
ミシェル・ブランチ・ナイトのお知らせ②
Music Sketch
ミシェル・ブランチの登場で、ミュージック・シーンに変化が表れるようになりました。
次々と若きシンガー・ソングライターが登場し、ヴァネッサ・カールトンやアヴリル・ラヴィーンがデビュー早々に大ブレイク。また、先輩であるP!NKやクリスティーナ・アギレラも、元4ノン・ブロンズのリンダ・ペリーをプロデューサーに迎え、自分の過去やリアルな心情を包み隠さず明かした、ロック度の増したアルバムを次々と発表するようになりました。チャートに入るために、プロの作曲家から渡された曲を歌うアイドル的なシンガーより、自分と同じような痛みや悲しみ、喜びや怒りを露わにした若手の女性シンガーが親近感や共感を一心に集めはじめ、自分の言葉で歌う女性シンガーが同世代の代弁者として求められるようになってきたのです。
そして、メジャー・デビュー前から自らホームページを立ち上げ、ティーンエイジャーたちの代弁者となってきたミシェルが、ますます注目されるようになりました。
2003年には大御所サンタナと共演した「The Game Of Love」で、グラミー賞の最優秀コラボレーション・ウィズ・ヴォーカル部門を受賞しました。
この頃にはカナダのシンガー・ソングライターのシャンタール・クレヴィアジックや、シェリル・クロウといった先輩アーティストと一緒に曲を制作する一方、友人のバンド、ジャスティンケイスのアルバムをプロデュースするなど、積極的に音楽活動を展開していきます。
そして2003年にはメジャーとして2枚目のアルバム『ホテル・ペイパー』を発表します。
『ホテル・ペイパー』。デイヴ・ナヴァロやシェリル・クロウがゲスト参加。
これは前作が大ヒットし、シェリル・クロウなどと一緒に長い間ツアーをまわっていた間にできた曲が多く、どこにいてもホテルのベッドサイドにあるメモ用紙がミシェルの歌詞のアイデアを記録していたため、この2年間のミシェルの日々を象徴するような言葉として"Hotel Paper"に決まったそうです。
「わりと現実の体験をそのまま歌っている曲が多いの。でもなかには象徴的なものもあって、私にとっては表面的なイメージとは全然違う意味を含んでいたりする。アルバム全体としては、誰かを探し求めることというか、寂しさや不安を取り除いてくれる何かを求めたり、一緒に体験を共有できる人がほしいという気持ちを表現しているわ」
このアルバムからの1stシングルが「Are You Happy Now?」。
この歌について、当時こんなふうに話していました。
「ここ2年ばかりで学んだ大きな教訓を描いているの。それは、自分が決めたことには責任を持たないといけない、いったん決めたものを軽く見てはいけないということ。いつかは、その決定を振り返って"Are you happy now?(これで本当に幸せなの?)"と、自分に問い直す日が来るから。実際、私は過去に、何かを言い損ねては、あとで後悔したりしたしね。"あの時、こう言っていたら、どうなっていただろう"って。そういうことを歌った曲よ」
この頃には失恋していたようですが、その後2004年5月には、ミシェルのバックバンドのベース奏者のテディ・ランドー(あの有名なセッション・ギタリストのマイケル・ランドゥの弟)と結婚し、翌年8月に出産。妻であり、母親としての人生もスタートさせました。
「Breathe」もヒットしました。
*To be continued