art de la table フランスのテーブルアート
こんにちは。
明日から連休ですね。デコラトリスの多賀谷洋子です。
私の主宰するテーブルデコレーションのレッスンサロン「パリスタイル」は、6年間の休眠を経て昨年から少しずつ再開、この6月からプロフェショナルのコースを開講することになりました。
自宅でサロンを開きたい方、私のようにレストランやブライダル会場のインテリアや食器を選んだり、百貨店や海外ブランドのインスタレーションを構成したり等、プロフェショナルとしてデコラトリスの道に進みたい方など目的は様々。
6月開講に向け、細かい内容を調整しています。
パリスタイルのレッスンでは、単にカラーや配置の理論等、通り一遍のことだけでなく、テーブルアートの歴史やインテリア様式にも言及し、かなりの時間を割いています。
捉え方は様々ですが、古いものこそ新しく、歴史を紐解くことで思わぬアイデアが浮かんだり、答えのヒントが隠されていると思っているからです。
ということで、さっそく関連文献を広げ、構想を練り始めます。
元々、学生の頃からヨーロッパに限定されますが「歴女」の私は、バックストーリーやこぼれ話が大好き。食器の世界にのめりこんでいったのも、ヨーロッパの食器や装飾美術、そして、それを彩った王侯貴族の食卓や社交の歴史に、深い興味を抱いたからです。
まずは、フランスのテーブルアートを語る上で不可欠、磁器のプロローグとなった「セーブル」「リモージュ」
17世紀、ヨーロッパのセレブリティ達の間でインテリジェンスのバロメーターとして大流行したシノワズリー、ジャポネスク等東洋趣味から端を発し、誕生したのがこのセーブル窯に代表されるフランス磁器です。
当時、陶器が主流だったヨーロッパにおいて、東洋磁器の透き通るような青白さは、まだ見ぬ東洋への憧憬の念を抱かせるエキゾチックシンボル。この色を再現する為、国費を削り、各国躍起になって取り組みましたが、この為に力を惜しまなかったのが、当時の国王ルイ15世の愛妾ポンパドール夫人。王様におねだりして作ってもらったのが、この国営「セーブル窯」です。
さすが、後世まで名を残す美貌の貴婦人、おねだりスケールが違います!
ポンパドール夫人は、表面的な美しさだけが独り歩きし、それ以外のことはあまり知られていませんが、実は芸術、文学にも造詣が深く、パトロンとして多くの芸術家を擁護、話術にも長けた知識人でした。
フランス大統領選挙で、マクロン候補夫人の年齢が二回り以上離れていることが話題となりましたが、美貌よりも精神の成熟した女性に価値を置くフレンチ魂は、この頃から根付いているのですね。
そして、ルネサンス以降、バロック、ロココ~ナポレオン、ナポレオン三世まで。
フランスに、art de la table食卓芸術という概念が生まれ、食事そのものだけでなく、その空間をしつらえるインテリアや食器にまで贅を尽くすことは社交に不可欠、という時代を迎えます。
。。。。と書いているうちについつい力が入り長くなってしまいましたので、続きはまだ後日に。
この連休中、大好きな歴史読書三昧となりそうです。皆様も素敵なGWを!
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