Parisienne file.vol.10 ドリス・オンブール/「Maison Doris」ファッションデザイナー
パリジェンヌのアパルトマンに欠かせないもの。
パリジェンヌファイル
インテリアに取り入れる、ヴィンテージのある暮らし
オリジナルな感性のまま自由にインテリアを楽しむパリジェンヌの部屋には、ヴィンテージのアイテムが上手に馴染んでいます。ブロカントや蚤の市で見つけたお気に入りや、家族が長年愛用していたものを受け継いだりと、時代も背景も異なるいろいろな場所から集まる古い家具や小物。一点ものだからこそ、より大切に使い続けたい! そんな愛情を感じるのがヴィンテージの魅力です。
5年前から暮らしているドリスのアパルトマンは、近くにある大きな森の緑やパリの街並が望める見晴らしのいい景色が自慢。室内には、ナポレオンIII世時代の家具や、ミッドセンチュリーの雑貨などたくさんのヴィンテージのアイテムが愉しげに並んでいます。「出合った瞬間のファーストインプレッションを信じて選ぶとハズレがないですね。好きなものだから、アパルトマンを引っ越して、たとえ内装が変わっても、すんなりと空間に調和するんです」。
アパルトマンを彩るヴィンテージ
【モノクロのポートレート写真】
右のマリリン・モンローは、彼女の生涯最後となったポートレートを手掛けたことでも知られるバート・スターンによるポートレート。「N.Y.のギャラリーで見かけて即決で買ったの。エディションナンバーがついたレアな作品よ」。左は友人からプレゼントされたファッションポートレート。モノクロ写真でレトロ&スタイリッシュなムードに。
【ナポレオンIII世時代のソファ】
エレガントな曲線のフォルムがフェミニンなナポレオンIII世時代のソファ。「今はもう潰れてしまったけれど、映画や舞台の装飾に使用した家具や小物を専門に売るお店がパリ郊外にあって、そこで見つけたの」。読書やシエスタにぴったりで、つい長居してしまう快適さが気に入っているそう。
【磁器と陶器】
ブルーの鳥とさくらんぼの絵皿は、19世紀後半から20世紀初頭にフランスで流行した"バルボティーヌ"と呼ばれる陶器。「15年ほど前に南仏を旅行中にブロカントで見つけたもの。以来、デザートやチーズ皿として使っているわ」。ティーカップは、フランス王家のために製造された由緒正しいアンティークカップ。「ブルゴーニュのアンティークショップで6年前に買ったもので、クラシックなモチーフだから、ティータイムを優雅な気分にしてくれるわ」。
【YSLのレコードと香水瓶】
イヴ・サンローランの香水" PARIS"の発売記念のためにつくられた限定レコードは、パリのオークションで購入したそう。「コマーシャルソングが録音されているのだけれど、音楽よりジャケットが気に入って買いました」。アンティークの香水瓶は、曾祖母が船旅用に愛用していたトランクに収納されていたボトル。
『Maison Doris』ファッションデザイナー。学生時代は演劇を専攻。作品で知り合った監督からスカウトされてスタイリストの道へ進み、映画や舞台を中心に活躍。2010年にパリ10区にヴィンテージショップをオープン。2015年より自身のブランドをスタートし、パレ・ロワイヤルに近い1区にブティック兼アトリエの「メゾン・ドリス」を構える。 www.maisondoris.com
photos:AYUMI SHINO, réalisation:HIROKO SUZUKI