FIGARO HOMME 彼との瞬間。
坂口健太郎に30の質問。

インタビュー

昨年、映画デビューを果たすとともに、一躍時の人となった坂口健太郎。
『フィガロジャポン』12月号に、スペシャルインタビューを掲載。
飄々とした表情の向こうに垣間見える素顔を、写真家の川島小鳥が捉えた。

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Q1.今朝起きて、最初にしたことは?
何したっけなあ......、面白くなくてごめんなさいだけど、顔を洗いました。

Q2. 明日の仕事がキャンセルになりました。何をしますか?
明日が休みだと、今日わかったわけですよね。そうしたら今日の夜から友だちと飲みに行って、でも深くまで飲むのは得意ではないので1時ぐらいには帰宅して、寝て。休みの当日は映画を見て、部屋の片づけですかね。いつも休みはたいていそれで終わっちゃいます。

Q3 .1億円と1か月の自由時間。どちらかもらえるとしたら?
1億円! 

Q4.それでしたいことは?
自宅の家具や家電を最強のものにしてみたいです。最高のベッド、最強の洗濯機、最上のテーブル......とかでそろえてみたいなあ。

Q5.タイムマシンが一度だけ使えるとしたらどの時代へ行きたいですか?
戦国時代。

Q6.なれるものならなってみたい人は?
タイムマシンで戦国時代に行きますよね。そこで、武将になりたいです。たとえば石田三成。彼に人望がなかったと言われるところを修正して、完璧な武人になって、家康に代わって天下を取ってみたい。いや、むしろ軍師のほうがいいかな。信長や三成のそばで采配を振るってみたいです。

Q7.自分の性格を変えられるとしたら、どこをどんなふうに?
特に自分のこういうところがイヤだというのはないかもしれません。

Q8.子ども時代のあだ名を教えてください。
「ケンちゃん」か「サカ」。ケンタロウって長いから言いづらいんだろうけど、それでいきなり「サカ」に行っちゃうか? という気がしていました。

Q9.毎日必ず食べるものは?
バナナ。

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Q10.彼女の絶対条件は?
よく笑うこと。

Q11.結婚相手の絶対条件は?
あ、結婚相手は別なんですね。ならば......、喜怒哀楽をちゃんと出す人。

Q12.これまでの俳優業でいちばんつらかったことは?
まだ辛いというほどのことは体験してないかもしれません。あえて言うなら睡眠くらい。撮影と取材がたて込んで、3日間で1時間しか寝られなかったことがありましたが、それも眠かっただけなので、辛いのとは違いますよね。

Q13.これまでの俳優業でいちばん楽しかったことは?
楽しいというのとはちょっと違うんですが、完成した映像を観て、ああ、よかったなと思えたことがあったんです。決して毎回ではないし、全場面の自分がいいというようなことはまったくないんですが、わずかな箇所でも「よかった」と思えたことがあったこと。楽しいというより、嬉しかったと言ったほうがいいですかね。

Q14.俳優になってよかったと思うことは?
まったく違う人格を演っても、すべて当たり前に受け入れてもらえるところ

Q15.俳優としての目標は?
どうしてもとは思わないのですが、あえて言うなら「主演」。

Q16.俳優として「ここだけは譲りたくない」ことは?
あえてそういう部分は持たないようにしているかもしれません。いまは流されたほうがいいと思っているので、あまり頑なにならないでいようと思っています。

Q17.ライバルは誰?
それもいないんですよね。目標とする人もいない、というかあえてつくらないようにしている感じです。自分が戦うべき相手は自分というのが近いかもしれません。

Q18.この1カ月に読んだ本を教えてください
ええと(とバッグの中を探しながら)、『握る男』という原宏一さんの小説です。新幹線に乗るときは必ず新しい本を買うことにしているんですが、これは名古屋に行くとき、時間がない中でなんとなく手に取った本だったんです。これは当たりです。天才寿司職人が実はものすごい策略家だったという物語で、すっごく面白いです。
あとは対談でお目にかかった穂村弘さんのものはだいたい読んだかな。それとタナカカツキさんの『サ道』。サウナの作法みたいなことが書かれていて、これも面白かった。あと、なんとなく植物っていいなあと思い、植物がタイトルに入っている小説を読みました。タイトルは......思い出せない(笑)。ボタニカルがやりたかったわけではないんですが、なぜだか植物のことが気になっていたんですよね。あとは湊かなえさんの『母性』を読みました。

