編集サンタニの、男目線ビューティ

どうして男が、美容を語るか。

編集サンタニの、男目線ビューティ

はじめまして。
パワフルな女性たちがたくさん活躍している美容業界で、細々と美容記事をつくっている男、編集のサンタニです。
僕は、女性がキレイになるための何かを常々模索しており、そんなつぶやきや分析がちょっとしたキレイ磨きのヒントになれば……(おこがましいのですが)そんな思いでスタートしたのがこの連載。フィガロ的視点を残しつつも、男である僕の目線を存分に取り入れた美容日記を目指します。

もともと自分自身のスキンケアだったり、この服にはこんなメイクだと可愛いなあ、ということには興味はあった僕。ただ、思い返すと、興味がグン!と増大したのは、フリーターのころ。とある仕事に挫折し、人生大ピンチの時代、その時に出合ったいくつかの本に大きな刺激を受けたのがきっかけになっているのです。

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左から、『ちょっと過激な幸福論』齋藤薫著 講談社刊 ¥1,836
『服が掟だ!』石川三千花著 文藝春秋刊 ¥1,645
『美人画像』安野モヨコ氏 講談社刊 ¥1,296

まずは鉄板、神様、齋藤薫氏の『ちょっと過激な幸福論』。コレをきっかけに、さまざまな齋藤本を読みあさった僕。見た目だけではなく、プロセスや考え、行動、人間性など、トータルバランスがとれてこそのキレイ。美しさ。美容とは人生。そんなとんでもなく大きなテーマを、丁寧に丁寧に解説する齋藤薫氏の文章に引きこまれていきました。「無頓着な人で肌がキレイな人が多いのはなんで?」「ちょっと顔が古い印象。これはどうして?」という数々の自分のなかの疑問に対して華麗な回答が記されていて、本当に驚いたし、「コンプレックスのある人の方がキレイ」「ファッションだけに夢中、コスメだけに夢中な人はあまりキレイな人がいない」など、自分がぼんやり考えてきたことが齋藤薫論として解説されたときは、驚愕。自分の考えの輪郭までがはっきりしていき、感動。それは、「キレイな女性がどんどん増えると、きっと平和だろうな」という、うすらぼんやりした考えに完全に火が付いた瞬間でもあり、ファッション、音楽、人、アート……などなど自分の興味のある分野に、ドカン!と「美容」が鎮座した瞬間でもありました。

どうやら僕は美しくなるためのノウハウを唱える際、やってはいけないこと、ダメなことも含めて、包み隠さず語る人が好きなようで、齋藤氏もときに「美しくない人」をきちんと分析している点にとても納得がいく。同じように、石川三千花氏の『服が掟だ!』も、美容に通ずるエトセトラが満載な内容。この本はファッションがメインではあるものの、このスタイルにはこんな髪型やメイクがいい、この人はこんなムードを放っているからコレが似合う、といった多角的な解釈で綴られたもの。その中で、大昔大人気だったある音楽グループを痛烈批判しているのが印象的でした。「たしかに、そうだな」と。「もっと清潔感があれば、もっと素敵なのにな」と。しかし、いま読み返してもコテンパンに完全否定していて、本当に痛快です。“否定は良くないもの”と、世の中の風潮として漂っているけど、美しくないダメなものが存在するからキレイなものも存在するような気がするし、そういう迷走したダメな感じのものを誰かが否定することで生まれる前向きな何かはある。自分の思った否定的な気持ちを無理に封じ込めるのは止めようと思わせてくれた、大切な1冊だったりします。同時に、人はスタイルを確立する際に絶対に必要不可欠なのはメイクだったり身のこなしだったり、大きな意味で「美容」。それを学ぶことができたファッションの本なのです。過去の映画名作との関連付けなど、本当に面白い!

そして最後。自分の、編集者になりたいという気持ちを増幅させてくれた本と言っても過言ではない、漫画家・安野モヨコ氏の『美人画報』。もう、これは小四のときにヘレン・ケラーの伝記を読んだとき級の衝撃でした。まず安野氏はこの本で自身を「美しくない」とはっきり公言します。ある時ははっきり「ブス」だと。そんな安野氏が、新しいマスカラを試し、髪のカラーリングに挑戦し、流行りのダイエットを実践し、自分の目標とする女性を分析・研究しまくり……。漫画を描くという恐ろしく忙しい職業でありながらも、果敢に美容ゴトにチャレンジしていく姿がイラスト付きエッセイでとうとうと語られる。もう涙が出るほどの感動でした。何が感動って、彼女はこの連載(この本は雑誌の連載をまとめたもの)を通じて、どんどん美しくなっていくんです。もう見るからに! 僕は思いました。女性は努力し出した時点で美しい、と。もちろん一般的に美人、というのを美しいとする定義もあるけど、僕はそうは思いません。たとえば同僚が「サンタニくん、なんか可愛いチークないかなあ」と声をかけてきたとき。その“いまこの瞬間よりももっと可愛くなりたい”というチーク難民の同僚の思考こそが美しい!と強烈に思うことがあるのです。その考えがはっきりしたきっかけになったのが、この『美人画報』でした。

ほかにも刺激を受けたり、おすすめしたい本はたくさんあるのですが(たとえばコレなど)、それはまた別の機会に。

とにもかくにも、僕は女性が皆もっともっと美しくなることを心から応援している応援団的なものであり、そんなとある男が美容についてお話する連載、と思ってください。新しい化粧品の情報や漠然とした美容に関する日記など含め、美容に関するあらゆる内容を超個人的な視点で綴っていきます。では!

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