attitude クリエイターの言葉

ニナ リッチに新風を吹き込む、若手デュオの言葉。

インタビュー

老舗メゾンの新しい扉を開く、カリブの空気を纏った若手デュオ。

ルシェミー・ボッター&リジー・ヘレブラー|ニナ リッチ デザイナー

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昨夏、新しいクリエイティブディレクターを迎えたニナ リッチ。モード界をあっと言わせた、その人選には、メゾンの新境地開拓に込められた強い思いが見て取れる。パリの老舗メゾンが白羽の矢を立てたのは、アントワープ発のメンズブランド「ボッター」を手がけるデザインデュオ、ルシェミー・ボッターとリジー・ヘレブラー。2017 年に共同でボッターを立ち上げ、翌年には、すぐに大きな賞を受賞し、注目を浴びることになった若手ブランドだ。

「クリエイティブディレクターに就任した時、プレッシャーはなかった。それよりニナ リッチが誇る熟練の職人たちと、一緒に仕事ができることがうれしかった。素晴らしいアーカイブも魅力。そこに私たちが得意なひねりや大胆な色使いをプラスして、いまのムードにフィットするモダンなデザインに仕上げるのはとても楽しいプロセスよ」(リジー)

ハードワークの中に、小さな楽しさを見いだす。

カリブ海キュラソー島出身のルシェミー。そして、アムステルダムと母の出身地であるドミニカを行き来しながら育ったリジー。彼らが知り合ったのは16年前。島からアムステルダム郊外の村に引っ越してきたルシェミーの友人が、リジーの兄だった。

「僕らはもう長らく一緒にいるし、コレクション制作も自然と役割分担ができているんだ。僕は物語を考えデザイン画を起こす。そしてそれをリジーが立体にする」(ルシェミー)

その共同作業で生まれた2020年春夏の新作は、ノスタルジックなムードと最先端の技術が融合したコントラストが際立つ仕上がり。

「ニナ リッチとボッター。完成品は全然違うものの、実は出発点は同じだったりすることもある。でもこれは、私とルシェミーにしかわからないこと。ふたつのブランドに向き合うのは大変だけど、そんなところにも楽しみを見いだしてる」(リジー)

昨年、仕事に没頭したいと、住み慣れたアントワープからパリへ引っ越した。いまはモードの中心、パリでの刺激的な暮らしを満喫しているそう。

「時間を作ってアントワープに帰り、気の置けない友だちや家族と過ごすようにしている。クレイジーなモード界と距離を置くことも必要だしね。そんな寛ぎの時間があるから、仕事も頑張れるんだ」(ルシェミー)

そして旅をする機会も増えたふたりは、東京ではルシェミーが集めるフィギュアを探して散策したとか。「色や形など、フィギュアにはヒントがいっぱい。これは仕事というよりも趣味だけどね!」(ルシェミー)

Rushemy Botter/ルシェミー・ボッター
Lisi Herrebrugh/リジー・ヘレブラー


オランダ領キュラソー島出身のルシェミー・ボッターは、ベルギーのロイヤルアカデミーオブアーツでメンズウエアを学ぶ。ドミニカ共和国出身のリジー・ヘレブラーは、オランダのファッションインスティチュートを卒業。
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フラワーモチーフが連なるドレス、フーセンガムのようなピアスなど、ポップなアイデアと卓越した技術が見事に融合した2020年春夏コレクション。人気のバケツ型帽子は、リジーが砂浜で姪っ子と遊んでいた時に使ったプラスチックのバケツがヒント。フェルトに最先端の加工を施し、プラスチックのように仕上げている。

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ニナ リッチ 2020年春夏コレクション

*「フィガロジャポン」2020年1月号より抜粋

interview et texte : TOMOKO KAWAKAMI

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