ボンド最新作で盛り上がる今、イギリス諜報部が出した求人広告。

ミツコのロンドン・ウィークリー

日本ではもうすぐ12月に公開される、ボンド映画の最新作『007 スカイフォール』。今年は、ボンド映画50周年に当たっていたこともあり、早い時期からバービカンでの展覧会やら過去の作品の衣装やポスターのオークションやら、いろいろと楽しく盛り上がっていました。

オリンピックの開会式では、ダニエル・クレイグ扮するジェームス・ボンドがエリザベス女王をエスコートして会場入りした、なんて驚きの仕掛けもありましたよね。

イギリスでは既に10月26日に公開されたのですが、週末興行成績で今年の公開作のトップに立つなど、大ヒット。ロイヤル&アルバート・ホールでのプレミアも、テイト・モダーンでのアフター・ショー・パーティーも超ハデで、力の入れ方がハンパないイベントでした。

ボンド映画はイギリス人にとって特別なものなのだということは、公開初日に映画館に行くと、よくわかります。正装して来ている人がいるし、とにかく、開演前の館内のザワつきがすごいんです。みんなウキウキ、始まる前から興奮してる。普通の映画の時の様子とまったくまったく異なるのです。ふだんは映画館になど足を運ばない人も大事なイベントとして参加している、という感じ。これにはホントに驚くというか、感心してしまいます。

で、ジェームス・ボンド、世界一有名なイギリス諜報部のスパイなわけですが、忘れた頃に時々現れるのが、スパイの求人広告。ボンドが所属するMI6(海外諜報担当。ちなみに国内諜報部門はMI5)が出した広告が、"良いスパイになる資質が見た目にわかりやすいものだったら、それは優秀なスパイとは言えないだろう"という見出しとともに、つい先日も新聞に掲載されました。ボンド最新作で盛り上がっている頃に出すなんて、ニクイ。というか、そんなところも含めて、ボンドって特別、イギリスっておもしろい大国、なのですが。

IMG_3247.JPG 無料夕刊紙「イブニング・スタンダード」に掲載された広告。どのくらいの応募者がいるのか、知りたいところですね。


広告をとってもかいつまんで言うと、「諜報部員の仕事は、『007』がするようなカーチェイスとか銃撃戦みたいにわかりやすいことではなく、あらゆる層の人々と付き合い、いい関係を築くという、もっと普通のことであり、スパイは孤独で危険というのも、間違い。チームゲームだしサポートもされる。『裏切りのサーカス』("Tinker, Tailor, Soldier, Spy"←これもイギリス人にとっては特別の、いい作品です)のスパイみたいに超インテリで変わり者なわけでもなくEQも大事で、海外諜報部だけど、世界を飛び回っているわけではなく、ほとんどの仕事はヴォクソールにある本部内だから,家庭生活もちゃんと営める。もちろん、秘密を守ることは絶対なので、仕事内容だけでなく応募したことも他言は無用。採用された暁には、親友や家族ひとりか二人には言ってもいいけど、それ以外の人用には、あなたの仮の姿をつくってあげます。でも、こうした守秘義務ゆえに、逆に職場内はオープンで支援体制もバッチリ。白人の男性というステレオタイプもウソで、イギリス国籍保有者である限り、性別や出身も問いません」という内容なのですが、読んでいて、もう、興味津々。

特に、応募したことも内緒で、採用されたら、対外用に仮の自分の姿を作ってくれるなんて下りには、これぞスパイだ!とミーハーな私はワクワクしてしまいました。どういう職業に就いてるってことにしてくれるのかしら?

実は昔、知り合いのイギリス人に、「大学時代にMI5で働かないかとスカウトされたんだ」と告白されたことがあります。彼はたしかに、誰の目にも優しく普通にいい人に見えて、信頼を裏切らなそうなタイプ。彼をスカウトした人も、まさか!と思うような人物だったそうです。その話を彼が私にした時、重大な秘密を暴露するけど内緒だよ、みたいな感じでボソッと言ったので、聞いているこちらもドキドキ、えーっ、イギリスってやっぱりそういうことがあるんだ!と妙に興奮したものでした。 「なんで引き受けなかったの? そしたら私は、スパイの友だちだったのにぃ!」とまで言った私はどこまでもミーハーな大バカ者ですが。

いやぁー、イギリス国籍持ってたら、ぜひ、応募してみたい! 諜報活動なんて、仮の姿を持てるなんて、カッコイイじゃないですか! と、こんなことをおおっぴらに書いている時点で既に、私は最も資質がないヤツってことなんですけどね。

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