〈GW展覧会〉スマホを手放しアートに浸る。おすすめ美術展から旅の目的地を探して。
バタバタで過ごした年度はじめ。ゴールデンウィークはプチデトックスをしませんか? 友達や家族、もちろんひとりで贅沢に堪能するのも。9つの展覧会から、いま行きたい目的地を見つけて。
1. 『福田尚代 あわいのほとり』(神奈川)

存在の儚さに光を当てる、言葉の小さな”粒子”。
「世界は言葉でできている」という独自の思索を探求する美術家の福田尚代。幼少期、本のページに並ぶ文字の組み合わせがひとつ変わるだけで別な景色が生まれるその移ろいに魅了され、言葉を小さな「粒子」と捉え、分解し、並び替えることで未知の世界に触れる手がかりを見いだした。本展では始めからも終わりからも同じ読みになる回文と、本や栞の紐、手紙などを素材に彫刻を施した造形作品ほか代表作による、展示空間を取り込んだインスタレーションを発表。
『福田尚代 あわいのほとり』
開催中~5/17
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
0467-22-5000
開)9:30~16:30最終入場
休)月 ※5/4は開館
料)⼀般¥700
https://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition/2025-naoyo-fukuda/
2. 『飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき』(茨城)

「遊び」に導かれる、時空を超えた出来事。
2007年より〈デコレータークラブ〉シリーズを展開してきたアーティスト飯川雄大。街中に突如現れる巨大なピンクの猫や、バッグを鑑賞者自身が移動する、あるいは居合わせた者が知恵を出し合い展示空間を変化させるなど、観客の身体感覚や想像力、場の偶発性によって空間や仕組みが変容する作品を手がけてきた。本展では飯川のこれまでの取り組みを紹介するとともに、鑑賞者を巻き込む仕掛けが思いもよらぬ出来事を見いだすインスタレーションを新たに制作する。
『飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき』
開催中~5/6
水戸芸術館現代美術ギャラリー
029-227-8111
開)10:00~17:30最終入場
休)月 ※5/4は開館
料)⼀般¥900
https://www.arttowermito.or.jp/https://wyeth2026.jp/
3. 『SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-』(東京)

手練の画力で表現する、孤高の美と強靭なエロス。
驚異的な画力で独自の世界観を表現し、人体と機械がせめぎ合う美と強靭なエロスを探求し続けるアーティスト、空山基。完全無欠の肉体を誇る孤高の女性像やメタリックな質感とメカニカルな造形を持つ『セクシーロボット』など数々の代表作は、海外セレブリティをはじめ世界中で熱狂的に支持されてきた。過去最大規模の本回顧展は、1970年代から半世紀にわたり彼が追い求めてきた光・透明・反射という表現の核を圧倒的なスケールで体感する機会となるはずだ。
『SORAYAMA 光・透明・反射 -TOKYO-』
3/14~5/31
CREATIVE MUSEUM TOKYO
[email protected]
開)10:00~17:30最終入場(月~木、日、祝)
10:00~19:30最終入場(金、土、祝前日、4/28~5/6、31)
無休
料)⼀般¥2,500
https://creative-museum.tokyo/exhibitions/sorayama/
4. 『杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner』(青森)

絵画の「余白」に向かう、画家の並外れた空間意識。
現代⽇本を代表する画家のひとりで、並外れて繊細な空間意識を持つ杉⼾洋。⼩さな家や船、果物、⽊々や⾬粒など⾝近なモチーフと線や図形をリズミカルに構成し、みずみずしい⾊彩で描き続ける。本展では服の裏地や本のあそび紙のような絵画の「余白」に着目。同館のVIを⼿がけ、かつて雑誌「流行通信」の鮮烈なADで杉⼾を魅了したグラフィックデザイナー服部⼀成とのコラボレーションにより、杉⼾作品に触発された壁紙と作品が共鳴するコンセプチュアルな空間を展開する。
『杉戸洋展:えりとへり / flyleaf and liner』
開催中~5/17
弘前れんが倉庫美術館
0172-32-8950
開)9:30~16:30最終入場(~2/28)、9:00~16:30最終入場(3/1~)
休)火、5/7 ※4/14、21、28、5/5は開館
料)⼀般¥1,500
https://www.hirosaki-moca.jp/
5. 『テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート』(東京)

