『親愛なるきみへ』でラブロマンスを真っ直ぐに描く、
ラッセ・ハルストレム監督インタビュー。

Culture


いくつもの作品が映画の原作となった、”恋愛小説の神”の異名をとる作家、ニコラス・スパークスのベストセラーが、旬の若手俳優チャニング・テイタムとアマンダ・サイフリッド主演で映画化。そのメガホンをとったのは、繊細な人物描写に定評のあるスウェーデン出身の名匠、ラッセ・ハルストレム監督だ。

誰もが期待を抱かずにはいられない、そんなキャストとスタッフによる『親愛なるきみへ』がついに日本公開。それに合わせて来日したハルストレム監督は、穏やかなまなざしが印象的で、出演者たちについて、物語について、やさしさのこもった言葉で語ってくれた。


ラッセ・ハルストレム(Lasse Hallström)
1946年、スウェーデン・ストックホルム生まれ。TVや短編映画、アバなどの音楽ビデオの監督を務めた後、1985年公開の『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』で米アカデミー賞最優秀監督賞(脚色賞も)にスウェーデン人として初ノミネート。主な監督作品は『ギルバート・グレイプ』(1993年)、『サイダーハウス・ルール』(1993年)、『ショコラ』(2000年)、『HACHI 約束の犬』(2008年)など。

――ニコラス・スパークスさんの原作を初めて読んだときの感想は?

ラッセ・ハルストレム監督(以下H):「実はこの作品を監督することに決まり、脚本を何度か読み返した後、初めて原作を読んだのです。脚本に盛り込みたい要素がないか探すつもりでしたが、脚本家のジェイミー・リンデンは、原作にないことも含め、見事に脚色してくれていました」

――主演のチャニング・テイタムさん、アマンダ・サイフリッドさんによる即興演技も撮影したと聞きましたが、そのときのエピソードを教えてください。

H:「最初はふたりとも慣れていないので、戸惑っていましたが(笑)、脚本通りにやらなくてもいいんだよ、と伝えるうちに、段々できるようになりました。私は俳優自身の個性、アイデアをどんどんストーリーや役柄に投影させてほしいと思っているので、そんなやり方をするのです。いったん即興をやり始めたら、彼らはまるで遊び場で自由に遊びまわるように、ストーリーを紡いでいってくれました」


特殊部隊の兵士ジョンを演じるチャニング・テイタム(左)と南部の裕福な旧家の娘サヴァナを演じるアマンダ・サイフリッド(右)。

――チャニング・テイタムさんは、監督が参加されると聞いてすごく喜んだと聞きました。監督から見た、主演ふたりの印象は?

H:「ふたりに同じ言葉が当てはまります。”playful(遊び心がある)”、”ambitious(大望を抱いている)”、そして”full of pranks(いたずら心が満載)”」

――主人公ジョンの父、ミスター・タイリーを演じたリチャード・ジェンキンスさんについて、この興味深いキャラクターが、彼が演じることによってさらにおもしろくなった、とおっしゃっていましたが、具体的にどんな点でしょうか?

H:「ミスター・タイリーは自閉症という設定です。リチャードは私が想像していたよりも、エキセントリックな部分を強く打ち出した演技をしたんです。それがとてもよかった。どんなことをしても、彼の演技には説得力がある。自閉症のキャラクターという意味では、『ギルバート・グレイプ』でレオナルド・ディカプリオも演じましたが、ふたりとも、スイッチのオン・オフがすぐに切り替わる。見ていてすばらしいと思いました」

――アラン役に自閉症の少年をキャスティングしたのは、監督のアイデアだそうですね。一緒に仕事をしてみて、いかがでしたか。

H:「この作品をできるかぎりリアリスティックにしたかったので、プロデューサーと私のふたりで、自閉症の少年をオーディションで選ぶことに決めました。アラン役の6歳のブレーデン・リード君との仕事はすばらしかった。とてもチャーミングで、スクリーンに映し出されているのは、彼自身なんです。共演者たちは彼のアイデアや振る舞いに合わせて演技をしたのです」


ハルストレム監督が抒情的に描きだすラブストーリーに心ゆくまで浸って。
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――madameFIGARO.jp読者に向けて、メッセージをお願いいたします。

H:「主人公は兵士ですが、そういった軍関係の話は、気にしないでください(笑)。それはストーリーの本筋ではなく、この作品はロマンスです。私自身もラブストーリーを描くのを楽しんだので、ぜひラブストーリーを楽しみに観にいらしてください!」


*micの映画コラム「きょうのもシネマ日和」の『親愛なるきみへ』レビューはコチラ


『親愛なるきみへ』
●監督/ラッセ・ハルストレム
●出演/チャニング・テイタム、アマンダ・サイフリッド、ヘンリー・トーマス、スコット・ポーター、リチャード・ジェンキンス
●2010年、アメリカ映画
●配給/プレシディオ
●108分
2011年9月23日より、新宿ピカデリー(Tel. 03-5367-1144)ほかにて公開。
http://www.cinemacafe.net/official/shinkimi/pc.html

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