update:2024/05/24
内装を担当したのはリシャール・ラフォン。カラーレの大理石をはめ込んだテーブルや革のベンチ席......古い写真を飾って、パリの7区にイタリアンな雰囲気をクリエイトした。photo:Marco Strullu
三つ星シェフのピエール・ガニェール。いまさら彼についての説明は不要だろう。フレンチ・ガストロノミーの巨匠であるが、2015年に冬の高級リゾート地クルシュヴェルのホテル内にイタリアンレストランPiero TT(ピエロ TT)を開いている。なぜ山に?と思ったら、彼の父親は1950年代にヴァル・ディゼールというスキー場で料理人だったという子ども時代の思い出があるからだそうだ。
最近パリ市内にもこのレストランがオープンした。ガニェールによるイタリアンがついにパリで味わえることになったのだ。冬だけ営業のクルシュヴェルとちがい、パリは1年中営業している。かつてGAYA(ガヤ)という魚介レストランがあった場所。このレストランを買い取ったガニェールは、昨秋近所のサン・シモン通りにその店を移転し、Piero TTをオープンしたのである。高級住宅地であり、骨董街であり......客層はちょっぴり大人でスノッブかもしれないけれど、イタリアン・ガストロノミーとしては気楽な雰囲気だ。リュクスなトラットリアをイメージするといいだろう。
テーブルに運ばれてくるのは、良い素材を用いたシンプルな料理ばかり。メニューは前菜、海鮮の生もの、パスタ&リゾット、魚、肉、デザートという構成だ。ガニェールのアイデアによる料理をキッチンで作り上げるのはシェフのイヴァン・フェララ。デザートはパティシエールのジュリー・ベリエが担当している。ワインはイタリアだけでなく、フランスのワインも揃え、ソムリエのミッシェル・レラが素晴らしいチョイスをしてくれる。
最近、ピザがメインのレストランが多くオープンし続けるパリだけれど、たまにはきちんと料理されたイタリアンに舌鼓というのも悪くない。
1階では、天井と鏡の周囲に自然が描かれている。お皿や写真がトラットリア風だ。
小エビやオニオンのフリット(15ユーロ)。photo:Marco Strullu
トマトとバジリコのスパゲットーニは、ベネデッタ・カヴァリエリのパスタを使用(25ユーロ)。こっくりしたソースが、スパゲッティより少し太い麺にバランスよく絡み合う。photo:Marco Strullu
海の幸のフレッシュ・パスタ・ア・ラ・ギタール(30ユーロ)。いまの季節はブラックトリュフのフレッシュ・パスタ・ア・ラ・ギタール(40ユーロ)もおすすめ。photo:Marco Strullu
このギタール(ギター)とは何かというと、ギターの弦を張ったような道具。伸ばした生地をこの弦でカットするのだ。illustration:Prune Cirelli
ブラータ・カンパリ、クレムー・マロン(10ユーロ)。ブラータをベースにしたアイスクリームはカンパリでほんのりピンク色。小さなマロン・グラッセが味わいとテクスチャーをプラスする。
軽やかでフェミニンなデザートばかり。パティシエールのジュリー・ベリエが担当している。photo:Marco Strullu
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INFORMATION
Piero TTピエロ TT<7区>
44, rue du Bac 75007
01・43・20・00・40
RUE DU BAC
12時〜14時30分、19時30分〜22時30分 休)日、月、第2火
réalisation:MARIKO OMURA
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