おしゃべりなうつわ

作家のうつわ、リピ買いの理由

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これは、吉田直嗣さんの鉢、二階堂明弘さんのボウル、余宮隆さんのポテサラ鉢と豆鉢、角田淳さんの隅切り皿、蠣崎マコトさんのコップ。どれも私にとって使い勝手がよくリピート買いしてきたものだ。

最近は、吉田直嗣さんの円柱型の鉢を買い足した。というのも愛用しているものより小さいサイズが、個展に出品されていたから。大小並べて使ったらいい景色になりそうだし、入れ子で収納できるのでは?と即決した。そして別の日、今度は二階堂明弘さんの個展で、ずっと使っているものと同じサイズのボウルを購入。このボウルには、最近ハマっている豆乳スープ麺が見た目も量もちょうど合い、そうなると、息子や夫とも同じうつわで食べたくなったのだ。前のものは「つるん」、今回は「ざらっ」とした質感だけど、ともに白。

作家のうつわは、一期一会とよく言うけれど、実際は定番がいくつもあって、個展のたびに一定数、出品してくれる。買い足したいと思った翌日に手にいれるのは難しいけれど、待っていれば、また出会うことも多いのだ。ただし数年ぶりに出品というのもあるから、デザインのマイナーチェンジや素材の変化は起こりうる。そんな時は、サイズが違うなら入れ子に、素材が違うなら同系色でと柔軟に受け止めていくと、テーブルの上で案外揃った感じに見えるから大丈夫。

余宮さんのポテサラ鉢は、「え、これしか残ってなかったっけ?」という心許ない量の作り置きを、「いえ、最初からこの量で考えてましたの」という感じにおおらかに見せてくれるところがよくて、同じものをもとめて個展に行ったものの、さらに小さな豆鉢の方にひかれて2個購入したというイレギュラーリピート案件。角田淳さんの隅切り皿は、焼き魚をのせるシンプルなお皿がずっと欲しくて、やっと見つけた嬉しさから買い足し。取り皿としても、おやつにも活躍してくれている。蠣崎マコトさんのコップは、とろりとした口当たり。グラスで飲んでいるのにも関わらずグラスを介さず飲んでいるような、うつわと身体の境界が消えるような、うまく説明できないけれど、不思議な気持ちよさがあってリピート買いしています。

【ある日のうつわ】

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吉田直嗣さんの鉢にビビンバ。新調した小さいほうにはキムチを盛り付けた。

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二階堂明弘さんの白い鉢は、もうすこしざらっとした質感のものを新調。

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角田淳さんの長方皿は、焼き魚の日の定番。取り皿にもケーキにも使いまわせる私的ベストな縦横比率。

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余宮さんの小鉢や豆鉢は、直径と深さの関係が絶妙で少量でも盛り付けが美しく決まる救世主。

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蠣崎マコトさんのコップ。ビールは、ほぼこれで飲んでいて週5で使う。


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作り手:吉田直嗣、二階堂明弘、余宮隆、角田淳、蠣崎マコト

年代:2010年頃〜2025年
購入場所:銀座日々、AELU、うつわ base FUURO、千鳥 UTSUWA gallery、kohoro、夏椿

衣奈彩子

ライター/ 編集者

子育てをきっかけにふつうのごはんを美味しく見せてくれる手仕事のうつわにのめり込んだら、テーブルの上でうつわ作家たちがおしゃべりしているようで賑やかで。献立の悩みもワンオペ家事の苦労もどこへやら、毎日が明るくなった。「おしゃべりなうつわ」は、私を支えるうちのうつわの記録です。著書『うつわディクショナリー』(CCCメディアハウス)
Instagram:@enasaiko ウェブマガジン https://contain.jp/

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