新世代ミュージシャン、サチモス。その魅力。

インタビュー

「FIGAROjapon」11月号内、「FIGARO homme 彼との瞬間。」に登場しているSuchmos。こちらにもその仲の良い6人のトークを、最新EP『MINT CONDITION』の話を中心に掲載します。

Suchmosは2013年1月に横浜で結成。ロック、ジャズ、ヒップホップ、ソウルミュージックなどにインスパイアされ、DJのエッセンスも効いた音楽を展開するテン年代の世代が誇る6人組。ジャミロクワイ、スティーヴィー・ワンダー、ハービー・ハンコック、オアシス、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、ディアンジェロをはじめ、彼らが敬愛するミュージシャンの幅は限りなく広く、それらを見事にSuchmosの音楽に反映させている。各ラジオ局のチャートを席巻した「STAY TUNE」は彼らの数多の引き出しを開けた一曲に過ぎず、フジロックフェスティバル’16のホワイトステージで大観衆を酔わせた反響ぶりや、次々に発表される楽曲に導かれるようにしてファンが急増中だ。もちろん横浜・茅ヶ崎育ちならではのスマートで自然体なスタイルも好感を集めている。

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(写真左から)OK(ドラム)、HSU(ベース)、TAIKING(ギター)、YONCE(ヴォーカル)、 KCEE (DJ) 、TAIHEI(キーボード)

2015年4月にデビューし、これまで3枚のEPと1枚のフルアルバムを発表してきているSuchmos。曲作りにおいて、最近はロック・モードになってきているという。

凝りすぎず、シンプルな音数に徹した最新EP

――フジロックフェスティバル’16でロック色の強い新曲「A.G.I.T.」を披露していましたが、ライブ回数がとても増えて、そのパワーを吸収することで、ロックな曲が増えてきた感じですか?

HSU「今の俺らの流行りですね。ブラック・ミュージックももちろんまだ好きで、ジャズも好きだし」

KCEE「オアシスが僕たちのバンド内に蔓延して、そのいいところだけちゃんと受け継いでいるんです。リズムがない音楽を聴きたくなる時ってあるじゃないですか。6人のうちの誰かがその要素を固めて作ってきて、そこにリズムをやる塊を加えるという、その融合の仕方が俺らの今の流行りなのかなと」

TAIKING「その意識が増えたのは、『MINT』の後じゃないかな?」

――EP『MINT CONDITION』では、音数はシンプルになのに、これだけじっくり曲を聴かせられるのは凄いって思ったんです。3曲目の「JET COAST」の引き算の仕方もそうですよね。作っている時は音数について意識していましたか?

TAIKING「レコーディングしてる時は音数を意識したかもしれないですね。ギターに関して言えば、『LOVE&VICE』も『THE BAY』もギター2本弾いていても、ライブだったら俺しかいないから1本になっちゃう。だから『MINT CONDITION』ではそれをいかに1本で十分に聴こえさせる録り方をしたし、『MINT』や『JET COAST』は役割がはっきりしているんじゃないかなと思いますね。俺なんかもう、トゥルットゥトゥ、トゥルトゥルしかやってないもん」

YONCE「『STAY TUNE』を録った時にアレンジしすぎたので、今回は凝りすぎない方がいいなっていうのがあった。レコーディングの当日のアイディアの方が意外と面白いものが入れられたりするから」

 

「MINT」

*次のページでは「STAY TUNE」について聞きました。

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KCEE:「『STAY TUNE』て、もっと多くの人に聴いてもらうために作った曲なんだよね。俺らのやりたいようにできる幅を広げるための、絶対に必要な1曲だったわけで。それを見せたから、『JET COAST』のような曲を作ったという」

――でも幅広くSuchmosを知ってもらうために書いた曲で、結果それで大ヒットするって見事ですよね。

HSU「“この曲でいこうよ”って、Suchmosのチームで話し合って。実際『STAY TUNE』はメロディ自体にエネルギーがある曲じゃないから」

YONCE「そうだね。“フックがある言葉を出していこう”ってコンセプトだったから」

HSU「そもそも“どうやったらリード曲っぽくなるんだろう”っていうアレンジをどんどん付け足していって、ストリングスをパーっと鳴らして、TAIKINGのギターのリフのターッタターッタってフレーズをサビでもずっと鳴らすように大きめにして、俺もベースライン浮かしてみたいな。ちょっと肉付けしたという……」

「STAY TUNE」

*次ページでは歌詞についてフォーカス。

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メロディのフローを重視した歌詞、共有することの大切さ

――Suchmosの歌詞はラヴソングのイメージを持つ人が多いみたいですけど、現状に怒りをぶつけた「Alright」や、世間をちょっとディスった「GAGA」など、等身大の心情をひねりを利かせて書いてますよね。「JET COAST」に関して言えばHSUさんが歌詞を書いていますが、HSUさんは今まではディスった歌詞が多くて、こういうノリの感じの歌詞はあまり書かない人だと思っていました。

HSU「あの〜、適当です」

――と言っても、曲の雰囲気そのものになってますけど、適当というのは?

