Music Sketch

プリンスの貴重なラジオ番組や、カンバーバッチの舞台が配信。

Music Sketch

Stay Homeに向けて、無料で配信されている音楽や舞台映像などを今回もご紹介します。

■プリンスが2005年に制作していたラジオ番組を初公開。

アメリカのインターネット及び衛星ラジオ曲の「SiriusXM」が、5月31日まで無料配信中だ。ここではシェリル・クロウが自分の好きなビートルズの楽曲を紹介したり、カーディ・Bが同じくお気に入りのクラシックナンバーを紹介したりするなど、アーティストがゲストDJを担当するチャンネルなどが人気。動画も見ることができ、その種類の多さも魅力だ。そして、5月1日からはプリンス、デヴィッド・ボウイ、フリートウッド・マック、メタリカ、ガンズ・アンド・ローゼスなどのアーティスト専用のチャンネルを新たに開設する。

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なかでもプリンスのチャンネル(Ch30 The Prince Channel)は現地5月1日の夜10時に開始予定で、2006年発表のアルバム『3121』の発表に先駆けて企画されたラジオ番組のデモ版が初公開される。プリンス自身が制作し、自分の楽曲を演奏するほか、プリンスお気に入りのコメディアン、カット・ウィリアムズや、番組の司会者に迎えたDJ Rashidaとのトークもあるとのこと。

また同チャンネルでは、彼と懇意だったアーティストによる番組や、今年1月28日にロサンゼルスで開催されたトリビュートライブ『Let’s Go Crazy: The GRAMMY Salute to Prince』も放送予定。アース・ウィンド&ファイアー、スザンナ・ホフス、フー・ファイターズ、ベック、アッシャー、セント・ヴィンセントなど豪華な面々が出演しているので、こちらもぜひチェックしておきたいところだ。

■フー・ファイターズはクイーンと共演したライブ映像を公開。

いまやミュージシャン自らが、過去のコンサート映像を多数ネットに上げている。なかでも最近人気なのは、フー・ファイターズによる2006年のロンドン・ハイドパークでの野外コンサート。ゲストには、モ―ターヘッドのフロントマンであるレミー・キルミスター、そしてアンコールには、クイーンのブライアン・メイとロジャー・テイラーを迎え、感動的な盛り上がりを見せているものだ。

フー・ファイターズのドラム奏者であるテイラー・ホーキンスは、以前本人にインタビューした時に「ロジャー・テイラーを尊敬しているので、自分の名前にテイラーと付けた」と話していたほどの熱狂的ファン。本人たちが歓喜しているのを見ているだけで楽しくなるし、ブライアン・メイが「和」と書かれたTシャツを着て、ここでも親日家ぶりを見せているのもうれしい。元気をもらえる動画だ。

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■ナショナル・シアター・ライブにカンバーバッチが登場。

人気のナショナル・シアター・ライブ(NTLive)は「ナショナル・シアター・アット・ホーム」として、毎週木曜日から1週間の期間限定で、過去に公開してきた名作を1作品ずつ無料配信している。

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現在は2011年にアカデミー賞監督のダニー・ボイルが演出し、ベネディクト・カンバーバッチとジョニー・リー・ミラーがダブル主演した、メアリー・シェリー原作の『フランケンシュタイン』を配信中。この作品でカンバーバッチもミラーも2012年にローレンス・オリヴィエ賞主演男優賞を共に受賞したほど、大絶賛された舞台だ。それぞれフランケンシュタイン博士役と怪物役を交互に演じたものが1日おきに配信されているので、比べて観るのもオススメ。 

5月7日からは、シェイクスピアの歴史劇『アントニーとクレオパトラ』が配信される。NTLiveの作品は何度も観ているが、舞台美術やメイクなど独創的で凝っているので、未見の方にはぜひチェックしていただきたい。

■自宅でオペラ三昧したい方には、このサイトを。

OPERAVISION」は、世界各国で公演された有名なオペラを自宅で満喫できるサイト。「PERFORMANCES」から観たい作品をクリックすればすぐにスタート。また、「COMING SOON」にはこの連休中にストリーミングが公開される作品のリストが並んでいる。今後はサンティアゴ市立劇場で上演されたチャイコフスキー作品『白鳥の湖(Swan Lake)』や、フランダース・オペラでのフランツ・シュレイカー作品『ヘントの鍛冶屋(Der Schmied von Gent)』などが予定されている。

フランダース・オペラは、前回も紹介したように、アルゼンチンのブエノスアイレス出身の指揮者アレホ・ペレスがベルギーの国立オペラ・カンパニー系列のこの劇場の音楽監督に就任し、画期的な舞台を披露し、話題を集めている。そのペレスが、今年2月に20世紀に歌劇の世界で活躍したオーストリアの作曲家シュレイカーの『ヘントの鍛冶屋』で指揮を振り、しかも芸術監督も兼ねた作品だ。シュレイカーは総合芸術を意識してさまざまな実験も試みた、当時最先端を行く作曲家であったものの、ナチスからの迫害を受け、晩年は憂き目に遭っている。それだけに、ペレスがどのように再生させているのか、とても楽しみだ。


いつになれば新型コロナウイルスの感染が収束するのか、また、いつまでStay Homeが続くのか不安は尽きないものの、これら期間限定の無料配信を堪能して、みなさまが少しでも満ち足りた時間を過ごすことができれば、と願っています。

*To Be Continued

伊藤なつみ

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
Twitter:@natsumiitoh

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