編集KIMのシネマに片想い

オリンピックロスのあなた、映画でスポーツに感動。

編集KIMのシネマに片想い

過去最多のメダル数! すごいな~ニッポン。

編集KIM、映画大好き人間ですが、スポーツ観戦も大好き。カラダ動かすのも大好きです。(ちなみに週末の太極拳が趣味)アスリートたちの、汗に涙に素直に感動。スクリーンをじっと観ている時とは、違うモードで鑑賞してます、感傷的にね。

ああいう真っすぐな感動、もう終わっちゃったな……とさみしがっている方々へ、パラリンピックが残っていますが、スポーツが「効いている」映画を何本か紹介したいです。

まず、ドンズバのスポーツの感動とは?が語られる作品。

『ビジョン・クエスト 青春の賭け』、レスリング。日本もたっくさんメダル獲りましたね、この競技で。案外アメリカ映画の中に、レスリング題材で心に残るもの、多いです。最近作では『フォックスキャッチャー』もそうです。18歳、高校生が挑戦するアマチュアレスリング、恋……ときたら、もちろん、さわやかな青春映画の仕上がりです。おまけに、マシュー・モディーン演じる主役の高校生ラウデンに言われるセリフで、スポーツはたった数秒間でも人々の心を感動の高みに持って行くものだ、という内容があって、それはまさにオリンピックな気分とシンクロ。このシーンと出合うためだけでもオススメです。そして主題歌はマドンナの「Crazy for You」。この曲を聞くと、必ずレスリングを思いだしてしまう妙なスイッチ機能が私に携わってしまいました。

余談ですが、大学時代、映画会社でアルバイトをしていたKIMは、来日したマシュー・モディーンを試写会のバックステージで間近に見てしまった!その時の感動たるや! まだこちらも学生でしたし、スターになんて会えませんから。ワンストライドが異常なまでに広いのです。おまけに渋谷パンテオンの廊下を走る時の、彼のダイナミズムがすごかった!

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●『ビジョン・クエスト 青春の賭け』 ●監督/ハロルド・ベッカー ●出演/マシュー・モディーン、リンダ・フォレンティノ ●1985年、アメリカ映画 ●DVD ¥1,543 発売・販売:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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新人発掘の愉しみは、映画もスポーツも同じ。
『ガールファイト』、ボクシング。

数あるスポーツ映画のなかで、映画としても質の高いスポーツジャンルはどれか、というハナシになると、必ずボクシングが挙がってきます。デニーロのボディコントロールが見事な『レイジング・ブル』、小さな息子と父親の感涙物語『チャンプ』、不屈の名作『ロッキー』シリーズ、DDルイスの狂気の演技『ボクサー』、レジェンドの物語『ALI アリ』……。キリがないっ!で、あえてここでは女子ボクシングものにフォーカスしました。

ミシェル・ロドリゲスという才能の登場でした……。スポーツ界でも期待の新星が出てくると気分が盛り上がりますよね。ミシェル・ロドリゲスは、その年、いちばん注目した女優です。ボクシング映画って必ず「這い上がる」ということがテーマになります。鬱屈した気持ちを、原始的な殴り合い中心のスポーツに託して昇華させるのです。スポーツ好きなKIM、ボクシングはじめ格闘の試合もよく観に行きますが、実際の試合でパンチを当てるということはそうとう難しく、ボクシングという競技は驚くほど知力が必要で、精神的にも追い込まれるギリギリ系です。この作品でも、家族に問題を抱えたティーンの女の子がボクシングを学ぶことで精神的にも鍛えられ、恋もし、高みにのぼっていく物語です。主役の表情が暗い。その暗さが、満足できない戸惑いが、たまらなくぐっとくる映画です。その後のミシェル・ロドリゲスは、『ワイルド・スピード』シリーズや『アバター』など、アクションに転向してしまいました。もちろん身体能力が高いからそれでもいいのですが、でも、もっとこういった小規模の作品で、ハートの鍛錬がテーマになるような作品に登場してほしかったな、と思います。

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『ガールファイト』●監督・脚本/カリン・クサマ ●出演/ミシェル・ロドリゲス、サンティアゴ・ダグラス ●2000年、アメリカ映画 ●DVD レンタルのみ Ⓒ2000 Screen Gems

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身体のハンデを乗り越えて。
『サンフランシスコ物語』、バスケットボール。

