ティム・バートン最新作は、子どもの奇妙な世界が舞台。

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』

フロリダの内気な少年が大好きだった祖父の死に導かれ、英国ケルン島へ。廃墟の児童保護施設は昔、独軍敵機の爆撃に遭った模様。だが、謎の穴をくぐると、鳥の化身ミス・ペレグリンが空襲前に1日分の時間を巻き戻し、施設の子どもを守護していた。永遠の“いま”を反復するユートピア的別世界。予知、怪力、空中浮揚ほか、異形で異能の子らが少年と力を合わせ、邪悪な難敵と戦う妖術合戦まで、無垢で奇妙な世界を偏愛するバートン監督の手作りの感触に満ちている。

＊「フィガロジャポン」2017年3月号より抜粋