Music Sketch

デヴィッド・ボウイ大回顧展に行ってきた!

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前評判の高いデヴィッド・ボウイの大回顧展『DAVID BOWIE is』に行ってきた。その展示点数の多さと言ったら! 早速順に見ていくと、デビュー前のボウイがソングコンテストに入賞した時の賞状や、バンド時代のポスター、ソロ・デビューした際のレコード会社の紙資料など、初期の非常に貴重なものがきれいに保存されたままの状態で展示されている。これらをはじめ、数多のステージ衣装やアーティスト写真のアザーカット、TV番組に出演していた時の映像など、一つ一つが歓喜を超えた驚きのレベルで紹介されているのだ。なんだか玉手箱を開けていくようで、クリエイティヴィティに溢れたそれぞれの空間に佇んでいたくなるほどで、次の部屋へ進むのが勿体無いような気分にまでなった。

この『DAVID BOWIE is』、企画したロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で2013年にスタートしてから、これまでに欧米、南米など9カ国で延べ160万人以上を動員したという。ボウイの人気ぶりがわかる、この数字。アジアでの開催は日本が初めてだそうだ。

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会場のあらゆる場所に衣装が展示されている

■ デヴィッド・ボウイという名のカルチャー

ボウイとエルヴィス・プレスリーとの関係や、ボウイのデビュー・アルバム『デヴィッド・ボウイ』がザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の発売と同じ1967年6月だったことをはじめとする双方の関係、他にもアンディー・ウォーホルやリンゼイ・ケンプ(パントマイムで知られる舞踏家。ボウイの他に、ケイト・ブッシュも彼のクラスに通っていた)、山本寛斎との繋がりなど、当時のアートや舞台、ファッションなどカルチャーシーンとの関連性も展示と合わせて表記している。その興味の広さ、ボウイの守備範囲にも驚かされるばかりだ。

ボウイがインスパイアされたものとして、アルバム『スペース・オディティ』(1969年)に対して映画『2001年宇宙の旅』(1968年公開)関連や、ボウイの初主演映画『地球に落ちてきた男』(1976年)のポスターに対して映画『時計じかけのオレンジ』(1971年公開/日本は1973年)のポスターといったものも併せて展示され、当時のカルチャーを想起させることで、その時代の匂いを感じることができるのも嬉しい。もちろん、ボウイが創り出した架空の人物である“トム少佐”や、架空のロック・スターである“ジギー・スターダスト”などが生まれる背景も垣間見ることができる。

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パフォーマンスなど映像も複数見られる

ボウイ直筆のドローイングなども多く展示されていた。直筆の歌詞や譜面は見たことはあっても、目の前に多数並べてあると時代を超えたオーラを感じるようで、滲んだインクにさえ興奮した。しかも、自らプロデュースしたミュージッククリップやステージセットのストーリーボードや、三島由紀夫を描いた絵画まである。ここまで来ると、この会場内にボウイの何かが息づいているとしか思えない熱量を感じてしまう。私が行った日は内覧日で関係者が多く集まっていたが、展示物を見ている誰もの目が輝いているようで、周囲の人たちの嬉しそうな様子を見ているのも楽しかった。

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左側に見られるのが三島由紀夫を描いた絵

インタビュー映像を見たり、アルバムができるエピソードなど読んだりしていると、まだボウイが生きているように思えてしまう。私はボウイにはティン・マシーン時代に2回(アイルランドと日本で)、ソロでは1回(ニューヨークで)インタビューしているが、実に気さくで話しやすく、それでいてダンディーで知的で、この上なくカッコ良かった。あぁ、月並みの言葉でしか表現できない自分が恥ずかしい。当時の記事を探し出して、また改めてデヴィッド・ボウイ様について書いてみたい。

時代の先を見越し、興味のあるものを含有しながら自身のアートに昇華させていたデヴィッド・ボウイは、彼そのものがカルチャーだったと思わずにはいられない。

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『DAVID BOWIE is』
会期:2017/1/8~4/9
寺田倉庫G1ビル(東京・天王洲アイル)
10時~20時(金は21時まで)
休)月(1/9、3/20、3/27、4/3は開館)
一般¥2,400

●問い合わせ先:
ハローダイヤル tel:03-5777-8600
www.DAVIDBOWIEis.jp

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デヴィッド・ボウイ『レガシー 〜ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・デヴィッド・ボウイ〜』
最新のベストアルバムのチェックはこちらで。

*To be continued

伊藤なつみ Natsumi Itoh
音楽ジャーナリスト/編集者

『フィガロジャポン』をはじめ、『pen』『装苑』ほかモード誌などで、取材、対談、原稿執筆、編集を担当。ほかにCD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュース等も。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
Twitter:@natsumiitoh

Photo:Shintaro Yamanaka (Qsyum!)

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