サンフランシスコはオークランドの話で、身体障害者たちが集うバーを中心に物語は進みます。ジョン・サベージ演じるローリーの飛び降り自殺未遂のシーンから始まり、彼がマックスのバーの常連になり、そこで、人々と触れあいながら、というストーリーなのですが、お涙頂戴的な演出は皆無です。傷をいたわりあうような甘さはなく、男たちの骨太な友情が、『リーサル・ウェポン』シリーズのリチャード・ドナー監督によって描かれる。デヴィッド・モース(『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でビョークをはめる警官役)演じる、ジェリーという足にハンデがあるせいでバスケットボール選手への夢を断たれている男の人生の再生の物語も絡みます。バスケットボールのシーンはそこまで多くないけれど、ジェリーのために周りが手術代を工面しようとしたり、スポーツへの夢が人生の大切な「エネルギー」になることを、淡々と描いているところがいい。それが映画の「効き」になっているのです。

音楽がたまらなくイイ!!!!
ジョン・バリーです。主題曲のゆるやか、かつ、男っぽいムードはたまらないです。そしてイーグルスの「I Can’t Tell You Why」が、ローリー、ジェリー、そしてひとりの女の三角関係を、歌詞でうまく語っていて切ない。

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『サンフランシスコ物語』 ●監督/リチャード・ドナー ●出演/ジョン・サベージ、デヴィッド・モース ●1980年、アメリカ映画

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善=白と悪=黒の幻想的な演出が、人間ドラマに深みを与える。
『ナチュラル』、野球。

ひとつ前に紹介した『サンフランシスコ物語』の脚本を担当したバリー・レヴィンソンの監督作です。4年後の東京オリンピックでは、正式種目になる野球の映画を選んでみました。

若くして野球の才能に恵まれた田舎に暮らす青年が、都会に出て「罠」に落ち、命まで危うくなる。しかし、30代半ばにルーキーとして球団ニューヨーク・ナイツに入り大リーガーとなり……という突飛な物語です。

白い衣裳を纏うのは、ロバート・レッドフォード演じる主人公の野球選手ロイの幼馴染みの女性を演じるグレン・クロース。黒い衣裳を纏うのは、ロイを「罠」に嵌め、野球選手として羽ばたく可能性を封じてしまうバーバラ・ハーシー。やわらかなアンバーがかかった美しい光の中で試合のシーンが進み、白い女が祈るとロイはホームランを打つ、といういわゆる「あげまん」的なエピソードが含まれていたりするのですが、その突飛さ含めて、とてもロマンティックに綴られた郷愁的な作品なのです。スポーツにおけるサポーター、応援、観客の心の願い、というものは時に真の効果を発揮する、というのが描かれていて、プラス、大人の恋愛映画の要素も濃い仕上がりになっています。渋い役者たちの「味」もなかなか。若さだけがスポーツの魅力ではない。傷ついた大人のスポーツ映画も、ステキです。

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『ナチュラル』 ●監督/バリー・レヴィンソン ●出演/ロバート・レッドフォード、グレン・クロース、ロバート・デュバル、バーバラ・ハーシー ●1984年、アメリカ映画 ●DVD ¥1,512 発売・販売:ハピネット 
Ⓒ1984 TRISTAR PICTURES,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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自然がライバル、レジェンド的青春映画。
『ビッグ・ウェンズデー』、サーフィン。

サーフィンも2020年東京オリンピックからの正式種目ですね。伝説の大波、ビッグ・ウェンズデーを乗りこなすことを夢見る3人の男たちの友情物語です。背景にはヴェトナム戦争があり、仲間が徴兵されたりと、70年代の映画って、大がかりなSF的戦争でなく、リアルな戦争の苦みを感じます。サーフィン映画は数あれど、初めてこの映画を見た時のブルーの世界の美しさを忘れることはできません!!!

闘うべき自然の贈り物がなかなかやってこないことでいらだつ若者たちを演じるのは、キリンシーグラムのウィスキー「NEWS」のCM出演でも記憶に残っている方もいるかも?のジャン・マイケル・ヴィンセント。このCMシリーズのなかでもいちばん好きな「家に美人が来たから」という女性の大きな肖像画を運ぶストーリーのものはYouTubeにアップされていませんね、残念。他に、コメディドラマ「アメリカン・ヒーロー」主演で人気だったウィリアム・カット。ソバカス&ブロンドはサーファー役にぴったりでした。そして『リーサル・ウェポン』シリーズのゲーリー・ビジー。いい役者たちの青田買いでしたね。

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●監督・共同脚本/ジョン・ミリアス ●出演/ジャン=マイケル・ヴィンセント、ウィリアム・カット、ゲーリー・ビジー ●1978年、アメリカ映画 ●DVD ¥1,543 発売・販売:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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