「また風邪?」すぐに寝込む人と、無傷の人の違いを医師が解説。

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※この記事は、フランスの新聞社「Le Figaro」グループが発行する
「madame.lefigaro.fr」で掲載されたものの翻訳版です。
データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

風邪を引くと寝込む人がいる一方で、何事もなかったかのように動ける人もいる。フランス国立呼吸器感染症ウイルス・リファレンスセンターで副センター長を務めるアントナン・バル博士が、その理由を解説する。

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鼻水、くしゃみ、軽い咳……。風邪の症状の感じ方は、人によってまったく異なる。ベッドから起き上がれない人もいれば、(ティッシュを数枚持ち歩く程度で)ほとんど何事もないかのように仕事へ行く人もいる。

「確かに、風邪のウイルスに対して私たちは平等ではありません」と、リヨン市民病院にある国立呼吸器感染症ウイルス・リファレンスセンターの副センター長、アントナン・バルはそう認める。そこにはいくつかの要因が関係しているという。

免疫反応の違い

バルによれば、「一般的に風邪の症状の重さを決めるのは、ウイルスの量でもその遺伝子型でもありません」。個人の反応の違いは、おもに「感染者本人に関わる要因」に左右されるという。

第一に挙げられるのが免疫システムであり、それがウイルスへの反応力を決定すると彼は言う。この免疫の働きはすべての人において同じではない。「遺伝的な要素だけでなく、年齢も関係しています。年を重ねるほど、免疫力は低下していくからです」

また、他の基礎疾患も個人の免疫力を弱め、より深刻な症状を引き起こす可能性がある。「特にアレルギー、喘息といった慢性呼吸器疾患がある場合や、化学療法や臓器移植などの治療を受けている場合は、免疫反応が低下するため症状が重くなりやすいのです」

ライフスタイルと生活環境

遺伝的・医学的な要因以外に、不健康なライフスタイルも影響を及ぼすことがあるという。「科学的な研究により、喫煙や睡眠不足が免疫システムを弱めることが示されています」とバルは指摘する。

「タバコを吸っていたり、睡眠が十分に取れていなかったりすると、ウイルスと戦って排除するのにそれだけ時間がかかるのです」。また、ストレスも睡眠の質を悪化させるため、間接的に免疫力を低下させるリスク要因となる。

生活環境も風邪の症状を悪化させることがある。大気汚染やアレルゲンなどがその例だ。「汚染された空気を吸うと、気道を覆う繊毛(せんもう)の働きが鈍くなり、ウイルスを排除するのがより困難になります」と説明する。

受診のタイミングは?

風邪を長引かせないため、バルは十分な睡眠を取ることと、症状を和らげる治療を受けることを勧める。微熱がある場合はアセトアミノフェンを使用し、鼻の通りを良くするための鼻洗浄をすることなどだ。通常、症状は7〜10日間、時には14日間ほど続くという。では、どのような時に医師の診断を仰ぐべきなのだろうか? 

バルはこう話す。「10日経っても改善が見られない場合です。また、症状の悪化(呼吸困難、呼吸が速くなる、胸の痛み、脱水症状、長引く発熱など)が見られる場合や、リスク要因(高齢、妊娠、免疫不全、心臓・肺・腎臓の疾患、糖尿病など)がある場合は、もっと早く相談してください」

重い症状は単なる風邪ではなく、インフルエンザや新型コロナウイルスの兆候である可能性もあると彼は警告する。「風邪とは本来、鼻や喉、そして一部のケースでのみ副鼻腔に起こる感染症です」。異常な倦怠感を感じたり、高熱が出たりした場合は、かかりつけの医師を受診するのが賢明だろう。

From madameFIGARO.fr

  • text: Lena Couffin (madame.lefigaro.fr) translation: Shion Nakagawa