心に響く、映画体験。

ウソつき男を愛せますか? 映画『英雄は嘘がお好き』であなたの女心を診断。

心に響く、映画体験。

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家でも外出先でも映画が観られる時代になったけれど、照明が落ち、予告編に続いて本編が始まる劇場での映画体験って特別なもの! 2020年に創刊30周年を迎えるフィガロジャポンは、松竹マルチプレックスシアターズが運営する新宿ピカデリーや全国のMOVIXなどを主な上映劇場とし、世界各国から選りすぐりのミニシアター系作品の公開に力を入れるピカデリー プライム レーベルとタッグを組み、「人生の一本」となるような劇場での映画体験を応援します。5作目のレビューは、フランスはブルゴーニュ地方を舞台にした19世紀のコスチューム劇『英雄は嘘がお好き』。ウソつきでも魅力的な男性を、あなたは好きになれる? そして受け入れられる? 女性たちへの永遠の問いかけがここにあり。フランスの小粋な俳優たちの、のびのびした軽快な演技をお楽しみください。

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お城とコスチュームと恋文と。フランスの憧れ要素がいっぱい。

先のヴェネツィア国際映画祭では、ロマン・ポランスキー監督作『L’Accused』のコンペ出品が議論を呼んだが、最終的にグランプリに次ぐ、審査員大賞を受賞。19世紀のドレフュス事件をスリリングに描いたこの受賞作で、主役ピカール大佐を演じるのは『アーティスト』(2011年)で米国アカデミー賞主演男優賞に輝いたジャン・デュジャルダンだ。

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レトロなイケメンぶりがたまらないジャン・デュジャルダン。

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そんな人気スターが、同じ19世紀の軍人役でも、ホラ吹き大尉役で軽快な演技を披露するのがローラン・ティラール監督作『英雄は嘘がお好き』。舞台は1809年のフランスはブルゴーニュ。お城住まいのボーグラン家では、次女ポリーヌとヌヴィル大尉(ジャン・デュジャルダン)との縁談がまとまるが、喜びもつかの間、大尉は戦場へと駆り出されてしまう。待てど暮らせど、戦場の大尉からの手紙は届かず、哀れポリーヌは気に病むあまり、床に臥せってしまう。姉のエリザベット(メラニー・ロラン)は、嘆き悲しむ妹のために一肌脱いで、大尉からの手紙を捏造することに。するとポリーヌはたちまち病から復活。上首尾に気を良くしたエリザベットは次々とヌヴィル大尉の武勇伝を書き綴り、ついには名誉の戦死を遂げさせてしまう。ところがある日、大尉がひょっこり舞い戻り……!
結婚を女の幸せとする古い慣習を嫌う、自立心旺盛なエリザベットには、フランスを代表する女優のひとりとなったメラニー・ロラン。ジェーン・オースティンの小説から抜け出してきたかのようなヒロイン役でコメディに初挑戦しているが、共演者たちのわかりやすいコメディ演技とは対照的なミニマルな芝居には、いまや監督としても活躍する彼女ならではのコメディ解釈が生かされていておもしろい。さらに狸オヤジ風のヌヴィル大尉を、実に自然に、そしてチャーミングに演じるデュジャルダンの芸達者ぶりも際立つ。

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実は非常にユニークな一面を披露する妹のポリーヌ。

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姉も知らぬ妹の一面が、物語のアクセント。

“きらいきらいも好きのうち”が定説のロマンティックコメディだけに、不実な女たらしのヌヴィル大尉と、彼を抹殺したいエリザベットの関係がどう転がってゆくのかが本作の見どころ。その鍵となるのが、ヌヴィルが秘めた弱さや人間臭さを、彼の真実として見いだすエリザベットの豊かな想像力と親密さ。このカップルの行方のほかにも、純文学派のエリザベットに対し、伝統的な女の一生に憧れるポリーヌが実は姉もびっくりの官能的な恋文の書き手だった!というエピソードなどなど。映画は、「外側からではわからない内なる声を聴いて」とささやきかける。

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メラニー・ロランも体当たりのずっこけぶり。

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女優たちの衣装は要チェック。役柄のキャラと合ってておもしろい。 

そして当然、お城とフランス式庭園という背景に映えるコスチュームも見逃せない。妹ポリーヌが纏う伝統的なシルクサテンのドレスに対し、エリザベットの衣装は、コルセットから解放されたものにしたいというメラニー・ロランの意向が採用されているという。そんな、現代にも通じるフレアドレスの生地は、ソレイアード風あり、インド更紗ありと実に個性的で楽しい仕上がりになっている。

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texte : REIKO KUBO

『英雄は嘘がお好き』
●監督/ローラン・ティラール 
●出演/ジャン・デュジャルダン、メラニー・ロランほか 
●2017年、フランス映画 
●91分 
●配給/松竹 ●10月11日より公開
© JD PROD - LES FILMS SUR MESURE - STUDIOCANAL - FRANCE 3 CINEMA - GV PROD

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