Music Sketch

MRIの音楽

Music Sketch

今回はいきなり話題が変わってしまいます。HRだとハードロックの略ですが、MRIとは磁気共鳴画像法(magnetic resonance imaging)の略。ウィキペディアによれば、《核磁気共鳴 現象を利用して生体内の内部の情報を画像化する方法》とのことです。

以前、環八を運転中に横から追突されて救急車で運ばれ、その時にMRIを撮影したことがあったので、2度目の体験になります。今回は、某バンドのアコースティック・ライヴを見ている際に左後頭部に撮影機材の一部が落下、安静にしていたにもかかわらず日が経つにつれて体調が悪化してきたので、頭と首のMRIと首のレントゲンを撮ってもらったのです。

ito_a.jpg撮影したものはCDRに焼かれます。音楽はフレンチ・エレクトロ系だったら良かったのに。

撮影を必要とする部位を磁気の効いたカプセルに入れるのですが、MRI室に入ると、いきなりハウスミュージックばりの4つ打ちが響いてきます。何の音なのかは訊き忘れました。そしてカプセルに頭部を入れる際に国内線機内についているイヤフォンと同形のものを耳に差込み、頭の位置を固定し、スタート。頭部の撮影は3分×7回繰り返されるとのことでしたが・・・・・・。

まるでそれはインダストリアル系のロックというか、頭蓋骨に直接響くように感じる電気ドリルをネジ込むような音、骨をそのままノックするような音、リトル・ブーツが喜ぶような宇宙光線のような音、いろんな音が順に飛び交います。きっとこれで脳の反応を検査しているんでしょうね。

しかし音楽に敏感な私は、このノイズを防音するためのイヤフォンから流れてくる、往年のヒット曲をオルゴールなどで奏でる音楽の方が不気味で、しかも何の曲なのか気になってしまい・・・・・・。TVのクイズ番組にあるような、"夏に関する曲を同時に3曲流すので、全部の曲名を当ててください"的なノリになって、さらに脳は活発化するばかり。過激な検査音をSとするならば、耳元のいわゆる癒し曲Mとが同時にせめぎあい、脳は興奮してしまって検査どころではなかったのでした。

この日は急に検査をお願いしたので、取り急ぎ脳の結果だけざっと診ていただいたのですが、私の左脳と右脳の大きさに違いがあり過ぎて先生も苦笑するほど。もちろんこれは、MRI音楽のSM効果からではありません。ただ正直、私は脳の大きさがアンバランスで安心しました。きれいな形の脳よりも、不完全な方が自分らしいと思ったからです。今年の2,3月は茂木健一郎氏、池谷裕二氏、オリバー・サックス氏をはじめ、脳に関する本を大量に読んでいたので、自分の脳を実際に見るのは興味津々で、その後はしばらく脳について質問してしまいました。

その後の診察で首のMRIも必要になったので、すぐに撮影可能なメディカルセンターへ行きました。ここはヘッドフォンが最新型で、しかも中に流れる音楽の音量も大きかったので、圧迫感を感じるほど。ちょうどスティーヴ・アップルトンのCDの解説原稿を書き終えたばかりだったので、アップルトンの音楽だったら良かったのに、と思いながら耳を傾けたら、私が最も苦手とするニュー・エイジ系の音楽のオンパレード。金属音や鋭いノイズと交錯し、超ミスマッチ。しかし、こちらは短時間で終わりました。

ito_b.jpgチェブラシカ&季節外れのトナカイも不安そう。

首の頚椎や椎間板の老化は30歳から始まるそうです。詳細に診察結果が出ましたが、突然頭に落ちた場合、落下物の重量に関係なく、もしくは急に避けただけでも頚椎捻挫(鞭打ち)や神経障害になるそうです。しかも事実関係はもとより、人間関係や被害者なのにクレイマー扱いされるなど精神的ストレスが多ければ多いほど悪化するとのことで。本当に何をきっかけに傷めることになるかわからないので、みなさんも特に頭部と首には気をつけてください。体調が悪くて自宅にずっといると負のスパイラルが増すばかりなので、早く治して、早朝には近くの公園を散歩をしていた前のペースに戻したいと思っています。

*to be continued

伊藤なつみ

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
Twitter:@natsumiitoh

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