次世代俳優、成田凌が語る25歳の「いま」。
インタビュー
3月に開催された日本アカデミー賞授賞式で新人俳優賞を受賞し、映画というフィールドでも大きな注目を集める成田凌。着々と出演作を重ね、今年も話題作への出演が絶えない彼の最新作、『愛がなんだ』が4月19日から公開される。本作への思いからプライベートまで、25歳の「いま」を語ってくれた。
『愛がなんだ』は、直木賞作家の角田光代が2003年に手がけた傑作小説を映画化したもの。全力疾走で一方通行の恋を駆け抜ける、平凡なOLテルコ(岸井ゆきの)の日々を中心に、テルコとその周りの人物の思わず目をそむけたくなるような感情や出来事をリアルに描く群像劇だ。成田の役どころはそんなテルコの日常を振り回すマモル役。さらなる飛躍を期待される若手俳優が、この役を通して感じたこととは?
たいして仲の良くない友達の結婚式の二次会で出会ったマモル(成田凌)とテルコ(岸井ゆきの)。気づけばどっぷりと恋に落ちていたテルコの日常は次第に“マモちゃん”のためだけに…。
「ちょっと人を不快にさせてしまうような鈍感な部分を共有したかった」
――この作品で成田さんが演じたのは、「自分に自信がもてない厄介なダメ男=田中マモル」。成田さんのイケメンオーラを消すために、ヘアやファッションでも苦戦されたそうですね。最も心がけていたことは何ですか?
僕、イケメンオーラありますか(笑)。役としては、最低な男が理性を抑えなかったらこういう衝動や選択をするんだろうと思う、「無意識の鈍感さ」を意識しました。たとえば日常で、ちょっとしたことなんだけれど嫌かも?と思う人の言動ってあるじゃないですか。そういう、悪気はないけれどちょっと人を不快にさせてしまうような鈍感な部分を共有したかったんです。
――たとえば、シーンで言うと?
シーンで言うとキャンプの時。マモルは普段地味なファッションなのにキャンプではしゃぐ気持ちから、サングラスを頭に引っかけているんです。そういう微妙な「だささ」とか。ただ本人には悪気がないので、天使と悪魔が折り混ざったような、その繊細さと鈍感さのバランスみたいなものを崩さないように気をつけていましたね。
――テルコが料理を作っているシーンで「追いケチャップ」という、モテ男にしかできない技をアドリブでされていたそうですね。狙っていたものでしょうか、それとも自然に出てきたもの? 「壁ドン」「袖クル」に続いて、「追いケチャプ」。ドキッとしました(笑)。
追いケチャップ(笑)。気になっちゃいましたか? あれは計画していたわけではなく、場面に入っている時に自然に出てきた衝動的な行動なんです。流行りますかね、流行ったらいいですね(笑)。
――正解のない“大人の片思い”が交差するストーリーです。本作の中に登場する主な人物、テルコ、マモル、すみれ、ナカハラ、葉子――5人の中で、成田さんはどのタイプの気持ちがいちばんわかりますか?
5人それぞれどの気持ちも自分の中にあるんですが、いちばんわかるのはマモルですね。「憧れ感があって頼れる女性」と「緊張感なく一緒にいられる女性」、ふたりいることでバランスが取れる心地よさみたいな部分は、少しわかる気がします。
テルコが盲目的に恋するマモルは、出会って間もない頃は「テルちゃん」と呼んでいたが、次第に「山田さん」と他人行儀な呼び方へと変わっていく。
――テルコがマモルと出会って恋に落ちたきかっけがマモルの「綺麗な手」でしたが、成田さんが女性に気持ちをもっていかれやすいポイントはありますか?
僕も「手」ですね。手のしぐさや動きに丁寧さがあるとすごく惹かれます。あとはよく笑う人。見ているだけで元気になれるので。
――主演の岸井ゆきのさんもいま注目の若手女優ですが、共演してみて彼女の印象は?
