フランスの新鋭バンド、マンソー待望の最新作。

Culture 2017.06.03

パリジャンが奏でる、甘美なポップワールド。
『アイ・ワナ』/マンソー

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プロダクション・デシネ ¥ 2,376

 ビートルズ影響下のポップミュージックは、世の中に無数に存在 するわけだが、マンソーはそのなかでも最高レベルに位置するんじゃないだろうか。2012年にタヒチ80のメンバーによるプロデュースでデビューアルバムを出したフランスの新鋭バンドは、5年経ってさらにパワーアップして帰ってきた。
 デビュー作『Life Trafic Jam』 は、バンドサウンドにエレクトロテイストを織り交ぜていたこともあり、ダフト・パンクやジャスティスなどとも共振するイメージがあった。しかし、今作ではそういったトレンドに頼らず、正面切ってポップネスを追求。キャッチーなメロディはもちろん、バンドアンサンブルやコーラスワークなど細部にわたって彼らならではの美学を徹底している。往年のオールディーズやパワーポップなどを彷彿とさせながらも、とろけるように甘美な世界。極上ポップを体感してみたいなら、間違いのない一作だ。

*『フィガロジャポン』2017年6月号より抜粋

réalisation : HITOSHI KURIMOTO

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