フィガロが選ぶ、今月の5冊 怖いのに惹き込まれる、注目作家の傑作長編『鳥の巣』。

Culture 2017.02.23

『鳥の巣』

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シャーリイ・ジャクスン著 北川依子訳 国書刊行会刊 ¥2,592

著者のシャーリイ・ジャクスンは、昨年だけで4冊もの作品が立て続けに刊行された注目の作家。1948年に発表された代表作のひとつ『くじ』は、短編ながら衝撃的な結末で一躍その名を知らしめた。いまになって再評価されているのは、日常に潜む悪意を描くことを得意としたからだろう。博物館で働くエリザベスは23歳。偏屈で口うるさい叔母と暮らす彼女は、原因不明の頭痛に悩まされていた。その正体は、おとなしい彼女の内に巣食う4人の別人格であり、やがて彼女たちは暴走し始める。日常が揺らぐ瞬間を、不穏な筆致で描き切った傑作長編。

*『フィガロジャポン』2017年3月号より抜粋

texte:HARUMI TAKI

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