「齊藤工 活動寫眞館」について

齊藤工 活動寫眞館・拾捌 KIKO ARAI。

「齊藤工 活動寫眞館」について

俳優、斎藤工。そして、映画監督、齊藤工。表舞台であらゆる「人物」を演じ、裏方にまわり物語をクリエイトしていく。齊藤工がいま見つめるものとは、何か。彼自身がシャッターを切り、選び出す。モノクロームの世界に広がる、「生きた時間」を公開していきます。今回は、ニューヨークを拠点に活動する注目のモデル、KIKO ARAIが登場。

今月、パリで開催されたアート展『Salon des Beaux Arts 2018』に学展のゲストアーティストとして参加していた齊藤工の写真作品が、Photography部門でBronze Medal(銅賞)を受賞したとのニュースが舞い込んできた。

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『Salon des Beaux Arts(サロン・デ・ボザール)』は、150年の歴史を持つ現代アート展だ。会場はルーヴル美術館に隣接する地下ホール、カルーゼル・デュ・ルーヴル。かつてはパリコレのメイン会場だったこともあるホールに、彫刻や絵画、イラスト、写真など、世界中から600人ものアーティストが参加し、多彩な作品が展示される。

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基本的にはアーティスト自身が応募して、審査を経て作品展示にいたる、アーティストの自発的な表現を大切に続けられてきた展覧会。齊藤は1950年設立のアートコンクール、学展のゲストアーティストという形で参加していた。初日に会場を訪れたフィガロジャポンのパリ支局長・髙田昌枝によれば、『守破離』というタイトルが付けられた齊藤の作品は大型作品であるだけでなく、こちらをじっと見つめる女性の瞳を真正面から捉えたものだけに、訪れる人たちも思わず立ち止まって観ていたという。

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モデルを務めたのは、KIKO ARAIこと新井貴子。拠点であるニューヨークから日本を訪れていた滞在中に、撮影が実現した。齊藤は、彼女のキャスティングについてこう語る。

「KIKOさんには今年の夏、私の監督作『colorful』というフェラガモのブランデットムービーに主演していただきました。世界のファッション業界の最前線で圧倒的な存在感を放ちながら戦っているKIKOさんと、礼節を重んじ、穏和な普段のKIKOさんから学ぶことが多かったです。

そんな中、ルーヴル美術館のお話があり、既に撮った作品を出品ということでしたが、私のなかで、この一生に一度であろう機会、あえてそこ(ルーヴル)に目がけた作品を生み出したい、トライしたいという気持ちが発生し、その時浮かんだのが神社で佇むKIKOさんでした」

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『Salon des Beaux Arts』の会場中央にはピアノが置かれ、週末にピアニストが訪れて演奏したり、フラメンコの公演が行われたりと、誰もがリラックスしてアートを楽しめる雰囲気なのだそう。そんな中、齊藤の作品に魅入っていたふたりのフランス人女性に、パリ支局長髙田が話を聞いた。

「彼女の瞳が語りかけてきました。光の扱い方が素晴らしい」と答えたのは、詩を書いているという女性だ。吸い込まれそうに感じるほど真っすぐなまなざしが印象的なカットは、フィガロジャポン本誌P98にも掲載しているのでぜひご覧いただきたい。

もうひとり、写真の勉強をしているという女性も、写真の中のKIKOに目で話しかけられたように感じたという。「何を言おうとしているのか気になります。1枚目の写真はひとりで座っていて、次はこちらに語りかけてくるような視線。最後の表情はまるで、分かってくれないことを非難しているような。物語があるはずだと感じて、それが知りたくなります」

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写真部門で銅賞を受賞したとの報告を受け、齊藤はこう語る。

「ちなみにタイトルの『守破離』はKIKOさんからいただいた言葉です。ルーヴルにて銅賞をいただいたと聞いた時には、そんな賞があること自体を知らなかったので驚きましたが、まさに『守破離』の生んだ奇跡だと思います。

私は『活動寫眞館』では、映画を撮るように、その主人公を撮る最初と最後の日のような気持ちで臨んでいます。この『守破離』もまさにそうでした。これからもそうやって写真表現と向き合っていきなさいと叱咤激励された気がしました。この奇跡に関わって下さった関係各位の方々にあらためて感謝申し上げます」

齊藤とKIKOが日本で、日本ならではのコンセプトとロケーションで創り上げたモノクロームの作品。それがパリの人々の心をとらえ、賞に結びついた。折しも日仏友好160年を記念した「ジャポニズム2018」が注目を集めるパリで、齊藤の作品が日本のクリエイティビティの可能性を世界へ示した。

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新井貴子 KIKO ARAI
大阪府出身。2012年、「ミス日本コンテスト」グランプリを受賞。13年、シンガポールでモデル活動をスタート。17/18年秋冬オートクチュールコレクションではヴィクター&ロルフ、18年春夏にはケンゾー、18/19年春夏にはカルバン・クライン 205W39NYCなどのランウエイモデルとして登場、注目を集める。現在はニューヨークを拠点に置いて活躍の幅を広げている。
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TAKUMI SAITOH
移動映画館プロジェクト「cinéma bird」主宰。監督作『blank13』(18年)が国内外の映画祭で8冠獲得。12月、パリ・ルーヴルでのアート展『SALON DES BEAUX ARTS 2018』にて写真作品『守破離』が銅賞を受賞。企画・プロデュース・主演を務める『MANRIKI』が19年に公開予定。www.b-b-h.jp/actor/saitohtakumi

cooperation : MASAE TAKATA (PARIS OFFICE)

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