今度の週末は、東京で古道具探し。

Interiors 2016.12.20

「フィガロジャポン」12月20日発売の2月号で提案している、長野県伊那谷、栃木県益子、兵庫県篠山、新潟県新潟&新発田、そして山形県鶴岡の古道具の旅。もちろん、東京にだって店主の審美眼が光る骨董店は点在する。こちらでご紹介するのはアンティーク着物で知られる灯屋2の姉妹店。粒ぞろいの時代家具や和骨董が揃っている。

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軒下では戸外で使える花器などを展示。こちらの庭先では「可ナル舎 ガーデンバザール」を不定期の土日に開催している。

200坪の敷地に店舗、ストックルーム、緑豊かな庭に工房までを備えた可ナル舎。先人たちの匠の技や丁寧な仕事を感じられるような古きよきものを、現代のインテリアに取り入れられるようなコーディネートで提案する。手描きならではの味がある古伊万里、明治〜昭和期の気軽に使えるうつわからサイズもさまざまな和家具、建具や蔵戸をリメイクした家具や和箪笥までがラインナップ。

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江戸期の古伊万里。すべて手描きの一点物なので、お気に入りを見つけて。上段のなます皿は5枚セットで¥85,000、中段の皿は5枚で¥125,000、下段は5枚で¥42,000など。

なかでもお勧めは、種類豊富な時代箪笥。100年ほど前の明治期に作られたものが多く、その素材のよさ、細工の美しさは目をみはるほど。産地によって特色があり、それぞれの風土を感じさせる個性も時代箪笥の面白さだ。

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1階はコーディネートを提案する配置だが、2階は家具そのものをじっくりと見定められるレイアウトに。

「箪笥の材料になる良材に恵まれた東北地方のものが多いです。北前船で財を成した豪商たちが特別に作らせた箪笥は良質な木の杢目、精緻な細工が見もの」(スタッフ長谷川さん)
たとえば織物の産地で知られる米沢地方の米沢箪笥は、娘に持たせた花嫁道具のひとつ。金具に施された細工も優美でたおやかだ。表面にはクリやケヤキなど木目の美しい木材が使われていることが多い。一方、庄内箪笥は凝った金具のデザインが際立つ、黒塗りのデザインが好まれた。男性的なモチーフが金具に使われているのは仙台箪笥。仙台藩の地場産業として箪笥作りを発展させたそうで、上段に刀をしまえる引き出しを備えるなど、男性目線の造りも特徴だ。

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和の道具をさりげなく飾ったコーディネート。米沢箪笥¥220,000、その上の小さな箪笥は塗り師の道具入れ¥68,000、左の脚つき、蒔絵象嵌高坏¥65,000。

「時代箪笥を現代のインテリアに取り入れるなら、サイドテーブル代わりになる小ぶりのものが使いやすいでしょう。それに加えて花器や小さな火鉢など、少しだけ和のエッセンスを感じさせるものを部屋の中にあしらって。それぞれのバランスを楽しんでいただければと思います」

時代箪笥にアイアンの脚を付けてローボードのように使ったり、火鉢にガラスの天板を入れてコーヒーテーブル代わりに置いたり。そんな現代的な提案ができるのも、工房を備える可ナル舎ならでは。自分らしい古道具との付き合い方をぜひ、このショップで模索してみて。

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ひとつひとつ表情が異なる昭和期のガラス器。右のランプ¥58,000、脚つきのかき氷コップ¥2,800、その横のグラス¥2,800、ガラスの皿各¥3,800。

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庭にもたくさんの箪笥が。

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比較的手頃でカジュアルに使える明治期の伊万里。赤絵皿¥3,800〜

可ナル舎

東京都府中市白糸台1-26-4
tel:042-335-5253
営)10時〜18時
無休 ※夏期・冬期休暇あり
http://kanarusha.com/
12月25日までクリスマスセールを開催中。

 

texte : RYOKO KURAISHI

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