英国美術の抵抗の軌跡に正面から向き合う。
1980年代後半、サッチャー政権の新自由主義政策により、経済格差と社会不安が蔓延する英国社会に現れたのがダミアン・ハーストやサラ・ルーカスなど、ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)と呼ばれる作家たち。斬新な視点と革新的な⼿法で澱んだ空気を打破しようとした彼らの活躍は世界的に論争を呼んだ。テートが編纂し、YBAsらの作家の創作の軌跡を検証する本展は、現代もなお解決されない問題意識とアートの抵抗の力に正面から向き合う機会となるはずだ。
『テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート』
開催中~5/11
国立新美術館
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)10:00~17:30最終入場(⽇、月、水、⽊)、10:00~19:30最終入場(金、土)
休)火 ※5/5は開館
料)⼀般¥2,300
https://ybabeyond.jp/
6. 『ロン・ミュエク』(東京)

身体感覚を揺さぶる彫刻の圧倒的な存在感。
極度の写実性とスケールの操作による人体表現で知られ、独自の評価を確立してきた彫刻家ロン・ミュエク。実物より遥かに巨大、あるいは小さく造形され、精緻な肌や髪、表情まで作り込まれた人物像は、鑑賞者の身体感覚を揺さぶり、不安や哀愁を伴うリアリズムを生み出してきた。本展では100点の頭蓋骨積み重なるインスタレーション『マス』を中心に、寡作で知られるミュエクの代表作を展示。圧倒的なリアリズムの背後に潜む人間の脆さや孤独を浮かび上がらせる。
『ロン・ミュエク』
会期:4/29~9/23
森美術館
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)10:00~21:30最終入場(月、水~日)、10:00~16:30最終入場(火)
※5/5、8/11、9/22は21:30最終入場
無休
料)一般¥2,300(月~金)、¥2,500(土、日、祝) https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/ronmueck/index.html
7. 『東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展』(東京)

Myron Kunin Collection of American Art,
Minneapolis, MN photo: Curtis Galleries, Inc.
©2026 Wyeth Foundation for American Art / ARS, New York / JASPAR, Tokyo
孤高の画家が描き出す、私的な世界との繋がり。
20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家アンドリュー・ワイエスの、日本では没後初となる本格的な回顧展。抽象表現主義、ネオダダ、ポップアートなど時代の潮流から距離を置き、身近な人物や風景を描き続けた作品には、窓や扉といった境界を示すモチーフが繰り返し登場する。本展ではそれらをより私的な世界との繋がり、あるいは生と死、内面と外界を結ぶ象徴として捉え、「境界」というテーマから作品を読み解くことで作家の精神世界に迫ろうとする。
『東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展』
会期:4/28~7/5
東京都美術館
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)9:30~17:00最終入場(火~木、土、日)、9:30~19:30最終入場(金)
休)月、5/7 ※5/4、6/29は開館
料)一般¥2,300
https://wyeth2026.jp/
8. 『PUBLICAD-公共性と広告性を再編集する/
Re-editing the Narratives of the Public-』(東京)

「架空の場」で考えたい、アートが果たす役割。
架空の物語をテーマに渋谷にオープンしたMuseum of Imaginary Narrative Arts(MINA)。その最初の展示では、ミュージアムを象徴するポスターの広告性と公共性を批評的に問い直す。企画を務めるL PACK.はふたりの作家を迎え、菅原玄奨による彫刻とBIENによるグラフィックの関係から立ち上げた「架空の場」で、都市とメディアの意味を考えさせる。展示空間でコーヒーや食事を楽しみながら、アートが“メディア”として果たす役割を探りたい。
『PUBLICAD-公共性と広告性を再編集する/Re-editing the Narratives of the Public-』
会期:開催中~6/21
ミュージアム・オブ・イマジナリー・ナラティブ・アーツ[ミーナ]
開)11:00~21:30最終入場 無休
入場無料 ※要飲食オーダー
https://mina-shibuya.org/
9. 『拡大するシュルレアリスム
視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ』(東京)

新しい現実が「日常」と「世界」の見方を変えた。
夢や無意識に着目したフロイトの精神分析学に影響を受け、理性により分断された世界を超える新しい現実を求めた20世紀の芸術運動シュルレアリスム。「日常を変える」ことと「世界を変える」ことをひと続きに捉え、芸術のみならず雑誌や広告、ファッション、室内デザインなどに広がりを見せた。本展ではダリ、エルンスト、マグリットらに加え、スキャパレリの作品も紹介。芸術と社会の関係を揺さぶった社会現象としてこの運動を再検証する。
『拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ』
前期:開催中~5/17 後期:5/19~6/24
東京オペラシティ アートギャラリー ギャラリー1、2
050-5541-8600(ハローダイヤル)
開)11:00~18:30最終入場
休)月、5/7 ※5/4は開館
料)一般¥1,800
https://www.operacity.jp/ag/exh297/https://wyeth2026.jp/
- text: Chie Sumiyoshi
*この記事は、madame FIGARO.jpの過去の記事を再編集し、まとめたものです。内容やデータが変更になっている場合もありますのでご理解ください。