チェルフィッチュの活動20周年記念作品がついに東京へ。

Culture 2017.06.01

まだ見ぬ音と言葉と、身体と空間の関係へ。
チェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』

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『部屋に流れる時間の旅』初演ステージより。人の心の中に分け入り、葛藤や不安、希望などを可視化させる濃密な空間が、海外でも高い評価を得た。

 独特な言葉と身体の関係性を用いた手法。演劇作家・岡田利規は既存の演劇の概念にとらわれない方法論で、私たちの “現在” を描き出してきた。彼が率いるカンパニー「チェルフィッチュ」の活動20周年を記念し、最新作『部屋に流れる時間の旅』(2016年に京都で初演)が、世界16都市での公演を経て初めて東京の劇場で上演される。東日本大震災直後の時間が、本作のテーマだ。妻を失った男に、死んだ妻の幽霊が語りかける。男は苦しみから逃れようともがいている―そこでは、死んでいるがゆえに安定している死者に、生者が抱く羨望が描かれていく。
 過去・現在・未来の時間を併存させた戯曲。時間や記憶を手がかりにしたインスタレーションで知られる美術家・久門剛史との共同作業で、音・言葉・身体・空間が緊密に絡み合う舞台が生み出された。チェルフィッチュの集大成ともいうべき作品をお見逃しなく。

チェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』
シアタートラム(東京・三軒茶屋)
日程:6/16〜25
全席自由(整理番号付)一般 ¥3,500、当日¥4,000

●問い合わせ先:
precog
tel:03-6825-1223
http://precog-jp.net

*「フィガロジャポン」2017年7月号より抜粋

réalisation : KAORI SHINDO

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