世界は愉快 アウトドア編 from ベルリン

『グランド・ブタペスト・ホテル』のロケ地をハイキング。

毎月ひとつテーマを設け、お国柄や街の様子をお届けする連載「世界は愉快」。6月は「アウトドア」がテーマです。

特集

June 7, 2021

文/河内秀子(在ベルリンライター)

ドイツ人にとってアウトドアアクティビティといえば、ハイキング! コロナ禍の休暇は自然の中で過ごしたい人が増え、ここ1年ブームとなっている。特に人気は、都市から行きやすいハイキングスポットだ。

ベルリンからの日帰りハイキングの目的地として人気の絶景ポイントが、ザクセン国立公園である。エルベ川に面する約93km²の国立公園には、広く深い針葉樹林の間から100mを越す岩がニョキニョキと頭を覗かせる、不思議な風景が広がっている。この場所は、白亜紀には海底にあり、砂が沈殿して固まってできた砂岩が長い年月をかけて浸食され、いまのような奇妙な形を作り上げたところだ。どこを歩いても絵になる眺めは、18世紀後期から画家たちを惹きつけた。

210604_1.jpgザクセン国立公園にはいくつもの見晴台が作られており、絶景を拝むことができる。photo:François Thierens

なかでも有名な観光スポットが、1851年に作られたバスタイ橋だ。奇岩と奇岩の間を繋ぎ、深さ40mの渓谷の上を歩けるように作られている。この景色にふと既視感を覚えた方もいるかもしれない。実はここ、ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブタペスト・ホテル』のロケ地となった場所でもあるのだ。この映画は、ホテルを含めてほぼ全編、東部ドイツで撮影されている。主人公のゼロとアガサの結婚式のシーンは、雪のザクセン国立公園で撮影された。白く綿帽子のように雪をかぶった奇岩が並ぶ幻想的な風景が忘れがたい。

210604_2thebastuonbridge.jpg奇岩の間を通るバスタイ橋は全長76.5mで、7つのアーチがある。photo:Jens Wegener

ここは、白銀の世界を楽しむ冬のハイキングルートも存在するが、輝くような新緑が美しい初夏、紅葉が美しい秋と四季を通じて楽しめる。砂岩はクライミングにも適しており、クライマー初心者から上級者まで楽しめる様々な場所もある。クライミングでしか辿り着けない岩の上からの眺めは、まさに息を飲む絶景だ。

210604_4.jpg眼下には深い緑が広がる。チェコ国境にあり、チェコ側はボヘミアスイス国立公園になっている。photo:Jens Wegener

ザクセン国立公園
www.nationalpark-saechsische-schweiz.de

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text: HIDEKO KAWACHI

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