ひと言でいうと「とても可愛い人」。本当によく笑っている方なんですが、その笑顔が可愛くて。いつも笑顔で現場を明るくしてくれる存在でした。
マモル、テルコに加え、すみれ(江口のりこ)、ナカハラ(若葉竜也)、葉子(深川麻衣)という3人の複雑な想いも入り混じり、物語は予想もしない方向に走り始める。
――マモル役を通して成田さんが得たこと、また感じてほしいことは?
日頃の行いについて「反省」をしました(笑)。無意識にしてしまう失礼な言動には気をつけようと思いました。特に男性って多いと思うんですよ、悪気はないけれど無意識にしてしまっていることって。マモルを通してあえてその部分を意識したことで、もう少し日頃から意識をしようと思いました。
――男性も女性も、自分の心情とクロスさせながら楽しめそうですよね。
はい、いろいろなリアルな恋愛の感情が交差するストーリーなので、誰もが体験した気持ちがそこにあるんじゃないかと思います。見終わったあとに僕はじわじわ来たので、気楽な気持ちで観に来て欲しいですね。きっと、あとでじわじわ来ます!
成田凌のプライベートについて10問10答!
Q1. 2019年の抱負は?
思いたったら即行動!
来月お休みをもらえることになり、即、海外旅行の手配をしました(笑)。
Q2. 一人派?団体行動は?
団体派!
人と一緒にいるほうが楽なタイプです。
Q3. 今年挑戦したいことは?
ひとり旅とゴルフ。
団体行動派だからこそ、海外旅行は一人旅に挑戦することにしました!
ゴルフは将来することになりそうので、早めに始めておこうと思って。
Q4. インドア派?アウトドア派?
完全にインドア派です(笑)。
Q5. 何年も続けていることは?
ウェットクイックルワイパーで毎日床を掃除していること。
毎日、床を濡れ拭きで掃除出来ているのってすごくないですか(笑)。
Q6. 最近ハマっていることは?
料理とゲーム。家にいるときは、だいたいこのふたつをしています。
あとカレーが好きで、ほぼ毎日作っています(笑)。
Q7. 好きになられ好きになるタイプ?自分から好きになるタイプ?
自分から好きになります。あー好き!って、なります。
Q8. 朝、起きたらまず何をする?
まずタオルケットにくるまってゴロゴロします。
それから炭酸飲料を飲みます。
Q9. 夜、寝る前のお楽しみは?
ベッドでタオルケットにくるまること。
朝と同じ(笑)。
最近ベッドを買いまして、このベッドの寝心地が最高なんです!
Q10. 幸せを感じる瞬間は?
ベッドにはいってタオルケットにくるまるとき。3回目(笑)。
中学生ぐらいのときからタオルケットがずっと好きで手放せなくって。
旅行にも持っていきます。オーガニック素材とかふわふわ素材とか、いろいろなバリエーション持っています。
あとは、久々に納豆を食べたとき。「うっまいなー!」と、心に染みます。
ブルゾン¥286,200/ナマチェコ(LAND OF TOMORROW 丸の内店) タンクトップ¥19,440、パンツ¥29,160/ともにニードルズ(ネペンテス) シューズ¥72,360/アデュー(エドストローム オフィス) 他スタイリスト私物
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1993年生まれ。埼玉出身。男性ファッション誌『MEN’S NON-NO』専属モデルに合格し、2013年からキャリアをスタート。翌年に俳優デビューを果たし、ドラマ「ふればなおちん」「逃げるは恥だが役に立つ」「コード・ブルー」や、映画『新宿スワンⅡ』『スマホを落としただけなのに』など話題作に多数出演する。2019年も『チワワちゃん』『飛んで埼玉』の公開に続き、『さよならくちびる』『カツベン!』など話題作が待機。
監督:今泉力哉
脚本:澤井香織、今泉力哉原作/角田光代『愛がなんだ』
出演/岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、江口のりこ
2019年 日本映画 2時間3分
配給/エレファントハウス
4月19日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー
©2019映画「愛がなんだ」製作委員会
http://aigananda.com
photos:FABIAN PARKS, réalisation:KAORI NAKAMURA, stylisme:SHOGO ITO (sitor), coiffure et maquillage:AI MIYAMOTO (yosine.)