【東京案内2019】静謐で美しい日本の古道具たち。
Interiors 2019.05.30
益子で評判の古家具屋が進出。
ペジテ青山 -表参道-
益子店の雰囲気に寄せた静けさの中で、古物と現代の陶磁器、服を取り交ぜたライフスタイルを提案。
栃木県の益子で人気の古道具屋が、昨年末ひっそりと青山にオープンした。幕末から昭和初期の家具や道具が、作家もののうつわや服とともに並ぶ。この時代の家具は、西洋の影響を受けて意匠やサイズ感が進化したもの。古びたままにせず、塗装を剝がして白木にするひと手間をかけることで、モダンな佇まいを際立たせている。暮らしになじむ、味わい深い家具を手に入れたい。
経年による扉や引き出しのガタつきもメンテナンスされた家具。引き出し棚¥162,000、照明¥51,840、額¥10,800
左から、会津本郷の焼き物¥7,560、銅の小物入れ¥4,860、オリジナルの照明¥32,400
青山の裏通りにまるで時が止まったかのような路地を発見。大きな壷が目印。
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個性あふれる古道具に、使い道の妄想が広がる。
白日 -浅草橋-
浅草橋の路地裏にある、昭和3年築の元歯科医院だった場所をリノベーションした。
世界にひとりでもほしいという人がいれば後世に残るのが、古いものの魅力。由緒やブランドではなく直感を大切に選んでほしいと話す店主。3つの部屋からなる空間に並ぶのは、錆びた鉄板、焼き物、びく、椅子などから、これ何? と尋ねたくなるものまで実にさまざま。使い道を考えながら見ていると、あっという間に時が経ってしまう。先入観を解き放って、個性あふれるものとの出合いを楽しもう。
明治期のものという蓮紋のガラス猪口は、5客で¥75,600
びく¥6,480、壷¥27,000、かつて煙突のパーツだった木の筒¥43,200などが並ぶ。
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日常的に気軽に使える骨董品。
道具屋ノボリ -田原町-
道具屋ノボリには現代作家のうつわも、リーズナブルな価格から揃う。什器に使っている古家具も購入可能だ。
いま注目の蔵前エリアに誕生したのは、その名のとおり、家具、食器、グラス、台所用品をズラリと揃えた道具屋。古い、新しいの区別なく、毎日気軽に使えるものを基準にセレクト。なかでも日本の食器メーカー、ノリタケの70年代のカップ&ソーサーや伊万里焼の湯呑みなど、昭和レトロな古い食器は新鮮。現代作家のシンプルな皿と合わせて、テイストミックスを楽しんでみたい。
古めかしい食器棚やテーブルに、食器、グラス、キッチン道具が置かれている。
伊万里焼の絵付けの湯呑みはリーズナブルなのもうれしい。コーヒーやヨーグルトのカップとして毎日使えそう。各¥1,500〜
通りに面した木目調の外観が目を惹く。蔵前エリア散策の途中で立ち寄りたい。
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※『フィガロジャポン』6月号より抜粋
photos : AKEMI KUROSAKA (STUH), réalisation : SAIKO ENA