Q19.いちばん好きな本は?
『聖の青春』。「東の羽生、西の村山」と呼ばれた天才棋士・村山聖を大崎善生さんが描いたノンフィクションなんですが、小さいころから病気を患うなかプロ棋士になって、29歳で亡くなってしまうんです。壮絶です。でも将棋への愛にあふれていて、いまの僕のバイブル的な本になっているかもしれません。
ただ、彼の真似をしようとか、彼のようになりたいとはまったく思わないんですよね。聖の将棋に対するものすごい熱量を前にして、飽きっぽい性格の自分にはないものなのだなと思い知らされるというか。でもそのすさまじい熱量に惹かれるのだと思います。

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Q20.いちばん好きな映画を教えてください
いちばんかあ......、『青い春』か『さらば青春の光』のどちらかですね。
『青い春』は高校生のころに初めて見て、そのときもいいなと思ったんですが、大学に入ってもう一度見て、もっと好きになりました。最初から好きだったけれど、確信的に好きになったというか。
『さらば青春の光』も高校3年生の時か大学1年のときだったと思います。
仕事を別とすればいまでもそうなんですが、この映画には誰が出ていて、監督は誰でといったことを全然覚えないんですよ。そこらへんを意識的に見るとまた違ってくるのかなと思うのですが。

Q21.好きなミュージシャンは?
小さいころからずっと好きなのは、ハービー・マンというジャズフルートの人。一曲あげるなら『メンフィス・アンダーグラウンド』かな。でもB'zもめっちゃ好きなんです。楽曲がすごくかっこいい。特に好きなのは『裸足の女神』と『LOVE PHANTOM』。

Q22.好きなお酒は?
焼酎ですかね。蕎麦、芋、米、どれも好きです。

Q23.好物は?
卵! 料理方法はなんでもいいんです。ゆで卵でもだし巻でもオムライスでも。それこそ卵かけご飯も大好き。

Q24.ベスト・スイーツは?
最近、すっごく美味しいガトーショコラを食べました。ただどこのかわからないんですよね。けっこうずっしりした感じで美味しかったのだけれど。

Q25.最近、購入したものでいちばん高価なものを教えてください
一眼レフのカメラ。フィルムです。

Q26.毎日、欠かさずしていることは?
湯船につかること。

Q27.座右の銘を教えてください
う~ん。いまはまだないです。

Q28.この1年でぜひやりたいことは?
舞台をやりたいです。俳優をやってる友だちと、ふたり芝居をやりたいねと言っているんです。小さな劇場でふたりっきり。それを実現させられるのは先かもしれないけれど、まずは舞台に出てみたいです。

Q29.人生の最終目標は?
息子と仲良くなっていたいですね。
(子供は男の子と決まっているんですね?)
あ、そうだった(笑)。なんのためらいもなく息子って言ってました。

Q30.10年後の自分にひと言。
「楽しんでるかい?」かな。
いまはとても楽しくお芝居の仕事をやれているんですけれど、それが10年後どうなっているのか、それが気になります。
性格的に、「楽しくやれているか」をけっこう大事にするところがあるかもしれません。自分はもちろん、スタッフさん含めた全員が楽しんでやっているか。それが伝わってくる現場は本当に素晴らしいしと思うので。そのためにはまず、自分が楽しむことがいちばんかなと思っています。
楽しいという言葉はいろいろなことに当てはまる感じがしています。ラクってことじゃなくてね、楽しくやっていたいです。なんでも。

【PROFILE】
坂口健太郎/KENTARO SAKAGUCHI
1991年東京生まれ。2010年、『メンズノンノ』の専属モデルに合格。14年、映画『シャンティデイズ365日、幸せな呼吸』で俳優デビュー。以後『娚の一生』『海街diary』『at Home』などに出演。最新作は、大ヒット漫画原作の『俺物語‼』(監督は河合勇人、主演は鈴木亮平、永野芽郁。10月31日より、新宿バルト9ほかにて公開)。年明けには『残穢-住んではいけない部屋-』が公開される。常に本を手放さない読書家。

ITEM LIST
写真上、中)コート¥339,120、シャツ¥172,800、パンツ¥140,400、シューズ¥99,360/以上ロエベ(ロエベジャパン カスタマーサービス)写真下)ニット¥100,440/ジル・サンダー(オンワードグローバルファッション)

photos:KOTORI KAWASHIMA, stylisme:KENTARO HIGAKI (little friends),
coiffure et maquillage:CHIKA KIMURA,texte:YUKIKO YAGUCHI

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