Editor's Blog

清澄白河がもっと好きになる、「MOTサテライト」。

こんにちは。編集MIです。
週末にやっと、MOTサテライト「往来往来」へ行ってきました。MOTサテライトとは、現在休館中の東京都現代美術館が街に出て、11組のアーティストとともに街の歴史や記憶を辿りながらその魅力を掘り起こしていく、というプロジェクト。個人的にも好きなアーティストが参加していたこともあり、訪れるのを楽しみにしていました。
MOTスペースと題された展示会場が7つ。そして、MOTスポットとして商店街やコーヒー・ロースタリー、カフェなど、街の至る所に作品が点在し、清澄白河の街歩きが楽しめる内容です。私は途中ランチを挟みながら、MOTスペースを巡ってきました。その中からいくつかご紹介してみます。

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まずは深川資料館通り沿いのスペース2、吉増剛造さんの展示へ。現代日本を代表する詩人である吉増さんは、深川のほとりに住んでいた芭蕉と、この地で生まれ育った小津安二郎を題材にした作品。館内はまるで部屋のように棚が並び、年季のある本、カメラ、グラスなどがびっしりと並んでいます。タイムスリップしたような感覚に駆られながら、吉増さんのまろやかな声が流れる映像に導かれ、なんとも不思議な浮遊感を感じる空間でした。

 

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こちらはスペース4、写真家・松江泰治さんの展示。空撮された街の写真は圧巻で、思わず引き込まれました。なかでも、真っ暗な川に浮かび上がる木材の写真がカッコよかった。さらに、巨大マンションを撮影した写真には各部屋のベランダが無数に並び、それぞれの住人の生活が浮かび上がるとても面白いものでした。いっぽう、この街は寺町ということでお墓もたくさん存在します。空撮写真にはお墓の姿も写し出されていて、「生」と「死」の対比が浮かび上がる趣深いものでした。こちらの写真は、「動く写真」として、モニターで作品が写し出されていたもの。

 

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松江さんの展示の上階、スペース4では、花代さんの「第三次性徴」が。娘の点子さんが成人し巣立った直後に発表された作品だそうです。映像、音、インスタレーションからなる空間は、時空がゆがんだかのような捻じれたかのような・・・。祖母が愛用していた家具や嫁入りの時の着物、祖父の扇子など、歴史を感じるものが随所に並びます。元深川芸者・小糸姉さんの江戸端唄『梅は咲いたか』に合わせて踊る花代さんの映像にも引き込まれます。

 

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そして、スペース5は現代美術家・毛利悠子さんの「F邸のためのいくつかの作品」。彼女の作品は、日用品や道具を解体しそこにテクノロジーを加えることで、音や光や動きが立ちあがってくるというもの。展示空間をじっくり観察して場の特徴を汲み取ったサイトスペシフィックな内容で、“そこでしかできない”というのが特徴です。今回彼女は「鬼火」をモチーフに作品を展開。真っ暗な空間に、不規則に繰り返される明滅と繊細な音・・・。墓地に隣接するこの「場」の時間や記憶に寄り沿った、せつなく美しい世界が広がっていました。古来からある日本人の神秘ともいえる想像力へ想いを馳せるように、科学と自然現象のあいだをゆらめくような作品を前に立ちつくしてしまいました。個人的にとても好きな作家さんで、また新たな魅力を見せていただいた気がします。

 

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街歩きがまた楽しいです。面白い風景や建物をふと発見する喜び。清澄白河という街が好きなので、今回回ってみて、新たな興味がふつふつと沸いてきました。

 

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清澄白河にはギャラリー・無人島プロダクションがあります。こちらはMOTサテライトのプログラムではありませんが、地域パートナーとして名を連ねています。現在、Chim↑Pomの『The other side』展が開催中。メンバーであるエリイさんのアメリカへの入国規制という問題をきっかけに、2014年からアメリカの国境問題をテーマに制作を続けてきた、連作プロジェクトです。アメリカとメキシコの、まさに“境界”の地へ滞在して制作された作品は、ストレートに胸に響いてくるものでした。ギャラリーに設置された小屋からの風景、ぜひ体験してほしいです。
街をまるごと楽しめるMOTサテライト「往来往来」。私は半日では回り切れず、もう一度じっくり1日かけて訪れたい気持ちです。会期は3/20(月・祝)まで。みなさんもぜひこの街の魅力を感じてみてください。

MOTサテライト「往来往来」
開催中~3/20(月・祝)
清澄白河エリア各所にて
www.mot-art-museum.jp
Chim↑Pom『The other side』
開催中~4/9(日)
無人島プロダクション
www.mujin-to.com

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