ビクトリア&アルバート・ミュージアムの「Hollywood Costume」展

ミツコのロンドン・ウィークリー


ロンドンにいて幸福だと感じることのひとつが、優れた美術館や博物館が数多くあって、「見たい!」と思う完成度の高い展覧会が常にどこかで開かれていること。今年のロンドンは、大イベントが続いた特別年だったこともあってか、展覧会も、非常に力が入った興味深いものが多かったように思います。

秋から冬にかけても、その勢いは続いていますので、2つほどご紹介を。冬休みでロンドンにいらしたら、ぜひ、ご覧くださいね。

まずは、「ビクトリア&アルバート・ミュージアム」で開催中の「Hollywood Costume」。映画のストーリー・テリングの中でコスチューム・デザインの果たす役割について紹介する展覧会ですが、この100年余りのハリウッド映画の主だった作品のコスチューム100点以上が、ズラリと展示されています。多くは、初めて一般公開されるもの。マレーネ・ディートリッヒが着た衣装もあれば、もちろん、マリリン・モンローが『お熱いのがお好き』で着たドレスや、オードリー・ヘップバーンが「ティファニーで朝食を」でまとったジバンシーのあの黒いドレスもあり。『カリブの海賊』のジョニー・デップのジャック・スパロー役の衣装もあります。とにかく、誰もが知ってる、あの映画の、あの衣装、がこれでもか、というほど一同に展示されていて、こんなに一挙に見られるのは、大袈裟ではなく、"一生に一度の経験"でしょう。

002_1.jpg

単に衣装をズラリと並べているだけではなく、いろいろなメディアを駆使しているのも特徴で、ビデオがあれば、ヒッチ・コックやティム・バートンなど監督と、コスチューム・デザイナーの対話もあったりして、とにかく飽きさせません。映画におけるコスチュームとは何ぞやということが、もちろんその製作過程も含め、楽しみながらわかるようになっています。手に取るようにわかる、というのはこのことか、というくらい、間近でディテールまで見られるので、そのこだわりにうっとりしてしまいます。

153934827JO016_The_V_A_s_Ho.JPG

こういう衣装を見る個人的な楽しみとしては、有名スターのサイズがわかるということもあります。あら、あの女優さんて、意外に大柄だったんだわ、とか、逆に、えぇー、こんなにウエストが細かったの?とか、変なところで感心。役柄によって体型まで自在に変えることで有名なロバート・デ・ニーロなど、『タクシー・ドライバー』と『レイジング・ブル』ではまったく衣装サイズが違うので、さすがだ!と感服したり(デ・ニーロとメリル・ストリープの対話形式のインタビュー・ビデオもあります)。

8._Robert_De_Niro.JPG

古い作品ばかりでなく、『アーティスト』など最近作のコスチュームもありますよ。

華やかな気分になれるので、この季節にはうってつけの展覧会。最近は、どこの美術館も、より幅広い層に受け入れやすい内容と展示のしかたをするようになっている傾向にありますが(でも、内容はちゃんとしてます)、これなど、その典型ではないでしょうか。

もうひとつは、ナショナル・ギャラリーで開催中の『SEDUCED BY ART: Photography Past and Present』。19世紀からコンテンポラリーまでの写真90点あまりを、ナショナル・ギャラリー所蔵の絵画と並べ、写真家が伝統的絵画に何を見いだし、影響を受けたかを探るという、非常におもしろい展覧会です。肖像画、静物画、ヌード、風景画などジャンルに分けて紹介し、テーマの普遍性にも光を当てています。

個人的には19世紀の写真が好きだということもありますが、ジュリア・マーガレット・キャメロンやグスタフ・ル・グレイなど19世紀を代表する写真家の作品が見られるのは嬉しいし、コンテンポラリーの写真家の作品がコンスタブル、ドガ、アングルなど19世紀の画家の作品と並べられているのも興味深いです。

暗く憂鬱な冬は、美しいものを見て過ごすのが1番! どちらも金曜日はレイト・ナイトで遅くまで開館していますので、ぜひ(クリスマスの12月24〜26日は閉館ですので、ご注意を)。



Hollywood Costume/Victoria & Albert Museum
2013年1月27日まで開催中。毎日10時〜17時45分(金曜日は22時まで)
12月24、25、26日閉館。
SEDUCED BY ART/National Gallery Sainsbury Wing
2013年1月20日まで開催中。毎日10時〜18時(金曜日は21時まで)
12月24、25、26日、1月1日閉館。

BRAND SPECIAL

    BRAND NEWS

      • NEW
      • WEEKLY RANKING
      SEE MORE

      RECOMMENDED

      LATEST BLOG

      madame FIGARO.jpではサイトの最新情報をはじめ、雑誌「フィガロジャポン」最新号のご案内などの情報を毎月5日と20日にメールマガジンでお届けいたします。