栗山愛以の勝手にファッション談義。

METガラ、セレブ×コム デ ギャルソンに一言。

NYメトロポリタン美術館で絶賛コム デ ギャルソンの展覧会が開催中だ。私も見に行ってみることを検討中なのだが、こちらに関連して大変気になったことがあった。5月1日に行なわれた美術館の服飾部門のための資金集めパーティー、メットガラだ。数あるレッドカーペットにコム デ ギャルソンの服が登場することはそうそうないが、今回ばかりは何人か着用者がいた。しかし皆、私からしてみればもうちょっと何とかなったのではなかろうか、と思う着こなしばっかりだったのだ!
ということで、このたびは意を決してコム デ ギャルソン着用者のみなさまにいちゃもんをつけてみたいと思います。

まずはステラ・テナント。
90年代から活躍するスーパーモデルでコム デ ギャルソンのショーにも出演経験がある。メットガラでは2016年春夏と思しきブルーのドレス姿だった。
いや、悪くはないんだけど、彼女にはまさにブランド名のように「少年のような」スタイルがぴったりくる。もともと気品ある顔立ちだし、濃いヘアメイクも無用だ。
ということで、2014-15年秋冬の超オーバーサイズのジャケットのルックではどうだったんだろう。あんまりパーティっぽくないけど。

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モデルのアナ・クリーブランドもいた。
ここのところのショーの常連で、ファーストルックやフィナーレを飾るなど、重要な役割を担っている。のに、2015年秋冬の白いセットアップに濃い化粧と華奢すぎるピンヒールがなんだか変だった。

@anna_vrc

せっかくブランドイメージを体現しているんだし、もっとぶっ飛んだルックでもよかったんじゃないか。ショーで彼女が着用しているものでは芸がないので、2014年春夏のクマのぬいぐるみみたいな物体がついているピンクのドレスとか!

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そして、メットガラ中で、一番度肝を抜かれたと言っても過言ではないのがキャロライン・ケネディ前駐日大使だ。
2016年秋冬の花柄の巨大ドレスをセレクトした心意気はあっぱれ。日本のことをすごく思ってくれているんだろうとあったかい気持ちにはなるのだが、いかんせんコンサバティブな巻き髪がいけない。首からイメージがまっぷたつに分断されてしまっている。彼女を画像検索するとこの髪型しか出てこないのでいつ何時でも貫き通したいのかもしれないが… 
品があって美人なんだし、髪の毛ラフに結んで黒いドレスとかにしたらどうなんでしょうか。80年代とかのハウスマヌカン風になってかっこいいんじゃないかしらと思うんですが。

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最後は、触れずにはおれないリアーナだ。
メットガラの主役と言ってよく、ショービジネス界の中心に鎮座する歌姫に着用していただくなんて本当にありがたいことなんだが、やっぱりコム デ ギャルソンを着るにはセクシーが過ぎるといけないのだ。日々露出を厭わず生活している彼女が着ると、互いの世界観が違いすぎてコスプレっぽく見えてしまう。

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で、リアーナがどうしてもコム デ ギャルソンを着てくれるというならメンズで、少しストリート風味があるコム デ ギャルソン・シャツとかではどうでしょう。

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よく考えてみると、そもそもショーで発表する体数を極端に減らした2014年春夏以降のショーピースは、あえて売ることは度外視して見せることを重視しているようなので着こなすのはなかなか難しいはずだ。それに本来はアピールしたいであろう女性らしい身体美は覆い隠されてしまうような服ばかり。にもかかわらず誰が何を着るとかいう政治が大変そうな中で果敢に着てくれただけで十分なのかもしれない…
い、いろいろ言ってすいませんでした!セレブのみなさま、今後も日本のブランドをご愛顧よろしくお願いします!

>>必見、川久保玲にフォーカスした、メトロポリタン美術館の展覧会。

栗山愛以

ファッションをこよなく愛するモードなライター/エディター。辛口の愛あるコメントとイラストにファンが多数。多くの雑誌やWEBで活躍中。

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