マリメッコが出会った日本の技、日本の色。

デザイン・ジャーナル

Marimekko(マリメッコ)が日本と行なったプロジェクト「We Love Japan – The Isetan edition」のポップアップショップが、6月7日(水)から6月13日(火)まで、伊勢丹新宿店本館1階のザ・ステージに登場します。期間中には、フィンランドからマリメッコのデザイナーを招いてのトークイベントも予定されています。

170531-marimekko01.jpgPhoto: Kazuhiro Shiraishi, courtesy of LOOK

「マリメッコの特色である「柄」を、日本ならではの色で表現してみると、どうなるのだろう。日本の伝統的な技術を受け継ぐ職人さんと一緒にものづくりができたら、何が起こるのだろう」長年受け継がれてきたものづくりの精神や、長く愛されるデザインを大切にするマリメッコらしい日本との共同プロジェクト。今回は、6つの窯元や工房、企業とコラボレーションしています。

有田焼の窯元である畑萬陶苑と福泉窯が手がけているのは、白磁にマリメッコの柄を描いた茶碗や杯、インセンスコンテナー。白磁を彩るウニッコやヴァスキナ、キヴェットの柄はどれも「日本の伝統色」で彩られています。それぞれの品にあわせて柄が細やかに編集されていて、私たちがよく知っている柄も新たな趣に。マリメッコのデザイナーと制作現場との密なやりとりの様子が想像できます。

170531-marimekko03.jpgPhoto: Yuta Kawanami, courtesy of LOOK

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「Sake cup」小 ¥15,000、大 ¥18,000/Marimekko×畑萬陶苑

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「Rice cup」各¥8,000/Marimekko×福泉窯

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「Incense container」¥37,000/Marimekko×畑萬陶苑 「Sake cup」と「Incense container」は手作業で一点ずつ描かれています。

ウニッコをジャガードファブリックで表現、さらにそのファブリックを活かしたソファも誕生しました。森林保全や林業の活性化など、日本の森の課題に目を向け、これまで活用される機会の少なかった広葉樹をあえて用いているカリモク家具(愛知県)のブランド「カリモク ニュー スタンダード」の限定発売です。

170531-marimekko14.jpgソファ 1人掛け(写真)〜3人掛け ¥230,000〜¥400,000、「オットマン」¥92,000。フレームはナラ。/Marimekko×KARIMOKU NEW STANDARD

そして、60年以上お茶筒を作り続けている台東区の加藤製作所との取り組みは、ヴァスキナ柄のブリキの缶です。……が、ファブリックや陶器にいつも描かれているヴァスキナとはちょっと違う?!  実は、缶の柄は職人さんの手刷りで描かれているんです。線画であることや色数などが決まっていることもあり、ヴァスキナをデザインしたアイノ-マイヤ・メッツォラ自ら、柄の一部を抽出し、細部を丹念に描き直すといった作業を行なっているのだそうです。

自然を愛し、スオメンリンナ島に自宅とスタジオを構えるアイノ-マイヤだからこそ描ける花々の、さらなる魅力を楽しめます。アイノ-マイヤは、ヘルシンキ芸術デザイン大学でグラフィック・デザインを専攻していた経歴もあるので、作られるものにあわせて、一度完成させた柄に関係者が再度向き合うという今回のプロジェクトを自らが楽しんでいる様子もつい想像してしまいました。

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「Tin box」 各¥3,500 /Marimekko×加藤製作所

さらに今回の特別コレクションの中には、幅広い使い方ができるウッド・ボックスも。木地挽物の高い技術を誇る石川県加賀市にある畑漆器店の製作で、素材は栓(せん)の木。柄はウニッコとキヴェットです。木地挽物に柄が描かれるということもあり、丸の大きさやその間隔など、やはりこのためのデザインが用意されていました。

ウニッコとキヴェットが、明治時代から続く染めの技法、注染(ちゅうせん)を用いた「かまわぬ」の手ぬぐいとして登場しているのも楽しいニュース。しかも、どちらの柄も、驚かされるほど手ぬぐいになじんでいます。

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「Wood box」各¥12,000 /Marimekko×畑漆器店

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「Tenugui」 各¥2,000 /Marimekko×かまわぬ。

世界中で愛されているテキスタイルのデザインが、日本の手仕事を活かし、日本の伝統色とともに生活の品々に展開されるというわくわくするプロジェクト。 マリメッコの生みの親であるアルミ・ラティアや、ウニッコのデザイナー、マイヤ・イソラたちが目にしたらきっと笑顔を見せてくれるはず! そしてその光景が、私の頭に浮かんでくるのです。

マリメッコでプロジェクト全体に関わったのは、マリメッコ ホーム デザイナーとして活躍するサミ・ルオツァライネン。フィンランドが生んだ偉大なるプロダクトデザイナー、カイ・フランクの精神も受け継いだ実力の持ち主です。

170531-marimekko02.jpg他にも日本の伝統色でのファッションアイテムやホームコレクションが誕生。バッグ、マグカップやクッションに加えて、マリメッコのドレスも日本の伝統色で!
Photo: kazuhiro Shiraishi, courtesy of LOOK

サミのほか、マリメッコのヴィジュアルマーケティングディレクターを務めるロッタ・プリンッシも今回の展示・販売にあわせて来日します。6月9日(金)には、制作に関わった有田焼・畑萬陶苑の畑石修嗣さんと、サミによる3人のトークイベントも開催。

サミには、ウニッコ誕生50周年を機とする「UNIKKO CAFÉ IN HIGASHIYA GINZA」(2014年)でもお会いしました。その際に語ってくれたのは、日本の伝統やものづくりの文化に対する、サミを始めとするマリメッコの高い関心についてでした。日本の文化をより深く理解しようとする情熱や、その上での温かなまなざしも伝わってきました。

マリメッコと日本。互いが互いの文化を尊重し、理解しようという心があるからこそ実現された暮らしの品々を目にしながら、今回もプロジェクトのお話を直に伺えるのが、楽しみでなりません。

Marimekko pop up shop「We love Japan – The Isetan edition –」
期間:6月7日(水)〜6月13日(火) 
会場:伊勢丹新宿店本館1F ザ・ステージ
東京都新宿区新宿3-14-1
HP:www.marimekko.jp
Facebook:www.facebook.com/marimekko.jp
Instagram: www.instagram.com/marimekkojapan
サミ・ルオツァライネン×ロッタ・プリンッシ×畑石修嗣 トークショー
開催日時:6月9日(金)18時~
開催場所:伊勢丹新宿店本館1F ザ・ステージ
東京都新宿区新宿3-14-1
登場者:サミ・ルオツァライネン(マリメッコ ホーム デザイナー)、ロッタ・プリンッシ(マリメッコ ストア デザイン、ヴィジュアルマーケティングディレクター)、畑石修嗣(畑萬陶苑)。
私も進行役としてご一緒させていただきます。皆さまぜひお出かけください。

川上典李子 Noriko Kawakami

ジャーナリスト
デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行なうほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。
http://norikokawakami.jp

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