
LEO今井のライヴ
Music Sketch
フィガロジャポンの読者に邦楽を聴く人がどのくらいいるかわからりませんが、LEO今井さんの音楽は、きっと気に入っていただけるのでは、と思います。父親は日本人、母親はスウェーデン人で、小・中学校はロンドン、高校は日本、その後はロンドン大学、オックスフォード大学大学院に進学という経歴。聴いてきた音楽もジャンルを超えて多彩で、それだけに心に沁みるツボを押さえたメロディときらめくサウンド、瞬発力のあるビートが、とても聴きやすく響いてきます。
デビュー・アルバム『Fix Neon』はネオン・シティに似合う、ギターの効いたややスペイシーなロックが中心で、なかにはロキシー・ミュージックの名盤『アヴァロン』を想起させるような幻想的で奥行きのあるサウンドも醸し出します。夜、まさにネオンを眺めながら彷徨ったり、ドライヴしながら聴くと、フッと現実してしまいそうな近未来的な要素も兼ね備えています。今年の2月に発売されたアルバムですが、ずっと大好きで聴き続けています。
12月6日@代官山UNITで行ったライヴではバックバンドと合わせて80年代のテクノ・バンドを思わせる装い。キーボードを弾きながら、またはマイクを持って動き回るLEO今井は、小動物的なルックスと併せて、やや演劇的なパフォーマーに感じるほど。インタヴュー時や普段会った時は饒舌ではないし、どちらかというと言葉の少ないインテリ系に見えますが、ステージの上では水を得た魚のように超アグレッシヴです。
「音楽とは、現実から逃げるようなものであり、自分のことをもっと深く知るきっかけとなる鏡でもあると思う。矛盾しているけど虚実皮膜であって、最終的にどんな表現も遠ざかって分析すると、そこに辿り着くのではないかと思うんです」と、取材時に話していましたが、文学に精通しているだけあって、彼の書く歌詞も興味深いです。
「Rush」「Blue Technique」「Metro」「Taxi」といった人気ナンバーに、ゲスト・ヴォーカルにRie fuを迎えて共作曲なども次々と披露し、あっという間に終演となりました。アンコールではトナカイのイラスト付きのTシャツで登場。トナカイマニアの私はぜひ購入したかったのですが、ライヴ終了後にデビュー当時から親しいRie fuさんや知人友人と話しこんでいるうちに、物販は終了していました。とほほ・・・・・・。でも、大好きな『Fix Neon』の数々の曲をライヴで聴くことができて、とてもハッピーでした。
ということで、2008年も残すところわずか。12月は忙殺されて、更新が遅れがちでごめんなさい。2009年は、ライヴやインタヴューはもちろん、もっとマメに更新していきますので、よろしくお願いします。国内の方々も、海外から読んでくださっている皆様も、来年も楽しみにしていてくださいね!
では、良いお年をお迎えください。
*to be continued*
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