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TIFFANY & CO.
杏と辿る、ティファニーとジャン・シュランバージェが生み出した創造の軌跡。
2026年9月28日、パリの装飾美術館において、ティファニーの伝説的なデザイナー、ジャン・シュランバージェの創作を語る展示が行われた。この特別なお披露目の場に出席した俳優の杏とともに、ティファニーの物語を繙こう。

ジャン・シュランバージェという名前を聞いたことがあるだろうか。
アイコニックな「バード オン ア ロック」をはじめ、ティファニーのスタイルの礎を生み出したデザイナーだ。フランス・アルザス地方出身の彼は、1956年にティファニーに加わり、花々や鳥、海の生き物といった自然界にインスパイアされた幻想的なモチーフでジュエリーの世界に新たなページを開いた人物。
今回の展示でティファニーは、ジャン・シュランバージェのクリエイティブなレガシーを未来へ継承することを目的にパリ装飾美術館とパートナーシップを組み、オリジナルのデザイン画やアーカイブ資料、そしてそれらから生まれたジュエリー作品の数々を集めた。シュランバージェの創造の世界を詳らかにする貴重な展示を通して、一枚のスケッチが後世にインスピレーションを与え続ける傑作へと昇華する創造のプロセスと、ジュエリーデザインの歴史に影響を与えた豊かな想像力に光を当てていく。
アーカイブのデザインや過去の貴重な作品を実際に見ることができたことが、学びになりました。(杏)
この特別展示に俳優の杏が出席。ジャン・シュランバージェによる「バード オン ア ロック」をモチーフにしたジュエリーと、手元にはテキスタイルメーカーの名家で育ったシュランバージェが幼少期から慣れ親しんだタッセルや編み糸に着想を得て生み出したロープのデザインがアイコニックな、ジュエリー ウォッチ コレクション「ロープ バイ ティファニー」に身を包み、ドレスアップして登場。

会場エントランスに描かれた「鉛筆なしでは何も生まれません(I Am Only a Pencil)」というタイトルが示すように、展示は彼のデザイン画に始まり、その生涯を紹介する文書や写真資料の展示へとつながっていく。


会場に入りスケッチを目にした杏は、こう語る。「まるでそこにジュエリーが置いてあるかのような精密なデザイン画に感銘を受けました。色を見ただけでどんな宝石を使っているかが一目でわかる。スケッチはどれもほぼ実物大のようで、ジュエリーがそのまま紙の上のデッサンから飛び出してくるような印象を受けました」

貴重なアーカイブを守るために暗く照明を落とした会場には、シュランバージェによるオリジナルデザイン画とともに、そこから実際に制作されたジュエリーや宝飾オブジェが展示されている。
「彼がジュエリーの勉強をしていたかどうかという質問をしたところ、していなかったというお答えでした。アーティストとしてこれらの作品をどんどん生み出していったところに驚きを感じます」(杏)



彼のクリエイションは、デザイン画に集約されている。ジュエリーの常識から解き放たれていたからこそ、クリエイティビティはこれほどに大きく広がっていったのだ。
「同時に、彼にはジュエリーを製作する職人さんへの信頼があり、職人さんたちには彼のデザインに応えようとするプライドもあったでしょう。ジュエリーは決してひとりでは作れない。そこにティファニーの会社を挙げての傑作が生まれた源流を見たような気がします」(杏)

展示された作品には彼の親しい友人である園芸家で慈善家のレイチェル・ランバート・ “バニー”・メロンが所有していたものが多い。作家の創造性を支えた顧客の存在の大きさを感じた、と杏。
「応援する人という意味で、オーダーする側の存在も大事。周囲の人に愛され、支えられて実力を発揮できたのだと思います」(杏)
バニー・メロンが2014年に亡くなった後、その所有作品はバージニア美術館に寄贈された。今回の展示に美術館から出品された貴重な過去のピースの数々も見どころだ。


中でも目を引くのは、色とりどりの宝石を並べ、白い花をあしらった「ジャスミン」ネックレス。希少な宝石をメインとして中央に据えるというジェラーの常識にとらわれず、色のリズムを大事にしたアーティストらしい視点を物語る。
「身につけたら、白い花の一輪一輪が風に吹かれたように揺れるのかな、と想像しながら見ていました」(杏)

アイコンでもある『バード オン ア ロック』を現物で見られてとても感激しました。いままで本の中で見ていたもののオリジン・オブ・オリジン。最初の作品がこんな風に生まれたんだな、と。(杏)


宝飾オブジェでは、バニー・メロンのキャンドルスタンドの依頼に応えてデザインされた「マーメイド」も、彼のフェアリーな作風を表す逸品。やはり彼女の所有となる初期の「バード オン ア ロック」は、ラピスラズリの上に羽を休める鳥が1羽。1965年に描かれたデザイン画とともに展示され、プレゼンテーションの最後を飾った。
- photography: Daniel Antropik
- styling: Haruka Suzuki
- hair: Asami Maeda
- makeup: Go Miyuki
- manicurist: Eri Narita
- text: Masae Takata(paris office)