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Interview

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INTERVIEW 03

Artist

AyaBambi

どこにいても、誰と関わろうとも
時間は“自分起点”
で流れている。
ぶれない姿勢を貫くことで花開いた
ダンサーとしての鮮烈な個性。

いかに言葉を使わずして
イメージを伝えられるか。
唯一無二の表現が都市と
彼女たちを結びつける。

   クリスマスを控え、多くの人が行き交う表参道。その浮き足立つ街の一角に、全身黒ずくめの2人組が降り立った。彼女たちの名はAyaBambi。アンドロイドのような神秘的な風貌と、幾何学的な手の動きを伴うダンスで、椎名林檎やマドンナのライブに始まり、2016年は世界規模の行事にも登場。国内外の注目を一気にさらっているが、振り付けを担当するAyaさんは21歳から4年間ロサンゼルスに渡り、その鋭い個性を研ぎ澄ませてきたという。「昔からできないことに燃える性格で。自分の頭の中で描いていることを、もっと面白い形で表現できないかと常に考えていました。だからロサンゼルスではダンスを学びながら、後半は洋服を作ってみたり。手段に捉われずいろいろなことに挑戦しましたね」。帰国後、Ayaさんはその湧き上がるイメージを具現化するべく、Bambiさんとユニットを結成。衣装やヘアメイクなど、ビジュアル面にもこだわった独自のダンスパフォーマンスを確立し、その世界観を広く発信するようになる。

   AyaBambiの特異な存在は、すぐさまSNSを通じ海の向こうまで拡散。多くの海外ファンを獲得すると同時に、あの歌姫マドンナからも声がかかり、彼女のツアーのリハーサルのため、ニューヨークにしばらく滞在することに。「向こうでは振り付けの指導やオーディションの選考と、朝から晩まで稽古場にいる毎日。休みも週1回だし特に観光もできなかったけど、そんななかでもニューヨークはとても居心地がいい街だと感じました。何かを創りたい気分にさせられるというか……。私はゆったりとした田舎よりも、クールでスタイリッシュな都会のほうが好きなんです。年を取っても、ずっと街の喧噪を感じながら暮らしていたいと思ってるくらい(笑)」

海外生活でも
揺らぐことのない
自分たちの時間軸と
アイデンティティ。

   2015年秋から約半年間かけて行われたマドンナのワールドツアーでは、各国を目まぐるしく移動。1日しか滞在しない国もあり、自分がどの場所にいるかもわからない、そんな感覚に陥ることも多かったという。しかしそこで再認識したのが、“どこにいようとも、目の前のことに邁進し、日々を全うするのみ”というシンプルな答え。「都市が変わっても、街や人に影響されることはほぼありません。自分は自分。表現をするために生まれきたから踊る、ただそれだけです」とAyaさんが語れば、Bambiさんも「海外のどこにいても感覚に変化はないです。2人で一緒にいられるのなら、それがどこだろうと構わない」と答える。公私ともにパートナーの2人は、外界に惑わされない強い精神力と揺るぎない自分たちの時間軸を持って、多忙な日々を充実した時間へと転換してきたようだ。「人に流されず、好きなことをして生きていけるなんて本当に幸せ。だから1日があっという間に過ぎますね。寝る時間も惜しいくらい、毎日が楽しい」

   確固たるポリシーと美意識に従い、キャリアを積み重ねてきたAyaBambi。これからも国内外のさまざまなプロジェクトに関わり、我々をあっと驚かせてくれるに違いないが、目標達成に必要なことを瞬時に見極め、時間を効率的に使ってクリアしていく姿勢はきっと変わらない。「日本でも海外でも常にスタンスは一緒。興味が湧いたことは挑戦し、納得できないことはやらない。そのやり方でずっとやってきたし、これからも貫き通していきたいと思っています」。場所や時間といった概念を軽々と飛び越え、すべて自分たちの物差しで未来を切り開いていく彼女たち。そのサバイブ精神はある意味、究極の“MY MINUTE”を手に入れるために、最も必要な要素なのかもしれない。

「イースト ウエスト」をテーマにしたインスタ作品もチェック!

ティファニーの時計「イースト ウェスト」をテーマにした、AyaBambiの作品をインスタグラムにアップ中。

#tiffanyfigaro_eastwest

「フィガロジャポン」インスタグラム www.instagram.com/madamefigarojapon

AyaBambi インスタグラム www.instagram.com/ayabambi_news_

Artist

AyaBambi

振り付け師兼ダンサーとして活躍していたAyaとパートナーのBambiによって、2012年に結成されたダンスユニット。椎名林檎やマドンナといった大物アーティストのステージを支える傍ら、ブランドのキャンペーンビジュアルに抜擢されたりと、時代を象徴するアイコンとして注目を浴びている。
www.ayabambi.net

Photos : KOHEY KANNO,

Interview et texte : YURI TANAKA

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