18世紀趣味の邸宅が美術館に。鳥の食器も展示中。

PARIS DECO

東京の森アーツセンターギャラリーで開催中の『ヴェルサイユ宮殿《監修》 マリー・アントワネット展 美術品が語るフランス王妃の真実』展で18世紀のインテリアに興味が沸いたら、ぜひ、パリ8区のニッシム・ド・カモンド美術館を訪れてみよう。この建物は、銀行家モイーズ・ド・カモンドがヴェルサイユのプチ・トリアノンにインスパイアされて1912年に建てさせた個人邸宅である。

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1階は玄関と台所、2階はゲストを受け入れるフロア、そして3階がプライヴェートな居住空間という作り。美術館の庭は美しいモンソー公園に隣接している。

 

フランスの18世紀に魅了されていた彼は1935年に亡くなるまで、18世紀の芸術品、家具、オブジェを収集。18世紀のある貴族の館、というイメージで邸宅内を飾り立てていた。約50年間情熱を傾けて集めたコレクションが自分の死後に散逸するのを避けるため、家のすべてを国に寄贈し、25歳の若さで戦死した息子の名前をつけてニッシム・ド・カモンド美術館とすることを遺言書に残したのである。

美術館内、広々とした素晴らしい玄関、感嘆して歩き回ってしまう台所、18世紀の貴族の暮らしを彷彿させるサロン……など、モイーズが暮らしていた時代のように再現され、3フロアを巡って、ちょっとした“お宅訪問”を楽しめる。

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美術館で最も有名なのが見事なオーブンを備えたこの台所かもしれない。奥には使用人たちが食事する部屋があった。

 

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椅子、テーブル、絵画、じゅうたん、オブジェ……カモンド伯爵がオークションや骨董商で入手した18世紀の品々が各部屋にあふれている。天井のシャンデリアも見逃さないように。
なお、3階の浴室は機能優先のため、タイル張りでモダンだ。

 

1月15日まで『ビュフォン』展が美術館内で開催中だ。18世紀に出版されたビュフォン伯爵(1784~1786)による博物誌の挿絵の鳥たちをモチーフにしたセーブル焼きを、モイーズはコレクションしていた。食器に始まり、ジャム入れもアイスペールも、と合計で350点近くあるそうだ。18世紀後半の陶器への興味、そしてルイ16世時代に生まれた鳥類学への興味が相まって、1898年から1920年にかけて彼が集めた“ビュフォンのセット”は日頃もダイニングルームに隣接する食器室で一部が展示されているのだが、この展覧会中は彼のコレクションの全てを大公開。さらに、ダイニングルームにはビュフォンの食器の中でも名高い“ルフェーヴル・セット”を使った10名の食事のための、テーブルセッティングも施され、後はゲストを待つばかり、といった雰囲気だ。

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ビュフォン・セットの展示とラデュレ・カラーのダイニングルームでのテーブルセッティング。博物誌のために、ヨーロッパには生息しないエキゾチックな鳥たちをフランソワ・ニコラ・マルチネがカラフルに描いた。
photos:Mariko OMURA

ニッシム・ド・カモンド美術館/Musée Nissim de Camando
63, rue de Monceau
75008 Paris
tel:01 53 89 06 50
開館 10:00~17:30
休館 月・火
入場料 11ユーロ

 

大村真理子 Mariko Omura madame FIGARO japon
パリ支局長 東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏する。フリーエディターとして活動し、2006年より現職。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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