パリ3月のマルシェ 「フォカッチャの春サンド」

パリのマルシェとレシピ。

春めいてきたようで、まだまだ寒いパリですが、3月最後の日曜に夏時間に切り替わると、そこから1年で一番気持ちのよい季節の始まりです。

Châteletから81番のバスに乗って北西へ。知らなかった道、公園の花の息吹きを見つけると、うれしくて気持ちも弾む。
車窓から広がるパリを楽しみながらの小旅行気分です。

メトロGuy Môquet駅前で降りてマルシェに着くと、なんとスタンドが3軒だけ。

IMGP8871-580.jpg「本当にこれだけなの?」と買い物中のおばさまに尋ねてみると、チーズ屋さんはヴァカンス中だそうで‥‥拍子抜けしたものの、放し飼い養鶏場の地鶏や産みたて卵、魚の鮮度もなかなか。
長年の常連さんとスタンドの人達は仲良しで、ちょっと田舎町のようです。

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旬のホタテとドーバー海峡から揚がる大きなカレイ。 

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フライ用とはいえ、新鮮な鯵はタタキにしようか。

さて、買い物を終えて、お目当てのBoulangerie BASSOブーランジェリー・バッソへ。ここは友人のフードライターChiaki Mitomiさんの記事を読んで以来ずっと行きたいと思っていたのが、偶然このマルシェのそばに。

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オーナーに、お奨めを聞くと、トラディショナルな物はもちろん、Pain du jour日替わりのパン(今日はシードル風味)、Ciabattaというオリーブ油が香ばしいフォカッチャ、生地にココアを練り込んだPain au Cacaoなどなど。

具沢山のサンドイッチ、季節のフルーツをのせたパイやタルト、日替わり惣菜も美味しそう!

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気前よく大ぶりなフラン。一口食べて「あっ!」と小さく叫んだのは‥フラン好きが高じて、あちこち食べ歩いている私に、パン職人の友人が“17区のパン屋の女性が作っているものが凄く美味しい”と言っていたのは、これだったのね!と、すぐに舌が感じたから。シンプルな材料で、しっかりと作り、これだけ個性を出せるのは素晴らしいこと。そして本当に美味しい。

パンを買ってゴキゲンで、同じJonquière 通りを駅方向に歩くと左にシシリアの食材店Il Gusto d’Italia(ここも美味しそうなものが揃う)さらに歩いて右側の素敵なウインドウに惹かれて入ってみると、去年12月にオープンしたというポルトガルのエピスリーCOMPTOIR SAUDADEでした。

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ワインにリキュール、キッチンに置くだけで楽しい気分になりそうな瓶や箱、女性らしいセレクトのセンス良いパッケージを見ているだけでしばしワクワク。ポルトガル人オーナーが歩いて探した選りすぐりの食材、フランスでは売られていないレアなものも多い。 生産者から直送される手造りハムやチーズも好評だそう。
IMGP8848-580.jpgオーナーがイチ押しのコンフィチュール(左から、パプリカ、柑橘、いちじく、トマト)は、それぞれフルーツや野菜に合わせたチーズが入ったもの。
迷っていると、毎朝ここでコーヒーを飲んでいるという、17区らしいムッシューが奨めてくれた “トマトと 熟成させたBrebis羊のチーズのもの”にしました。
完熟トマトと口の中で溶けるチーズの塩気がいい感じで、これはアペロのツマミにも使えそう。

お隣は、ここも去年11月オープンのLe Champ des Rêves

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アルルのりんご農家のもの、オレンジなど旬の食材が入口に並んでいます。店奥にある季節の花コーナーも素敵。

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田舎風のしつらえ、品揃えといいすべてが気に入ってしまい、これは久々のときめき!!りんご以外は、パリ近郊の小さな農家で作られているもので、8割くらいが有機無農薬。他にはビオのグラノーラ、ビール、春のハチミツやコンフィチュールなど、生産者から直送された食材をみるとオーナーのこだわりが感じられて、しばし興奮。他の写真はこちらから。

今日は、美味しそうなBASSOのフォカッチャCiabattaとLe Champ des Rêvesの野菜を使って、カツサンドを作ってみました。

■『フォカッチャの春サンド』
Focaccia sandwich printanier

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−フォカッチャ  1(使ったのは20cmくらいのもの)
−にんじん(ピューラーでスライスし、パクチー、オリーブ油、レモン、塩で和える)
−紫キャベツ(千切りをシードルヴィネガー、オリーブ油、塩でマリネ)
−レッドオニオン薄切り 少々
−アボカド薄切り 1/2個分
−クレソン 少々
−スライスチーズ  2枚
−とんかつ(肩ロースを使ったもの)1枚
−とんかつソース 適量

贅沢ですが、かつを春のveau仔牛肉で作ると、これは格別です。
陽が差してくると、なんでも外で食べたい気分になってくる季節。週末にはこんなサンドイウィッチとワインを持って森に行きたいもの。

17区は少し中心から離れていますが、飛びっきり美味しいフラン、感じの良いエピスリー(いずれも女性オーナー達が奮闘しています!)を目がけて、また何度も通いたいと思っています。

* 3月25日土曜、パリ左岸のBon Marché1階で料理のデモンストレーションをします。お近くの方、是非遊びに来てくださいませ。お待ちしております。

Marché Navier  マルシェ・ナヴィエ
Rue Navier 75017 Paris(rue des Epinettesと rue Lantiez の間)
営)火・金 7〜14時30
メトロ13番線、又はバス81番Guy Môquet 駅下車 徒歩10分

ご紹介した店はrue de la Jonquière 通り
Boulangerie BASSO(パン)---49番地
Comptoir SAUDADE(ポルトガル食材)---27番地
Le Champ des Rêves(フランス食材)---25番地

SACHIYO HARADA
料理クリエイター

 

長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業 適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理 教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。2016年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
Instagram : @haradasachiyo

 

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