フィガロが選ぶ、今月の5冊 日常に忍び込む亀裂、短編の名手が描く女たち。

Culture 2017.07.15

『キャサリン・マンスフィールド 傑作短篇集 不機嫌な女たち』

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キャサリン・マンスフィールド著 芹澤恵訳 白水社刊 ¥2,592

代表作「幸福」は、幸福の絶頂にある妻が帰宅するところから始まる。パーティの準備に余念がない彼女は、何を見ても、心躍らせずにはいられない。ところがその夜、夫の思いがけない本心を知ることになる。キャサリン・マンスフィールドは、平穏な日常に忍び込む亀裂を鮮やかに描き出す。夢から覚めた一瞬、女たちが見せる顔をクローズアップしてみせる。ほろ苦いのに、ぐっとくるのはそのせいだ。ヴァージニア・ウルフが「私のライバル」と最大限の賛辞を送った、短編の名手による日本オリジナル版作品集。

*「フィガロジャポン」2017年7月号より抜粋

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réalisation : HARUMI TAKI

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