フランスで庭はじめました【2020 Novembre】 出べその猫とイングリッシュローズ。

Paris 2020.11.11

吉田パンダ

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こんにちは、吉田パンダです。日本のイケアカタログをオンラインで見ていたら、収納用品のページで「人が一生のうち、失くし物を探すのに使う時間は6年間という研究があります。その時間を別なことに使いませんか?(細かいとこ違うかも)」と書かれていました。6年間!! マジですか! この間、あれー、メガネがないよ、、と探し回って、自分の頭にかかっていたことに気付き、ついにサザエさんの波平と肩を並べたと思っているんですが、自分はたぶん、現時点ですでに18年くらいはモノを探す時間に使っていると思います←長過ぎだろ。イケアさん、どうにかしてください。

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さて、8月以来だいぶご無沙汰してしまいました。現在フランスはロックダウン中ですが、庭の進捗をお伝えします。例によって、ほとんど進んでいません、、。周りからはそう見えないかも知れませんが、秋が終わる前に春の準備をせねばとかなり焦ってます。元来〆切がないと何もしないタイプで、昨年はあっという間に1年過ぎてしまいました。今年はそうはさせない!←いや、もう11月だし。写真は電気屋さんが、玄関の外灯を取り付けているところ。1年以上も裸電球のまま放置されていたんですが、ようやくランプを取り付けられました。

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夜になると、こんな感じです。ドアの横に土袋がそのままですいません。

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ドアを開けるには呪文を唱えなくてはいけないような、「深い森の一軒家感」が増して気に入っています←実際は住宅街の一軒家。

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あと、夏に薪小屋を作りました(キットを買っただけ)。本来はきっちり地面の水平をとって作らなくちゃいけないんですが、そのあたりを適当に製作したため、薪を並べたところでさっそく左に傾きはじめました。中央部の釘が外れて崩壊しかけたため、真ん中の継ぎ目部分をこれでもかと補強しています。5年くらいは保ってくれよ、、。皆さん、小屋を建てる時は水平にくれぐれも気を付けてください←教科書を読まないタイプ。

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大きすぎる薪を割るための斧も入手。丸太はご近所から譲ってもらいました。

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ちなみに、この斧はスウェーデンのグレンスフォシュ・ブルークという老舗のものでですね、、、あ、猫、、

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元気か? サビ。昨年から飼っている猫とは別にもう一匹、この夏から庭に猫が住み着くようになりました。男の子、推定2〜3歳でまだにゃん玉が付いています。初めて見かけた時に錆猫に見えたので、それ以来サビと呼んでいます。

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最初は出て行ってくれないと困ると思い、引き取り先をいろいろ探して、実際に別な家に届けたこともあるんですが、、。

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どうもここが好きらしく、結局我が家で引き取ることにしました。黒トイプーの次は、野良猫二匹、、。

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サビはもともとお腹に大きな腫瘍があります。おそらく長くは生きられないのだろうと思い、せめてそれまで面倒を見てやるかという気持ちがあったのですが、この間獣医に診てもらったら単なる「出べそ(臍ヘルニア)」でした(!)。丈夫かよ!!

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「末長く、よろしくな、、」

薄幸で寿命の短い猫のはずだったんだけど、いや、長生きしてくれるのはかまわないが、いやしかし、、出べそか、、←気持ちの整理がついてない。

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ともあれ、いまは去勢前のせいか家猫ノアが牙を剥いてサビの侵入を嫌がるので、後発猫のサビさんは、庭暮らしをしてもらっています。朝晩は寒かろうと小屋も買ってあげました。

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「ありがとね」

中に入ってね。

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「ちっ、あの出べそ野郎が、、」と内心思っているかどうかはわかりませんが(ごめんノア)、鋭い視線を投げかける家猫ノアさま。多めに見てくだされ。

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庭造りですが、ほかは玄関横に白バラを2種類植えました。デヴィッド・オースティンのバラで「クレア・オースティン」と「ウィンチェスター・キャシドラル」(写真)。いわゆる「イングリッシュローズ」というのは、オールドローズ(香りと見た目の華やかさ)とモダンローズ(繰り返し咲きで丈夫)をかけ合わせたいいとこ取りのもので、イギリスのバラ育種家デヴィッド・オースティン(1926〜2018年)が作り出したバラの総称なんですね。いま頃知りました。次回はフランスに1カ所だけあるデヴィッド・オースティンのバラ園を訪ねた際の話と、今後の庭について。どうぞお楽しみに。しかし、、出べそか、、←まだ言ってる。

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photos et texte : PANDA YOSHIDA

写真家。長年住んだパリを離れ、現在フランスはノルマンディー地方にて、犬猫ハリネズミと暮らしている。庭づくりは挫折中。木漏れ日とワインが好きで夢想家、趣味はピアノ。著書に『いぬパリ』(CCCメディアハウス刊)がある。instagramは@taisukeyoshida

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