パリで絵日記
いぬパリ
こんにちは、吉田パンダです。こちらには節分で豆をまくという行事はもちろんなく、代わりに2月2日がカトリックの行事にかこつけて(?)クレープの日となっています。なぜクレープなのかという点については諸説あるようですが、春の訪れを祝うハレの日に、そんな野暮なこと聞いちゃあいけません。はい、食べて食べて。
さて、今回は絵日記形式に、パリの日々から徒然にご紹介。撮影は全てiPhoneで。決して書くネタがなくなったとか、そんなことはないですよ。ほんとにないですから!←わかりやすい。
とある火曜日、パリ11区ポールベール通り。ビストロと言えばここが代名詞の老舗、ビストロ・ポールベールにてランチ。牛のハラミ肉ステーキ、フリット。前菜とデザートもついて19euro。さらにワインを一杯飲んでコーヒーもつけると日本円にして約4000円ですが......パリではお値打ちです。
Le Bistrot Paul Bert
18 rue Paul Bert 75011
Tel:01-43-72-24-01
休)日、月
とある金曜日はピカソ美術館へ。「枕によりかかる女」(1969)。この絵だけではないのですが、いくつかのキュビズム作品を眺めた時、バラバラの視点で描かれたそれぞれの部分が、離れてはくっつき、形を変え、一つの視点に収束したかと思うとまた離れ......と、まるで生きているように動いて見えたんです。絵から受け取るエネルギー(?)も半端なく、ピカソはすごいと一人で得心してきました。やはり、オリジナルに触れないとですね。
MUSEE PIACASSO
5 rue de Thorigny 75003
月曜定休
美術館の帰りに立ち寄ったカフェ。いわゆるサードウェーブ系。ウチの近所にはいないお洒落な人がいっぱい来てたんだがね。イタリアの作家、イタロ・カルヴィーノの作品「マルコヴァルドさんの四季」(日本では岩波少年文庫刊)からとったという店名「MARCOVALDO」も、どえりゃあ素敵です。
とある月曜日、家の前の歩道から。マルコヴァルドさんが扇風機で雨雲を飛ばしてくれたおかげで、気持ちのいい晴天。
同じ日の夕方。夕焼けがきれいでした(←作文なの?)。撮影のない休日は犬の散歩以外、一歩も外に出ないことはよくあります。この日もどこにも出かけず、朝晩と犬を連れて、空に映る影絵を見上げるだけの一日。
とある水曜日はパリ8区、某誌の撮影で訪ねたレストラン・クラランス。パリにいながらにして、まるで地方のシャトーに来たかのよう......と思っていたら、それもそのはず。ボルドーは5大シャトーのうちの一つ、シャトー・オー・ブリオンを所有する、クラランス家の邸宅を改装したものだそうです。
Le Clarence
31 av. Franklin D Roosevelt 75008
http://www.le-clarence.paris
ベトナムから来た友人を案内して、とある火曜日のパリ7区はカフェ・トラマ。何度か撮影で来たことはあったのですが、一度はレストラン業を引退した70代のお父さんがシェフに駆り出され、家族でがんばっていると聞いてからは、何だか勝手に親近感を抱いて来ています。モダンでありながら、おじいちゃんの定食屋でもあるのです。
ついつい頼んでしまうクロックムッシュー。とある事情から自身のお店はなくなり、レストランへの卸しのみとなったプージョランのパンを使用しています。
直訳すると「やわらかな栗」。しっとりとしたマロンケーキ。うん、美味しいよ、おじいちゃん!(がこれも作ったかどうかは、わかりませぬが)。
Café Trama
83 rue du cherche midi 75006
Tel:01-45-48-33-71
休)日、月
食後はプチパレをご案内。古代文明から20世紀に至るまでの幅広い展示、気持ちのよい中庭、アールヌーヴォー香る建築と、お散歩にはちょうど良い美術館。しかも入場は無料となっております、お嬢様、はい。
Petit Palais
http://www.petitpalais.paris.fr
金曜日はステーキ・セヴェロ。パリで熟成肉ステーキといえば、必ず挙げられる名店です。このあとの絵日記も、ワインバーで鳥カツ、二つ星でタラのカレー、ついに来ました一風堂ラーメンと続く(食べてばっかり)のですが、どうも誌面が尽きたようなのでこの辺で......。
日曜日はヴァレンタインデー、2月14日の夕焼けを自宅前の歩道から。食べてるか、夕焼け見てるか寝ているか。春休みの絵日記をお届けしました。次回はたぶん、ヴェネツィアからお届けします。どうぞお楽しみに。