CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

フランス人が知らないムーミン

夏のバカンス前はお別れの季節でもあります。赴任期間が終わり、帰国されたり、他の国へ引っ越しされる方が相次ぎます。仲良くしてくださっていたフィンランド人のお客さまが、ヘルシンキへ帰国するからと、こんなお土産を持ってきてくださいました。

彼女が初めてサロンに来たとき、たまたま鞄に入れていた雑誌の中に、ムーミンの生みの親のトーベヤンソンと彼女のパートナーのトゥーリッキが夏に過ごしたクルーヴハル島の記事が載っており、その記事を見せてそこにいつか行ってみたいということ、子どもの頃私の顔は下膨れだったのであだ名がムーミンだったこと(本当に似てた)などを話したら、彼女の顔がパッと輝いて、「パリに来て3年経つけど、ムーミンを知っている人に初めて出会った!」と目を丸くして大喜び!

フィンランド人の彼女はてっきりムーミンは世界中の人に知られていると思っていたのに、フランスでは放映されておらずフランスでは無名だということをパリに来て知り愕然としたんだそう。

これは私にとって意外な事実で、ではヘルシンキの空港にいるフランス人は、たくさん売られているムーミングッズを「ケスクセ?(なんだこれは?)」と眺めていたのかしら?

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以来サロンに来てくださるたびに、手にはムーミングッズのプレゼントが。そしてソワンの合間に、二人でムーミンの動画を見たりしていたのでした(笑)びっくりしたことに、私が子供のときに見ていたムーミンの名主題歌「ねえ、ムーミン こっちむいて 恥ずかしがらないで モジモジしないで〜♪」は日本の放映用に作られた曲で、フィンランドではポップ調の曲だということが発覚。作詞は井上ひさし氏、さすが子ども心を鷲掴みにする詩です。

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プレゼントしてくださったものは他にもたくさんあるのですが、(写真左)はSALMIAKKIという黒くて苦い飴。独特な味ですが、フィンランド人は皆この飴を舐めているだそう。それと私が料理好きということで、スポンジタオルなど可愛いすぎて使うのがもったいなくなるようなキッチングッズなどもいただきました。

さて、彼女が最後にしたソワンは、フェイシャルとまつ毛と眉毛のカラーリングでした。毛の色が薄いヨーロッパ人にとってまつ毛を紺や黒色に染めたり、眉毛の色を濃くするカラーリングはごく普通のことで、どこのエステサロンでもメニューに載っています。特にフィンランド人のように金髪の人は、太陽の光が強くなるとますます色が薄くなるので、こまめにカラーを入れないと金髪を通りこして白っぽくなってしまいます。

パリジェンヌとは違う点が多々あり、とても自然体な素敵な女性で、ムーミンだけでなくフィンランドの生活や考え方など沢山彼女から教えてもらいました。「ヘルシンキに来ることがあったら連絡してね、また会いましょう」とBisouビズーをして笑顔でお別れしました(^o^)/

 

 

chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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