Pierre Bonnard(ピエール・ボナール)展
只今Musée d'Orsay(オルセー美術館)で開催中のPierre Bonnard. Peindre l'Arcadie
(ピエール・ボナール、アルカディアを描く)展へ行ってきました。
館内に入って、おや?と思ったのが、常設展は写真撮影が可能になったこと。
但し、フラッシュ使用は禁止。
5、6年前は常設展は写真撮影可能だったのですが、いつからか全面禁止になりましたが
それがまた撮影可に戻ったことは、ちょっと嬉しい♫
とは言え、鑑賞中の人の邪魔にならないようにマナーはちゃんと守らないと。
(ただし特別展は基本的には撮影不可。作品によっては許可されているものもあります。)
と思いながら、ボナール展フロアへ。
私はボナールついて「ナビ派、ポスター作品が多い。」ぐらいしか知らなかったので
展覧会にはどんな作品が集まっているのか楽しみでした。
19世紀末から20世紀前半に活動したフランスを代表する画家の一人、ピエール・ボナール。
オルセーの常設コーナーで繰り返し見ていたL'Enfant au pâté(砂遊び子供)。
見た瞬間、この子はワカメちゃん?その日本人ぽい子供、着物のような服、庭の様子に親近感
を覚える一枚。
細長いサイズも掛け軸のように感じますが、元々は4枚組みのパネル作品のひとつだったものを
後にボナール自身が切り離して現在のような独立した作品として扱うようになったそう。
このジャポニズムな感じは、解説を読んで納得。
ボナールは「ナビ・ジャポナール」(日本かぶれのナビ)と呼ばれるほど日本趣味に
傾倒していたそうです。
L'homme et la femme(男と女)
あからさまにわかる情事の後の様子。
けだるそうに横たわる女性はボナールの恋人マリア・ブールサン(通称マルト)で、男性は
ボナール自身と言われています。
二人を隔てるつい立てが象徴的で、男女の気持ちの隔たりを表している?!
Nu à contre-jour(逆光の裸婦)
こちらもモデルはマルト。
今回知ったのは、ボナールがたくさんの裸を描いていること。それまでそういう印象がなかった
ので意外に感じましたが、多くは恋人を描いているだけあって、モデルに長くポーズを取らせている
のではなく、とても自然で日常の一コマという感じ。
Nu Dans le bain(浴槽の裸婦)
思わず、他人とは思えないこの感じ。
こちらの浴槽は、長さはあるけど深さがないので、しっかり浸かろうと思うとこんな感じになります...。
Jeux d'eau ou Le Voyage(水の戯れ、旅)
250×300cmという迫力の大きなサイズの油絵。
アパルトマンの食堂を飾る4枚の連作装飾パネルの中の1点で「水と旅」を理想郷的に
表現した作品だそう。(会場では4枚展示されています)
中央には海獣と戯れるセイレーン(上半身が人間、下半身が鳥)、右側には中国趣味を
思わせる中国官吏(マンダリン)が木の下に。
奥には陽光で燦々と輝く異国的な街並みが広がった色鮮やかな大作でした。
そして今回、特に素敵だな〜と思ったのは南仏の風景の数々★
その展示コーナーに入った途端に、そこに流れる空気が変わるような感じがしました。
La Palme(ヤシの木)
ボナールは1909年に南仏を初訪問して以来、同地に強く惹かれたそう。
描く絵の色彩の鮮やかさがどんどん増してゆくことがよくわかりました。
La Salle à manger sur le jardin(庭の朝食の部屋)
そしてボナールは、この頃から美術雑誌などで大々的に取り上げられるようになり、画家として
の地位を確立。
1925年に南仏のル・カンネで別荘を購入し、マルトと結婚。
その後は南仏を拠点としニュー ヨーク、シカゴ、ロンドン、アムステルダムなど国内外で
絵画作品を展示し、好評を博したそうです。
Salle à manger à la campagne(田舎のダイニングルーム)
ボナールは画家として、人として、男として幸せな人生だったことを感じる展覧会で
その美しい色彩がとてもとても印象的でした。
この展覧会はオルセー美術館での会期を終えた後に、マドリードとサンフランシスコに巡回を
予定しているそうです。
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à demain(^.^)/~~
<info>
Musée d'
1 Rue de la Légion d'Honneur, 75007 Paris
*Pierre Bonnard. Peindre l'Arcadie(ピエール・ボナール、アルカディアを描く)展
は2015月7月19日まで
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