世界は愉快:お祝いの食 from コペンハーゲン

クランスケーユと国旗はデンマークのハッピーシンボル。

毎月ひとつテーマを設け、お国柄や街の様子をお届けする連載「世界は愉快」。1月は「お祝いの食」がテーマです。

特集

January 9, 2021

文/冨田千恵子(在コペンハーゲンコーディネーター、ライター)

コロナ禍でパーティなどの集まりは10人までと制限されているデンマークでは、例年なら大晦日は大勢でカウントダウンしながら新年を迎えるのに、2021年は親しい家族や友人だけとの地味な幕開けになった。一般的に大晦日といえば、クリスマスで鴨などの肉料理を食べた後だから魚料理ということで、牡蠣とシャンパン、寿司などを自由に組み合わせるスタイル。ただしデザートだけは、紅白のデンマーク国旗で飾った「クランスケーユ」と決まっている。

IMG_3171.jpgデンマークの年越しのルールは、花火を見ながらシャンパンとともにクランスケーユを食べること。写真左から、蜂蜜味のバトン形とタワー形。photo:MAYA TOMITA

クランスケーユは、アーモンドの粉を固めたマジパンに卵白、砂糖を加えオーブンで焼いたもので、デンマークでは1700年代の料理本に載っているという伝統菓子だ。円を重ねた形は蜂の巣をイメージしたといわれ、当時はアーモンドも蜂蜜も高価なものだったから豊かさの象徴とされた。新年だけでなく、結婚式、キリスト教の洗礼式、堅信式や誕生日など、おめでたい席には欠かせない国民的菓子だ。

IMG_1548ny.jpg伝統的なお菓子やケーキを作り続けているコペンハーゲンの老舗菓子店ラ・グラスで買える、クランスケーユ。photo:LA GRACE

新年用のタワー形はクリスマスが終わった途端にパン屋やケーキ店に並ぶが、他にも長方形、丸形など、バリエーションは豊富だ。たとえば、創業1870年のコペンハーゲンの老舗菓子店ラ・グラスでは、キノコの形にチョコレートで飾ったものもある。主原料がマジパンだから、粘土細工さながらにクリエイティビティを発揮できるのかもしれない。もちろんホームメイドを試みてもよいのだが、外はサクッと、中身をアーモンドが香るモチっとした食感に仕上げるのは意外に難しい。やはり、クランスケーユは店で買うものなのかもしれない。

1_32_3.jpgタワー形は結婚式や記念日などのパーティに使われることも多い。デンマーク人は国旗好きだから、たくさん飾って祝う。photo:LA GRACE

IMG_0432-1.jpgタワー形のバリエーション。ラ・グラスのロゴにも使われている、海老のようなホーン形の中にもお菓子が入っている。「おめでとう、マーク」と書かれた特注品。photo:LA GRACE

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texte : CHIEKO TOMITA

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