「齊藤工 活動寫眞館」について

齊藤工 活動寫眞館・拾弐 岸井ゆきの。

「齊藤工 活動寫眞館」について

俳優、斎藤工。そして、映画監督、齊藤工。表舞台であらゆる「男」を演じ、裏方にまわり物語をクリエイトしていく。齊藤工がいま見つめるものとは、何か。彼自身がシャッターを切り、選び出す。モノクロームの世界に広がる、「生きた時間」を公開していきます。

俳優・岸井ゆきのが撮影場所に選んだのは、俳優やダンサーたちが稽古場として利用する新宿村スタジオだった。

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2017年秋に出演した劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season風の稽古で、岸井はここに通い、自身の役に生命を吹き込んでいった。舞台でのボーイッシュな姿とは打って変わって、フィガロジャポン8月号の撮影のためにスタジオに現れた岸井は、ソフィア・コッポラ監督作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』の女性たちを彷彿とさせる白いワンピースを纏っている。

「岸井さんの作品の中での存在感はかねてから特異でした。メジャー・インディーズ、変幻自在で自由自在、各現場で多くのモノを吸収しながらオリジナルにしていく、末恐ろしい存在」

齊藤がそんなイメージを抱いていた岸井と会うのは、今年4月に行われた、映画監督の行定勲がディレクターを務める「くまもと復興映画祭」以来という。光を求めて、齊藤は窓際で岸井の撮影をスタートした。

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シャッターを切りながら齊藤は、自身も以前観たという『髑髏城の七人』の話を始める。「今回は60公演近くあって大変でした。ここまで長期の舞台に出演したのは初めて」と岸井が応える。

次は鏡の前へ。この空間での日々が蘇ってきたのか、大きな瞳が白昼夢を映しているような表情を見せる。そんな岸井に齊藤が撮影した写真を見せると、ふわっと顔がほころんだ。

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稽古用のピアノの前で撮影することになり、岸井は「高速『猫ふんじゃった』くらいしか弾けない」と笑いながら、ピアノを弾き始める。そして「チューリップ」、「ドレミファソソファミレド」とエチュードを奏でていく。

最後に、椅子の上に立って撮影。身長差が30cm以上あるふたり。「私、こんなに高いところに立っているのに、ほとんど変わらない……」と、ちょっとはにかんだように笑った。

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舞台は観ることも大好きだという岸井。幼い頃から母に連れられてミュージカル観劇、いまはストレートプレイを多く観ていて、先日も唐組の『吸血姫』を観たばかりだと話してくれた。「いろいろ考えてしまって冷静に観られない、という女優さんもいると聞いたりするんですけれど、私はいち観客として、楽しんでいる気がします」屈託のない笑顔でそう語る。

「“ご本人も見たことのない岸井ゆきの”を目指しましたが、実際切り撮れたのは、岸井さんによる“この日にしか存在しない岸井ゆきの”でした。それもごく自然に。改めて感服しました」

そして「靴を撮らせてください」と言う齊藤に、ちょっと恥ずかしそうにしつつも岸井は履き心地のよさそうな靴を並べてくれた。

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ひとつの役を丁寧に作り上げていく稽古場で、この日、斎藤のカメラの前に立ち、自分自身としてのさまざまな表情を見せてくれた岸井ゆきの。大好きな舞台や映画を吸収してぐんぐん自身の表現を育てていく、まるで彼女に似合う真っさらな白いリネンやコットンのような、ピュアな感性に触れられたように感じるひとときだった。

岸井ゆきの YUKINO KISHII
俳優。ドラマ「モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-」で注目を集める。主演映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』(2017年)にて第39回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞。NHK・連続テレビ小説「まんぷく」にも出演が決定。角田光代原作の映画『愛がなんだ』(19年公開)では再び主演を務める。
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TAKUMI SAITOH
移動映画館プロジェクト「cinéma bird」主宰。映画監督作に『半分ノ世界』(2015年・国際エミー賞ノミネート)。国内外の映画祭にて作品賞、監督賞、俳優賞等、現在6冠を獲得した初長編監督作『blank13』が現在一部地域にて公開中。www.b-b-h.jp/actor/saitohtakumi

coiffure et maquillage : YUKA FUJIGAKI

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