SHIFT80

スラム発エシカルブランド「SHIFT 80」物語

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はじめまして

読者のみなさま、はじめまして。こんにちは。
坂田ミギーと申します。
 
旅とインターネット大好き人間です。
ふだんはキャンピングカーをモバイルオフィス&家として、日本全国を旅しながら仕事したり。
旅に関するエッセイを書いて、本を出してもらったり。
ケニアのスラム街で子どもたちの支援をしたりしています。
 
「そんなにあちこちブラブラして……どうやって稼いでるんだ? 怪しいぞ!」と思われるかもしれませんが、広告制作のお仕事をかれこれ16年くらい真面目にしています。
 
「クリエイティブディレクター」という、うさんくささベスト10に入る肩書きのお仕事。
実際にやっていることといえば、戦略や戦術を考えたり、TVCMをつくったり、デジタルのキャンペーンをしたり、PRやイベントをしたりと多岐にわたります。
華やかな仕事と思われたりもしますが、ほとんどの時間はパソコンの前で企画書を書いたり、オンラインミーティングをしたり、アイデアが出てくるまで唸ってグルグル頭を回したりと、地味で泥臭い日常を送っております。
 
そんな私が、なぜフィガロジャポンさんでブログを書けることになったのか?
それは「Business with Attitude」(BWA)ピッチコンテスト2022のProfessional Awardに選んでいただけたからなのです。
その特典として、ブログ書いてもOK!との太っ腹なご褒美をもらったので、いまこうして読んでいただけているんですね。とてもありがたいことです。
 
さて、今回はアワードに選出された、私たちの新しいチャレンジ「SHIFT 80」(シフトエイティ)のはじまりについてお話しさせてください。
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Hello we are SHIFT 80!

「SHIFT 80」は、すべてのアイテムがアフリカの貧困児童や孤児の教育機会創出や生活支援、困難な状況にある女性へのサポートに直接つながるエシカルファッションのブランドです。ブランド名は”利益(分配可能額)の80%を必要とする人々とシェアして、世界をよりよくシフトさせていくこと”に由来して名付けました。
2022年2月にスタートし、いまちょうど半年が経ったところです。
 
 
なぜ広告屋の私が、まったくの未経験のアパレル業界に挑戦したのか?
 
そのはじまりは、2013年。
世界一周の旅がきっかけです。
 
当時アラサーだった私が、なぜ仕事を手放してまで旅に出たのか?は、とても簡単にお伝えすると、仕事で成功したら幸せになれると信じてがんばったけれど、どんなに努力しても幸せにはなれず、最終的に過労で吐血して倒れて「このままでは他界してしまう……」と瀕死になったからであります。
詳しくは『旅がなければ死んでいた』(KKベストセラーズ)をご笑覧ください。
みなさんは過労で心身を病む前に休みましょうね。休む勇気。
 
そんな旅の途中でケニアのナイロビに立ち寄ったところ、巨大なスラム街が目に入りました。
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アフリカ最大級のスラム街、キベラです。
キベラの大きさは、およそ2.5平方キロメートル。
皇居+皇居外苑くらいの広さに、100万人以上もの人が暮らしているといわれている超過密スラムです。
 
スラム街自体は決して珍しいものではなく、世界各地いろんな場所で見かけてきました。しかし、それまでスラムのなかに入ろうなんて思ったこともありません。
 
なのですが、このときだけは、なぜか無性にキベラスラムが気になったのです。
そこで、スラム住民が企画・運営しているツアーに参加してみたり(その収入がコミュニティに還元されています)、スラムで長年活動されている早川千晶さんと出会って友だちになったり(ケニア在住35年の敏腕コーディネータ!)、スラム発で活躍するアーティストと酒飲み仲間になったりしているうちに、どんどんスラムで生き抜く彼ら・彼女らが好きになっていきました。
 
なかでも、私が驚き、尊敬し、何度も通うきっかけとなったひとりの人間。
それが、リリアン・ワガラさんです。
彼女はキベラスラムの奥深くで、幼稚園から小学校までの生徒500人を抱える学校「マゴソスクール」を創設・運営しています。このマゴソスクールに通う生徒たちは、スラムのなかでも特に困難な状況にある子どもたち。孤児や極度の貧困児童、被虐待児など。
 
リリアンは学校の一室に寝泊まりしながら、家のない子ども、家に帰れない子どもたちの母としてお世話をしつづけています。
彼女自身も、キベラスラム育ち。
決して余裕のある暮らしではないはずなのに、それでも路頭に迷っている子を見つけてはレスキューをして、我が子として向かい入れているのです。
 
みんなはリリアンをこう呼びます。みんなの大きなお母さん。
「ビッグママ」と。
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そんな彼女は、愛情深さだけでなく、ほかの才能にもあふれています。
なんと、それはファッションデザイン。
 
すてきな服が着たい。けれど買うお金はない。
だったら自分で作ればいい!
そう思ったリリアンは、忙しい日々のかたわらで洋裁の勉強をはじめました。
 
とはいえ、洋裁学校に通える学費があるわけではありません。
近所のテーラーに「よかったら店番しますよ」と声をかけ
店主が不在なときを狙って、こっそりとミシンの練習をしつづけました。
 
そして、リリアンは独学でファッションデザイナーになったのです。
苦労の多い学校運営のかたわら、創作活動をすることが彼女の支えとなったそうです。
 
私はリリアンに会うたびに、新しい服をオーダーしてつくってもらっていました。彼女におおまかなイメージを伝えると、私にぴったりのサイズで服を縫ってくれるのです。
カラフルで、大胆で、目立つ柄。
ふだんシンプルな服を着ている自分とは別のジャンルですが、彼女の服を着ると、自然とパワーが湧いてくるのです。
まるで、彼女のパワフルさ、クリエイティビティに触発されて、自分のなかに眠っていた個性や自信が引き出されるような感覚に包まれます。
 
リリアンの服や、彼女のアイデア、そしてパワフルさ。
それを日本のみなさんに、そして世界のみなさんにも触れてもらいたい。
そして、その利益をキベラスラムの仲間たちとシェアして、世界をシフトさせる力になりたい。
 
そう思って、彼女をデザインパートナーに迎え「SHIFT 80」(シフトエイティ)は誕生しました。
彼女のストーリーを動画にしました。ぜひご覧ください。

 

 
次回からは、私たちのブランド「SHIFT 80」や、そのストーリー。
すてきな仲間たちについてお話ししますね。よかったらお付き合いくださいませ。
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1円も安くならない特別なセールのお知らせ

9月5日の「国際チャリティデー」にあわせ、2022年9月11日(土)まで「SHIFT 80」オンラインストアの売上100%を寄付するチャリティセールを実施中です。
この期間中の売上全額が、リリアンの運営する学校マゴソスクールに、子どもたちの教育費として寄付されます。ぜひこの機会に「SHIFT 80」をチェックしてみてくださいね。

「SHIFT 80」ストア

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読んでくださってありがとうございました!またお会いしましょう。

坂田ミギー

クリエイティブディレクター / エッセイスト
アフリカの孤児・貧困児童へのサポートを目的としたエシカルアパレル「SHIFT 80」代表。
キャンピングカーをモバイルオフィス&ハウスとして、日本各地を旅しながら働くスタイルを実践中。
https://www.instagram.com/shift80jp/
https://twitter.com/shift80jp
https://www.instagram.com/migimagari/
https://twitter.com/migimagari

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