造るという、これまで誰もチャレンジしていなかった構想を実現するにあたっては、一からデザインを考えたので、鉄パイプやネジの仕入れも自分たちで行いました。建築廃材や放棄竹林の竹など環境に配慮した建材を探して取り寄せていたので、作業は膨大です。こまごました資材のほか肥料や飼料などを仕入れ、気付けばクレジットカードの使用限度額を超えたこともあります。

経理の手間を削減し、やりたいことに専念。

今後、ビジネス・ゴールド・カードをどのように使っていきたいですか？

自分ひとりで始めた時はコミュニティもコネクションもなく、どうやって仕入れ管理をしたらいいのかわかりませんでした。また、領収書の整理に時間を取られて、クリエイティブなことや営業活動が思うようにできないこともありました。しかしビジネス・カードを1枚持つだけで、バックオフィスの管理がスムーズになる。ビジネスが軌道に乗ってからも、カードで支出を一元化して見られるようにしておくと楽だと思っています。アメックスのビジネス・カードの会員向けプラットフォーム「アメリカン・エキスプレス®・ビジネス・マッチング・プラットフォーム」では、取引先やパートナーを探せるそうなので、ぜひ利用してみたいです。

これからの目標を教えてください。

俳優業は周りの人たちに能力を引き出してもらって成立する職業です。私はビジネスにおいても多様な人たちの才能を引き出したい。うちの会社には子育て中の女性も多いのですが、それぞれに素晴らしい特技がある。パラアートにも通じる点ですが、ばらばらな才能が化学反応を起こして結果的にビジネスに繋がることがある。忙しい中でも、そんな瞬間を見逃さないようにしたい。便利なツールはどんどん活用して、ビジネスをよりスピーディに進め、農業とアートを軸に、これからも世の中で見たことのないソーシャルグッドなサービスを作っていきたいですね。