【日本ワインで乾杯!】東北最古のワイナリーで、100年続く品種。

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意欲的なつくり手が次々と誕生し、飲みごたえある銘柄が増えている「日本ワイン」。海外からも熱い視線が注がれ、まさに飲みごろを迎えています。そんな“ジャパンワイン”を、全国のワイナリーに精通するジャーナリスト、鹿取みゆきがリコメンド。いま飲むべき価値あるワインをお届けします。

                                    

― 小姫 ―

デラウェアというブドウはご存知ですよね?紫色の小ぶりのブドウです。私が子どもの頃は、これがおやつ代わり。鍵っ子だった私が学校から帰ってくると、デラウェアがちょこんと一房のった皿がテーブルに用意されているなんてことがよくありました。 

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山形県南陽市一帯では、明治時代からこのブドウの栽培が盛んでした。もう、100年間も栽培が続いている品種です。その頃このブドウは「小姫」と呼ばれていたそうです。いまでも80代の人はデラウェアをこう呼びます。昔の人はデラウェアの小さく、上品で楚々とした薄紫色をした房を小さなお姫さまに見立てたのでしょうか?いまとなっては、その由来もわからないのです。私も「小姫」という言葉の可憐な響きは大好きです。それに日本各地で使われていた、こうした言葉が廃れていってしまうのは惜しいと思っています。

南陽市の赤湯温泉街の一角にある酒井ワイナリーは、東北最古の小さなワイナリーです。いまは代表取締役社長になった酒井一平さんとその家族で営まれており、価格もワイン名も、家族会議で決めているそうです。このデラウェアのワインが完成した時も家族会議が開かれました。

「姉の紀子が、この地域で古くから伝わる小姫という言葉の話を母から聞き、言葉の響きを気に入って、ワインの名前に使いたいと言い出したのです。もはや周囲の人は使わなくなった名前ですが、せめてワインの名前として、残して行こうと思っています」と一平さんは話してくれました。

ワインからはほのかに甘いパイナップルや綿菓子の香りが立ち上っています。甘やかな優しい味わいで、いまの時期ならば風呂吹きダイコンなど相性がよさそうです。

「デラウェアは、最近、栽培面積が減少する一方です。自分たちでもこのブドウを栽培して、小姫という名前とともに歴史ある品種を守っていきたいと考えています」と一平さん。

そんな一平さんの取り組みを応援したいと心より思うのです。

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赤湯のブドウ園は斜面に拓かれていることが多く、耕作放棄地の増加に歯止めをかけられません。現在、酒井ワイナリーのデラウェアの自社畑は30a。将来は、自社畑産ブドウ100%のデラウェアのワインをつくって、この品種のブランドをしっかり育てていきたいと一平さんは考えています。

cohime/小姫

ワイナリー名/酒井ワイナリー
品種と産地/デラウェア(山形県)
容量/720ml
価格/1,404円
問い合わせ先/酒井ワイナリー
tel:0238-43-2043
www.sakai-winery.jp

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選&文:鹿取みゆき, 写真:尾鷲陽介

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