晩夏の情緒「赤いヒマワリ」のバスケット

花のある週末 2016.08.25

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夏の終わりの台風シーズン。花の生産が盛んな日本列島、なかでも関東以南の太平洋沿岸には花の大産地が多く、台風のたびに大きな被害がないことを祈っています。自然の猛威とも向き合い共生している生産者さんたち、農業ってすごいなあと改めて尊敬の念を抱きます。

花屋さんには行く夏を惜しむかのようにヒマワリが並んでいますが、ラッキーにも「赤いヒマワリ」に出合ったら、ぜひ手に取っていただきたいと思います。夏から秋へと移ろう季節の美しさを、ぎゅぎゅっと凝縮したような魅力的な花。今日はそんな赤いヒマワリをメインに、一足早い秋を感じるケイトウやこれから色づき始める葉や実を集めて、ピクニックのお供にしたらきっと素敵なバスケットアレンジをご紹介しましょう。

黄色のキャンパスに刷毛で深いボルドーカラーをのせたような花弁、シックなチョコレート色の花芯。「赤いヒマワリ」という響きはどこか情緒的で、今この瞬間に活けたい旬の花のひとつです。園芸品種ではありますが、何となくワイルドな雰囲気もあり、野趣あふれる「ノバラ」の蔓や、秋の訪れを感じさせるイネ科のグラス植物「パ二カム」などが似合いますね。

ナチュラルなバスケットは、和花からカントリー調な洋花まで、幅広いテイストを受け止めてくれるものですが、アレンジする際にはさっくりとテーマを決めた方が、花選びやスタイリングがしやすくなります。今回は、ヒマワリといえばゴッホ、ゴッホと言えばやはり南仏かなぁ……と連想して、プロヴァンス柄の黄色のナフキンをアクセントに、黄色の八重咲きヒマワリも織り交ぜながら、“フランスの田舎でピクニック”をテーマにまとめてみました(笑)。

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赤いヒマワリとケイトウ、ノバラのアレンジ

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【材料】
(画像左上から)

  • ヒマワリ 「東北八重」   2本
  • ヒマワリ(赤) 「ビンセントプロカットレッド」   2本
  • ジニア 「クインレッドライム」   1本
  • ノバラの実(蔓) 1本
  • ケイトウ   2本
  • ディアボロ(枝)  1本
  • パ二カム(草)  2本
  • バスケット
  • バスケットの中に仕込む花器     1点
  • 切花栄養剤  1袋

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【作り方】

  1. バスケットの中に花器をセットし、切花栄養剤を正しく希釈した水を器の7~8分目まで入れます。
  2. ヒマワリをカットし、バスケットの縁に引っかけるように活けます。
  3. ケイトウも短めにカットし、アレンジに奥行きを出すように低めに活けます。
  4. ディアボロの枝とノバラの蔓をそれぞれ小分けにカットし、アレンジに散りばめるように挿します。ディアボロに限らず紅葉している葉は水が下がりやすいので、小枝の切り口はできるだけ斜めにカットし、可能ならハサミをマイナスに入れ枝を割るようにしましょう。
  5. パ二カムも長いので2等分してふわっと活け、最後にジニアをポイントで目立つところに挿します。出来上がり!

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今回はヒマワリの引き立て役のような感じで組み合わせた「ケイトウ」ですが、ここ10年で美しくニュアンスのある色合いやインパクトのある大きさの品種も増えて、ダリアやマム(菊)に続き、存在感&注目度アップの花材。漢字で書くと「鶏頭」……ともするとグロテスクな花姿ですが、ベルベット調の高級感とシックな色合いでエレガントにもゴージャスにもアレンジ可能です。

そんなケイトウをヒマワリとあわせて、まずは気軽に楽しんでみる小さなあしらいをご紹介しましょう。薬瓶のような茶色の小瓶を花器にして、トレンドのヴィンテージ風アレンジに。画像左は、鮮やかなフューシャピンクのケイトウに、ピンク色を含むジニアと黄色の八重咲きのヒマワリをあわせたカラフルで無造作な大人かわいい組み合わせ。画像右は、赤いヒマワリに少し褪めたグリーンのケイトウと、ふさふさ感がユニークなワイルドフラワー「ゴールデンフィリカ・プロモーサ(1本を小分けにして)」を合わせた、ちょっと男前な組み合わせ。ダークな背景にパニカムも映えますね。

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個性の強い花は少ない本数からチャレンジして、お気に入りの色合いや組み合わせを見つけてみると、花を活ける楽しみの幅が広がります。いつも似たような花合わせになっちゃうなーとお悩みの方! 個性の強い花をちょっと取り入れてみると、新鮮な発見があって、ご自宅での花飾りがぐっと楽しくなりますよ~

「ケイトウ」のアレンジについてはバックナンバーもご参照ください
「秋色がはじまる季節、サマーエンドの花あしらい~夏の名残のヒマワリと秋のはじまりのケイトウ~」

激しいスコールが夏の暑さを洗い流していくようで、ひと雨ごとに目に映る景色は優しい秋色を帯びていきます。朝のやわらかい陽射しにきらめく草花や、夕暮れに広がるうろこ雲の美しさに、しばし心奪われてしまいますね。そんな季節の移ろいを花色に託すように、旬の花選びを楽しんでいただけたらと思います。

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

<INFORMATION>

c04-waku-weekendflower151026.jpg花の国日本協議会では、昨秋より本格的に
「WEEKEND FLOWER」企画をスタート!

家族や友人が集う食卓に、1週間がんばったご褒美に。ウィークエンドに花があるだけで、会話がはずんだり、笑顔が増えたり、心がほっとしたり。"日常の素敵"――花のある暮らしを提案します。


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