HSU「ん〜、なんか俺はもうこの曲は言葉っていうかメロディっていうか、言ってしまえば鼻歌で満足してたから」

YONCE「フローが面白いからね」

HSU「なんかフローを殺したくなかったから。言葉数が多い歌って俺の方がいいよね。言葉数少ないのはYONCEの方がいい気がしてて。この曲はメロディが言葉数多かったから。歌詞が適当なのは、俺はディスんない曲も書いてみようかなって思ったんですよ。でもやっぱりディスった方がいいなって今回やってみて思いました(笑)」

 「GIRL feat. 呂布」

――楽器ということで言えば、Suchmosは複数の楽器ができる人が多いですよね。それは曲作りにおいて強味ですよね。

KCEE「というか、単純にピアニストだから(ビル・)エヴァンスを聴くとか、トランペッターだからマイルス(・デイヴィス)を聴くとかっていう話じゃないと思うんです。それをインターフェイスに使ってるだけで、音楽家であるっていうことだけしか見てない人が多い」

HSU「自分のパートの楽器の話しかできないバンドマンが多すぎ」

TAIHEI「俺でいうとベースの楽器能力は全然ないんですよ。でもベースのHSUさんが見つけてくれた凄いベーシストの動画を見ると、“ここがベース的に凄い!”っていうのがわかるように、なんとなくみんな全楽器のことがわかるんですよ」

HSU「俺もピアノ聴く耳が凄く仕上がってるから(笑)」

TAIHEI「2人でベースとピアノのデュオのジャズを聴いてる時、お互いに“わっ”っとか“あー”とか言う瞬間が同じで(笑)」

「YMM」

*次ページでは、YONCEが思うヴォーカリスト像について聞きました。

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YONCEが考える、かっこいいヴォーカリストとは?

――YONCEさんは、浅井健一さんが好きだったりして、ロックバンドをやっていた時期もありますが、音楽性の違うSuchmosをやるようになった時にうまく歌えるかどうか不安などありました?

YONCE「そういう意味での心配事はなくて、ただこのバンドで歌ったら“もっとかっこいいヴォーカリストになれるだろうな”っていうことだけを思っていたから。歌を歌うこと自体は本能的なことだと思う。別にみんな歌えるし。俺がたまたまヴォーカルをやってるだけで、単純に俺が多分一番歌が好きなだけみたいなことだと思う」

――YONCEさんが思うかっこいいヴォーカリストとは?

YONCE「真似されちゃう人ですかね。ジョン・レノンとかデヴィッド・ボウイとかって、後世のいろんなロックバンドのヴォーカルが真似をするんですよ。“あっ、こいつボウイの歌い方やってるな”とか“ジョンっぽく歌ってるな”とか。リアム(オアシス)はジョンっぽい歌い方を追求した結果、自分のシグネチャーの声にたどり着いたと思う。俺もそうなりたいなと思ってて、俺が死んだ後に“こいつ、YONCEの歌い方を真似してこの歌にたどり着いたな”みたいなヴォーカルが現れてほしいなっていう」

OK「過去のアーティストが自分を支えてる部分はかなりでかいよね」

――YONCEさんは誰の芸風?

YONCE「俺はやっぱりカート・コバーンですよね。別に歌い方がどうとかっていうんじゃないんですけど、マインドというか在り方というか」

HSU「お前、2年後死なないように」

YONCE「確かに(笑)」

KCEE「あと女に気をつけろ(笑)」

YONCE「いや、俺はコートニー・ラヴはいい女だと思う」

KCEE「コートニーはいい女だったよ。カートがね、ダイナミックスレンジが無限大すぎただけの話で(笑)」

TAIHEI「何の話なの?(笑)」

「Miree」2015.4.15 Live at Shibuya WWW

 

――近い将来の目標は横浜スタジアムでライブをやることと公言していますが、今、次のアルバムに向けて曲を作っているんですよね? どんな感じになりそうですか。

TAIHEI「全曲ヤバイってことだけ」

YONCE「かっこよすぎる!」

――どうしてSuchmosって、こう伸び伸びと自由にやりたい音楽ができているんでしょう。

OK「逆にやらない人はなんで?っていう(笑)」

(一同笑)

HSU「本当にそれだよね。そんなに苦しいならやめればいいじゃんって」

KCEE「もう別れたい彼女と付き合ってるみたいなもんだよね(笑)」

YONCE「もう義務感でね」

聞いていると曲作りはもちろん、歌詞をつけることにおいても、会話の端々から音楽が心から大好きで、曲を少しでも良くするために尽力していることがわかるSuchmosですが、この後は話の流れですっかり女の子の話で盛り上がっていました。

「Fallin'」

 

プロフィール
2013年1月結成。ロック、ジャズ、ヒップホップなどにインスパイアされて、神奈川・湘南を中心に活動開始。2015年4月EP『Essence』でデビュー。同年7月に1stフルアルバム『THE BAY』発表。最新作は3rd EP『MINT CONDITION』。http://www.suchmos.com

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メンバープロフィール(写真左から)

OK(ドラム)
神奈川県出身。KCEEの兄。バンドの中では「母親」的存在という、細かいところまで気がつく、しっかり者。

HSU(ベース)
神奈川県出身。理論的に音楽を分析するタイプ。また最年長でもあり、バンドの核となる「父親」的存在。

TAIKING(ギター)
神奈川県出身。シンガー・ソングライターの経験もある。バンドではLOVE&PEACEな時の「ペット」的存在。

YONCE(ヴォーカル)
神奈川県茅ヶ崎出身。姉の影響で早くからファッションに開眼したという。バンドの中では「次男」的存在。

KCEE (DJ)
神奈川県出身。ベース奏者からDJに転向。客観的にメンバーを見られるので「親戚のおじさん」的存在。

TAIHEI(キーボード)
富山県出身。母親の影響でディズニー音楽がルーツという。しっかりしつつ抜けた面もあり「長男」的存在。

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今年7月にリリースされたばかりの最新アルバム『MINT CONDITION』

 

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「フィガロジャポン」11月号でも、Suchmosの魅力を紹介中。

ファッション特集とともにお楽しみください。

詳細はこちら!

 

 

photo : TARO MIZUTANI (bNm), texte : NATSUMI ITOH

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